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ページ番号:201226
掲載日:2024年7月4日
Q 八子朋弘 議員(県民)
児童生徒にわいせつ行為をして懲戒免職となった教員に対し、失効した免許を再交付しない権限を都道府県教育委員会に与える新法、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が、5月28日、参議院本会議で可決成立しました。わいせつ行為を理由に懲戒免職や訓告などの処分を受けた教員は、全国で2018年度に過去最多の282人に達し、2019年度も273人となるなど、高止まりの傾向が続いていましたが、わいせつ教員を許さないという世論の高まりを受けて、議員立法で成立しました。
また、文部科学省はそれに先立ち、わいせつ行為に及んだ教員を原則懲戒免職とするよう通知し、2020年9月には、全ての自治体で規定が調いました。免許失効者を検索できる官報情報検索ツールの検索期間を5年から40年に伸ばすシステム改修も進め、運用も始まっています。これら対策により、わいせつ教員を再び教壇に立たせない仕組みは前進しましたが、残念ながらまだまだ十分とは言えません。理由は、これら対策は主に公立学校の教員に主眼が置かれたものだからであります。
私学は、児童生徒が約130万人、在籍する教員は約8万人、公立学校とともに学校教育の根幹となっています。しかしながら、私学の懲戒解雇は報道によると、2017年度、14人、2018年度、8人、2019年度、15人、このうち、わいせつ・セクハラ行為は27人、同じ3年間の公立学校のわいせつ・セクハラ行為での懲戒免職は436人であったことと比べると、いささか少ないと思います。これは、公立と私立では同じ不祥事を起こした場合でも処分の根拠が違うためであり、私学の教員は警察が捜査をしていても退職が認められてしまうケースがあることが影響していると思われます。つまり、懲戒免職、解雇にならないわけであります。
私立は、教員の不祥事が生徒募集に直結するため穏便に処理されるケースが多いと言われており、仮にわいせつ・セクハラ行為を起こしたとしても懲戒解雇にならずに退職してしまい、結果、教員免許は失効せずに別の教壇に立つことも可能となるわけであります。果たして、これでいいのでしょうか。私はそうは思いません。
そこで、総務部長に伺います。このような実態に鑑み、埼玉県として、現在、私学のわいせつ教員対策としてどのような対策を取っているのでしょうか。また、今後、どのような対策を取っていくのでしょうか。私立は公立とは違い、私学の自主性がありますから、県として取れる対策には限界があることは理解できます。ですが、だからといって手をこまねいているわけにはいきません。
令和4年度、国の施策に対する提案要望には、わいせつ行為を行った教員への対応の厳格化が新規として盛り込まれましたが、私は私学のわいせつ教員対策についても、何らかの立法措置を講ずるよう要望すべきではないかと思っています。
また、先日成立した新法には、地方公共団体に対し、性暴力等に関する通報及び相談を受け付けるための体制整備がうたわれています。しかし、現在、教育局に設置されている教職員コンプライアンス相談ホットラインは、誰が相談できるのか、どのような相談を受け付けているかなどが分かりにくい上に、ホームページ上では目立ちません。県として一日も早く、教職員のわいせつ・セクハラ行為に関する通報窓口を設置すべきではないでしょうか。
このような窓口設置により、わいせつ・セクハラ行為を穏便に処理することが難しくなることが予想されます。結果、わいせつ教員、特に私学のわいせつ教員を教壇から排除する一つの方策になるのではないでしょうか。現在、設置されている教職員コンプライアンス相談ホットラインの運用見直しについて、教育長の答弁を求めます。
A 小野寺亘 総務部長
私立学校の教員に懲戒解雇など免許取上げの事由があるときは、教育職員免許法において、学校法人から知事への報告と、知事から免許管理者である教育委員会への通知が義務付けられています。令和2年度に国からこれらの仕組みについて周知するよう依頼があったことから、事務処理の流れを改めて確認するよう学校法人に求めたところです。これに加え、本年4月には、官報情報検索ツールを活用して教員免許状の失効・取上げの有無など、採用希望者の経歴を十分に確認すること、また、研修など予防的な取組を適切に行うことなどについて周知を行ったところです。
さらに、県では、私学団体との共催で実施している人権教育研修において、わいせつ行為により子供の人権を侵害してはならないことを徹底しています。児童生徒に対するわいせつ行為は教員として絶対に許されないことです。
引き続き、私立学校において適切な採用判断が行われるよう採用希望者の経歴の十分な確認を求めていくとともに、研修内容の充実に努めるなどしっかりと対応してまいります。
A 高田直芳 教育長
私は、子どもたちの未来を育てる立場の教職員が、信頼を寄せてくれている子どもたちに対してわいせつ・セクハラ行為を行うことは言語道断であると強く思っております。また、子どもたちがそのことを誰にも相談できずに辛い思いをすることは、あってはならないことと考えております。
議員お話しの教職員コンプライアンス相談ホットラインは、わいせつ・セクハラなど不適切な行為について、主に公立学校の教職員からの通報を受け付けることを目的に、平成31年4月に設置したものです。
このホットラインが担うべき役割を一層果たすためには、教職員はもとより子どもたちや保護者が安心して相談できること、また、ホットラインの存在を広く周知することも重要です。
そこで今後、少しでもわいせつ教員の排除につながるよう、児童生徒や保護者からの相談も対象とするなど、教職員コンプライアンス相談ホットラインがより効果的な運用となるよう見直しを図ってまいります。
再Q 八子朋弘 議員(県民)
教職員コンプライアンス相談ホットラインなのですが、先ほどの御答弁を聞いていますと、主に公立学校の教職員が対象というお話でしたが、私、このたびお尋ねしているのは主に私学のわいせつ教員の対策でございます。
この教職員コンプライアンス相談ホットラインについて、私立の教員も対象になるような分かりやすい窓口としていただきたいと思うわけですけれども、改めて御答弁をお願いいたします。
再A 髙田直芳 教育長
私立の教員も含めてという御指摘でございましたけれども、公立学校、私立学校問わず、教員のわいせつ・セクハラ行為に悩んでいる全ての児童生徒に対応できるよう、運用を改めてまいります。
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