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掲載日:2024年12月26日

女性活躍推進法の改正による「男女の賃金の差異の公表」はチャンス!でもある

コロナ禍になる前の賀詞交歓会の折、歓談をしていたところ、ご来賓の方から「社会保険労務士(社労士)を始め士業の方は、男女の賃金格差がないですよね。」という言葉を頂きました。確かに、自分が依頼された各種手続きや労務に関する相談等に対する報酬は、自分で決めることができ、性別による差はありません。そのことを再認識した言葉でした。

 

ところで、前述のような言葉をいただくということは、日本の企業では、まだまだ「男女の賃金格差」があるということを示唆しています。いわゆる「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」「次世代育成支援対策推進法」「女性活躍推進法」等が制定・改正されて、結婚や出産による退職が減少し、女性の管理職も徐々に増す中で、「男女の賃金格差」は縮小傾向ではあるものの、他の先進国と比較すると依然として格差が大きい状況です。

 

そこで、「女性活躍推進法」の省令改正により、情報公表の項目に「男女の賃金の差異」が追加され、常用労働者数301人以上の事業主にはその公表が義務付けられました(令和4年7月8日施行)。公表においては、事業主はより詳細な情報や補足的な情報を任意に公表することもできます。例えば、「女性の新規採用者数が増えた結果、賃金水準の低い若い方が増えたことで、一時的に女性の平均年間賃金が下がったため、前事業年度に比べて男女の賃金の差異が拡大した。」といった事情がある場合には、その旨を追加情報として公表することができます。

 

この事業主による追加的な公表により、数値では見えない、自社の取組みをアピールすることができます。また、自社の状況を分析しますから、自社の強みを知ると共に、将来に向けての改善点も把握することができます。一方、求職中の方、企業への投資を考えている方にとっては、事業主による公表も選択のための有益な情報となると考えます。従いまして、この追加的な公表はチャンスにもなるといえましょう。私は社労士として、企業と共に、働きがいのある勤務環境の醸成に取り組むことで、有益な追加的な公表ができるようにお手伝いしていきたいと思っています。

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