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掲載日:2024年10月17日
Q 杉田茂実 議員(県民)
近頃、発達障害の早期発見、早期支援が重要視されております。それも、6歳までの療育が重要と言われております。これは、発達障害を起因とする二次障害を予防する重要性があるからです。発達障害の特性により、本人に過剰なストレスがかかることやトラウマが引き金となり、二次障害として、不登校やひきこもり、問題行動、対人関係の困難などの現象が発生するそうです。そこで、発達障害児支援に関わる人材育成についてお伺いいたします。
発達障害は、自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が、通常は低年齢児において発現するとされています。平成24年2月の文部科学省の調査によると、通常学級において発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒は、全体の約6.5%という結果であり、これを埼玉県の15歳未満の人口に当てはめると約6万人になると言われていますが、当時と比べ、年々増加しているのではないかと感じています。
発達障害には、外見のみでは分からないため、周囲が気づかないことがある、低年齢から存在するため、本人も気づいていないことがあるなどといった特徴があります。社会的支援が遅れてしまい、本人の生きづらさが解消されにくいことがあるため、早期に気づき、適切な支援を行うことが重要です。
県では、平成23年度から平成27年度までの5年間で、発達障害児の支援に関わる保育所、幼稚園、小学校の先生など、1万549人の人材育成を行いました。これは、全国でも極めて先進的な取組であります。また、平成29年1月には、さいたま新都心に埼玉県発達障害総合支援センターを開設し、乳幼児から学齢期、成人期までのライフステージに合わせた専門的な支援が受けられるよう、人材育成や親支援等を実施しています。
そこで、早期に気づき、適切な支援ができる人材の育成について、これまでどのように取り組み、その成果をどのように評価しているのか、お伺いいたします。
また、発達障害児への支援を小学校につなげるためには、埼玉県発達障害総合支援センターと教育局の連携が必要と思料いたしますが、今後どのように連携を充実させていくのか。
以上、2点を福祉部長にお伺いいたします。
A 山崎達也 福祉部長
早期に気付き、適切な支援ができる人材の育成にどのように取り組み、その成果をどのように評価しているのかについてでござます。
発達障害に早期に気付き、適切な支援を行うことが何よりも重要であることから、県では、県内の全ての保育所・幼稚園・小学校の教員を対象に計画的かつ規模感を持って人材育成に取り組んでまいりました。
議員お話しのとおり、平成23年度から平成27年度までの5年間で約10,500人に必要な研修を実施し、発達障害に早期に気付き、適切な支援ができる体制を整備しました。
その後も、人事異動や退職等により支援体制に支障が生じないよう、毎年度約1,700人の人材育成を継続しています。
成果としては、保育所・幼稚園等にアンケート調査を実施したところ、発達障害に早期に気付けるようになった割合が、研修前の27.4%から研修後には82.3%に増加したという結果を得ています。加えて、障害特性に合わせた声かけ等の対応を学ぶことにより、子供が言葉を発せられるようになったり、みんなと一緒に活動できるようになったりするなど、行動に変化が見られたという事例も確認しています。
平成29年1月には、埼玉県発達障害総合支援センターを開設し、発達障害児の支援に関わる人材の専門性を高めるため、作業療法士等の専門職が子供の遊具を活用した実習形式の研修を新たに実施しています。
さらに、令和2年度からは、発達障害に関わる基本的な知識や地域の支援機関へのつなぎ方などをより多くの方に学んでいただくため、発達障害に関し著名な医師による動画配信も行っています。
こうした人材育成策によって、本県の発達障害児に係る早期発見・適切な支援は全国をリードするものとなっており、引き続き、一人でも多くの発達障害児が社会の中で自らの能力を発揮できるよう支援してまいります。
次に、埼玉県発達障害総合支援センターと教育局の連携を今後どのよう充実させていくのかについてでございます。
発達障害児のライフステージに応じ適切な支援を行うためには、保育所・幼稚園から小学校入学に際して切れ目ない支援につなげることが重要であり、議員お話しの発達障害総合支援センターと教育局との連携の充実が必要となります。
県では、県内全ての小学校の管理職や特別支援教育コーディネーター、学級担任等を対象とした研修を実施し、平成25年度から令和2年度までの8年間で約7,800人が受講しました。
各小学校では、障害特性に合わせた対応やノウハウを学ぶことによって、発達障害児が集団活動に参加できるようになったり、授業中の離席が減ったりするなどの効果がありました。
平成29年1月に発達障害総合支援センターを開設してからは、小学校の現場で専門職による巡回支援を行うなど、教育局との連携を強化しています。
こうした教育局と連携した取組は、令和2年8月、文部科学省の「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」において、全国でも先進的な優良事例とされました。
今後は、入学したての小学校1年生を担任する多くの教員に発達障害の特性や対応を学んでいただけるよう動画配信等を行うとともに、小学校の現場における困難ケースの相談にきめ細やかに応じていくなど連携を充実させてまいります。
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