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掲載日:2022年10月19日
Q 安藤友貴 議員(公明)
輸入が大半を占める化学肥料がロシアのウクライナ軍事侵攻による世界情勢の影響を受け、春頃から高騰しています。令和4年6月から10月までのJA全農埼玉から県内各JAに対する卸売価格は、多くの種類で平成17年以降、過去最高でした。肥料価格の高騰は、今年の6月定例会における高橋稔裕議員の質問に対して、農林部長が「一時的なものではなく、中長期的に続くことも考えられる」と答弁されています。
このような状況下で注目されているのが、下水処理過程で生じた汚泥を活用し、肥料に転換する事業です。本来、家庭や企業から生活排水やし尿など微生物で処理をした後に残る下水汚泥は、脱水加工し焼却処分されます。肥料化は焼却に代えて脱水加工した汚泥を発酵させ、肥料にするものです。
この取組を2009年から始めている佐賀市下水浄化センターを視察いたしました。佐賀市下水浄化センターでは脱水加工した汚泥にYM菌という菌を混ぜ、45日間90度以上で発酵させ、藁や竹のチップを入れ、良質な肥料を作っています。この肥料を10キログラム当たり20円で販売しており、20キログラム数千円の化学肥料と比較するとかなりの安価となります。さらに、正に海外依存から脱却し、国内の未資源を生かした循環型農業であります。
さらに、コストも大きく削減しました。脱水汚泥を全量焼却し廃棄処分してきたときの処理単価が1トン当たり1万4,000円であったものが、全量肥料化によって1トン当たり9,000円の処理単価にコスト削減できました。年間約4,100万円のコスト削減です。さらに、焼却から発酵へ転換するわけですから、CO2削減にもつながります。
そこで、下水道事業管理者に4点伺います。
肥料化などによる限られた資源を循環させていくことは、持続的な社会のためにも重要なテーマであると考えます。下水汚泥の肥料化について、これまでどのような取組をしてきましたでしょうか、お聞きいたします。
A 今成貞昭 下水道事業管理者
県下水道局では、汚泥の処分方法については、経済性に優れること、また、処分先の確保が容易であることから、従来、主に焼却処分により行ってまいりました。
このような中、平成27年度に下水道法が改正され、発生した汚泥を燃料や肥料として再生利用することが努力義務となりました。
これを受けまして、本県でも下水汚泥の肥料化について検討することになり、平成29年度には県内の事業者に発注して、約500キログラムの肥料を試作したところでございます。
しかし、植木や花きなど一部では肥料に対するニーズはあったものの、当時の肥料化は生産効率も低く、事業採算性が悪かったことなどから本格的な導入には至りませんでした。
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