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掲載日:2025年3月25日
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2024年夏。「CHANG子ども地球大学・夏休み特別教室」を川口市民パートナーステーションで開催しました。
小学校1年生から6年生まで、約30人が参加。何人もの子がリピーターとして来てくれるのが嬉しいです。
今回のお話しは「インド」。名前はよく聞くでしょうが実際に行ったことあるって人は少ない国です。
約30人の子ども達がインドのお話しを聞きに来てくれました。
インドの国旗や場所のクイズを出すと、この「子ども大学」に慣れている子はクイズの傾向が分かっているのでしっかり予習してきてくれています。
通貨はルピー、時差は3時間30分なので、日本が朝の9時で授業が始まる時間、インドではまだ朝の5時30分。日本から直行便の飛行機で9時間30分と結構時間がかかります。
そしてインドと言えば大国。他の国のお話しでも常に学習しているのが、世界の国の大きさや人口、そこで必ず出てくるのがインド。「世界でいちばん人口の多い国は?」と質問すると、つい「中国!」と答えてしまう方も多いでしょうが、昨年、中国はインドに抜かれて現在の世界一はインド。そして国土は世界7位と、人も国土も大きい国なのです。
クイズ形式で楽しくインドを学習。みんなが元気に発言してくれました。
インドはファッションにも特徴があります。女性のサリーはお姫様のようでとても美しく、男性は頭にぐるぐる巻いているターバンが良く知られてます。
私 「ではこのターバンはどのくらいの長さでしょう?」
小学生「1メートル?」
私 「もっと」
小学生「3メートル?5メートル?」
私 「5メートルから7メートルが正解!ただこのターバンをしている人はシーク教という宗教の2%の人だけなんです」
小学生「そうなんだ・・」
私 「では、女性のファッションクイズです。インドの女性はみんな・・背中にタトゥ?鼻にピアス?ネイルアート?足にネイル?カラコン?超ロングヘア?舌にピアス?どれでしょう?」
小学生「舌にピアスって怖い!」
私 「答えは鼻にピアスをします。結婚する時にノースティガというアクセサリーを付けるので子供のころから穴をあけておくんですね」
女性のサリー、男性のターバン、インドのファッションはとても美しいです。
インド料理やお菓子を紹介。オレンジ色の小麦粉を揚げてシロップ漬けした“ジャレビ”、甘くてしっとりしたミルク菓子の“サンデシュ”甘くて美味しそうなものばかり。
私 「ではお菓子クイズ!インドの“グラブジャムン”というお菓子は世界一・・高い?くさい?辛い?まずい?甘い?苦い?すっぱい?」
小学生「くさいって!それはないでしょ!」
私 「ではみんなで実際に食べてみましょう!」
小学生「え?え?ほんと!?あるの?!やったー!!」
ここで全員でグラブジャムンを試食しました。
ドーナツを砂糖のタレに漬けたようなお菓子ですが、小学生の反応は「甘い!」、「おいしい!」という子もいれば、「ビミョー・・」、「薬の匂い・・」いろいろな感想がありました。
みんなで世界一甘いと言われるグラブジャムンを食べてみました。
次にインドの小学校を紹介。1年生から英語の授業があり、3年生からはプログラミングの授業もあります。
私 「日本では算数で九九を覚えますね。インドでは九九だけでだけでなく20×20まで暗記します。」
小学生「え・・・」と絶句。
日本と同じなのは4月が新学期ということ。世界的に4月からというのは珍しいのです。
これだけ勉強しているからか、優秀な人材を世界に排出しているインド。
私 「ではこの会社の共通点は?“Google”、“Microsoft”、“Chanel”、“Adobe”・・」
小学生「グーグル知ってる!」「みんなパソコンの会社?」「インドに会社がある?」、「インド人が働いている」・・
私 「近くなってきました!ヒント!インド人が働いていて、そのインドの人は優秀です」
小学生「優秀・・・あっ!社長がインド人」
私 「そうなんです!世界的な会社に次々とインド人社長が誕生してるんです。スマホで有名なソフトバンクの副社長もインド人でした」
小学生「すっげー!」
多くの世界的な企業でインド人の社長が誕生しています。
インドはたくさんの言語があること、インドは映画の製作数が世界一、食事の食べ方、学校制度、インドの神様など様々な文化と習慣を学びました。
観光地では有名なタージ・マハールは皇帝が妻に捧げたお墓、ヒンドゥー教徒の聖地であるガンジス河、お城のラール・キラー、ショッピングで賑わうピンクシティなどを紹介しました。
インドを代表する建造物タージ・マハール
第二部のSDGsの話しではインドの「カースト制度」を通じて「差別」や「不公平」を説明しました。今は廃止されいる制度ではありますが、インドには生まれながらに階級が決まっていました。いちばん偉い階級にはお坊さん、そして王様、兵士、商人と続き、階級のいちばん下のシュードラは労働者。さらに階級さえ与えられない奴隷のような扱いを受けていたのがダリット。ダリットはみんなと一緒にご飯を食べることもできません。靴もはけません。病院にも行けません。学校では一緒に勉強することもできません。
「えー・・・」
仕事も選ぶことができず、トイレの掃除や人や動物を火葬する仕事とか、他の人が嫌がるような仕事ばかりしかないのです。
私 「小学校でも、差別や不公平はあると思いますよ。いじめられていたり、病気で学校に来れない子もいます。こうゆう子に何ができるかを考えましょうね。」
小学生「いじめを見たら先生に言います。」「友達になります。」「学校に来れない子がいたら家に遊びに行ってあげます。」
みんなとても良く理解してくれました。
インドのカースト制度を通じ、小学校にある差別や不公平を考えました。
そして最後にインドの子ども達にプレゼントするアクセサリーを作りました。
小学生「インドの子って何色が好きなのかな?」「いろんな色があったほうがいい?」「シンプルがいい?」
みんなインドの子を想像して、どんなデザインが喜んでもらえるかを真剣に考えて作ってくれました。
インドの子ども達に喜んでもらおうと一生懸命にブレスレットを作りました。
11月5日(木)
日本で作ったアクセサリーをインドの子ども達に実際に届けに来ました。場所はインドではなく、タイの首都バンコクにあるウィタヤライ小学校。この地域にはパフラットというインド人街があり、そこの子ども達が通っているのがこの小学校です。
タイのバンコクにはインド人街があり、そこの子ども達が通う小学校へ訪問
日本の子ども達が作ってくれたアクセサリーを見せると大喜び。色んな国で同じ企画をしてますが、いちばん喜んでくれたかもしれません。
インドの子「え?くれるの?」「ほんと?嬉しい?」
1人1人にプレゼントして、名前と年齢を聞きました。この時の写真を今度は日本の子供にお返しします。
日本の子どもが作ってくれたアクセサリーに大喜び
最後に先生から日本語を教えてほしいと頼まれました。
私 「日本の挨拶は“おはようございます”」
インドの子「おはようございます!」
他の国では「おはよう」と「ございます」を分けないと中々言えないのですが、インドの子ども達は初めから「おはようございます!」「こんにちは!」とスラスラ言えて、更に発音がとても良いのに驚きました。色々な国で日本語を教えてますが、発音の良さはインドの子が一番だと感じました。
日本の皆さんありがとうございました。いつか会えるといいですね。
子ども達も校長先生もとても喜んでました。
アクセサリーを通じて、埼玉県の子供とインドの子供が友達になれました。いつか本当に会えるといいですね