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掲載日:2021年12月2日
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不当労働行為救済申立事件の救済命令について(埼労委令和2年(不)第1号不当労働行為救済申立事件)
埼玉県労働委員会(会長 青木孝明)は、令和3年12月2日、標記事件に係る命令書の写しを当事者に交付したのでお知らせします。その概要は次のとおりです。
~団体交渉拒否が不当労働行為に該当するとした事案~
川越地域ユニオン(川越市)
社会医療法人Y(狭山市)
事業内容:医療業
令和2年9月1日
被申立人が、下記団体交渉事項について、今後、団体交渉の進展の見込みがないとして団体交渉を拒否したことが、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為に当たるとして申し立てられた。
➀時間外手当の未払について
➁言語療法室のパネルの取り外し及びその復元について
➂机の購入及び言語療法室の確保について
④就業規則について
被申立人は、申立人が申し入れた上記2(2)のうち➀から③について拒否してはならない。
団体交渉事項のうち、上記2(2)の④以外については、労働組合法によって、使用者が団体交渉を行うことを義務づけられる団体交渉事項(義務的団体交渉事項)である。この団体交渉事項への被申立人への対応についてみると、被申立人が、申立人の要求及び主張に対する回答や自己の主張の根拠を具体的に説明したり、必要な資料を提示したりするなどして被申立人の主張を申立人が理解し、納得することを目指して努力したとは言えない。よって、被申立人は、誠実交渉義務を尽くしておらず、団体交渉が行き詰まりの状態にあったとは認められないから、被申立人が、この団体交渉を拒否したことは、正当な理由のない団体交渉拒否であって、労組法第7条第2号の不当労働行為に当たる。
調査4回、審問3回。令和3年11月11日の公益委員会議で命令を決定。
労働委員会とは、労働組合(労働者)と使用者との間の紛争を、中立・公正な立場で、迅速・円満に解決するために労働組合法に基づき設置された行政機関です。労働委員会では、労働組合等からの救済申立により不当労働行為の審査を行い、また、労働組合や労働者、使用者からの申請によりあっせんを行い、労使紛争の解決をサポートしています。
労働組合法第7条により禁止されている「使用者」の次の行為。
(1)労働者が労働組合の組合員であることや労働組合が正当な行為をしたことなどを理由として、労働者を解雇したり、不利益な取扱いをしたりすること。
(2)雇用している労働者の代表者との団体交渉を正当な理由がなく拒否すること。
(3)労働者が労働組合を結成し、又は運営することを支配しこれに介入すること。また、労働組合の運営経費について経理上の援助を与えること。
(4)労働者が、労働委員会に対して、不当労働行為の救済を申し立てたことなどを理由として、労働者を解雇したり、不利益な取扱いをしたりすること。
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