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掲載日:2022年3月30日

令和4年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(飯塚俊彦議員)

人生100年時代に必要な「オーラルフレイル」の予防・改善について

Q  飯塚俊彦 議員(自民)

人生100年時代という言葉が使われるようになってしばらくたちますが、その時間をどんなことに使うにしても、健康寿命の達成がなければ、その恩恵を享受することはできないと思います。高齢期は健康であれば誰しもが迎えられますが、いよいよ高齢期を迎え、心身の機能や活力が衰え、虚弱になってしまう状態、いわゆるフレイルは、この健康寿命の達成にとっては大きなリスクとなり、要介護予備軍への要因となります。
このフレイルですが、その入り口にはオーラルフレイルがあると言われています。年をとって、かむ、飲み込むなどができなくなってしまえば、間もなく要介護状態になってしまうことは、容易に想像がつくと思います。また、誤嚥性肺炎は高齢者にとって死因の大きな要因の一つに数えられますが、この誤嚥性肺炎は口の汚れ、舌、のど、呼吸筋力の低下などがリスクとなって発生します。長く続くコロナ禍ですが、本来嚥下機能の維持につながるおしゃべりやカラオケなどが制限されているため、コロナ禍の隠れた危機となっていることが先月発売された週刊文春にも掲載されています。
実際に誤嚥性肺炎で亡くなる方は増加しています。2月に公表された厚生労働省の人口動態統計を見ますと、令和3年1月から9月までの累計死因別死亡数については、このコロナ禍で肺炎が前年比マイナス7.3%と減少している一方、誤嚥性肺炎で亡くなる方は逆に17.6%も増加しているのです。その背景には、先ほど述べましたオーラルフレイルがあると思います。オーラルフレイルがいかに大事で注意が必要な事柄かよく分かります。
しかしながら、口腔ケアをしっかりと行うことによってオーラルフレイルが改善すれば、フレイル全体の進行も食い止められ、健康な状態へと回復できることも分かっています。例えば、歯の数が少しでも維持されれば、口腔機能の低下を防ぐだけではなく、脳が刺激されて血行や自律神経を大いに刺激すると言われています。
したがいまして、オーラルフレイルの予防・改善というのは、介護予防にとっても、健康寿命の達成にとっても、つまりは人生100年時代にとっては極めて重要な課題なのであります。そして、コロナ禍の中だからこそ、しっかりと取り組むべき課題であると認識しなければなりません。
実際に歯科医師会では、オーラルフレイルの予防・改善のため様々な取組をしています。例えば、私の地元本庄児玉郡歯科医師会では、特別養護老人ホームや急性期・回復期リハビリ病棟を有する病院などで器具を使ったトレーニングに熱心に取り組まれ、施設の利用者や職員からも大変好評と伺っております。また、昨年度の予算特別委員会でも器具を使ったトレーニングについて質問したところであります。これがその器具であります。私も毎日湯船の中でくわえています。くわえるだけです。
そこで、改めてお伺いします。まず、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって事業実施には支障はあったとは思いますが、これまでの取組の状況について、保健医療部長にお伺いいたします。
その上で、今後も引き続きウィズコロナの生活が続くと思われますが、それを前提に今後の取組をどのように考えているのか、併せてお伺いいたします。

A 関本建二 保健医療部長

議員お話しのとおり、食べる・飲み込むといった口腔機能が低下する「オーラルフレイル」は、フレイルの前段階、また、誤嚥性肺炎を引き起こす状態として注目されています。
器具等を使った口腔トレーニングは口の清潔度を高め、飲み込みなどの口腔機能を向上させる効果があり、オーラルフレイル予防が期待できるものです。
県では、これまで、器具等を使った口腔トレーニングを介護保険施設の入所者などを対象に実施してきました。
今年度はコロナ禍もあり、中には事業を中断する施設があったものの、オーラルフレイル予防の重要性を御理解いただき、事業を継続することができました。
また、さらに多くの方が取り組むことができるよう、県歯科医師会の御協力のもと、新たに口腔トレーニングに関するマニュアルや動画を作成いたしました。
マニュアルでは、トレーニング効果や取組内容を記載し、動画ではトレーニングの実際を施設職員や利用者が目で見て分かるようにいたしました。
今後、コロナ禍で歯科医師等が入所者と接触できない施設においても、入所者に対してトレーニングを行うことができるよう、これらをホームページで公開し、周知を図ってまいります。

再Q  飯塚俊彦 議員(自民)

人生100年時代に必要な「オーラルフレイル」の予防・改善についてというところなんですけれども、これが令和3年度の事業で障害者等歯科保健医療推進事業ということで行われてきたということで認識しておりますけれども、このコロナ禍において介護施設等で外部からの出入りが制限されてしまっているわけです。マニュアルや動画を活用するというふうなことで今御答弁をいただきましたけれども、これから令和4年度に向けての施設等で自主的に取り組む、県はそうやって動画だとかホームページでアップして、それを使って宣伝していくんだということなんでしょうけれども、今までやってきたトレーニングの効果の検証ですか、今までこうしてきたところの部分をもう少し詳しくデータとしてあるようでしたら、お知らせいただきたい。
そして、来年度に向けてのいろんな事業の、こういうことができるんじゃないか、こういうことが計画されているんじゃないかというふうなことがありましたら、是非御答弁をいただきたいというふうに思います。

再A 関本建二 保健医療部長

今後、マニュアルや動画を活用した口腔トレーニングを実施した施設に対しましてアンケートを行いまして、飲み込みですとかあるいは口腔の衛生状態の改善の状況、そういった効果について検証を行いまして、今後の改善につなげてまいりたいと考えております。
また、今回作成しましたマニュアルや動画につきましても、利用された方々の御意見を取り込みまして、改善につなげてまいりたいと考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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