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ページ番号:201224
掲載日:2024年7月4日
Q 八子朋弘 議員(県民)
先ほど学区制を復活してはどうかと提案させていただきましたが、その結果、受検生が私立高校に流れてしまっては意味がありません。そこで各高校、とりわけ北部の高校は、中学生と保護者から見て受け皿になるべく、魅力のある学校づくりに一層励まねばなりません。
それでは、中学生、保護者にとっての魅力とは何か。恐らく多くの中学生や保護者にとっての魅力とは、進学実績や部活の実績だと思われます。ですが、県立高校の魅力はそれだけではないはずです。それら付加価値を含めた魅力向上策を追求していけばいいわけですが、先ほど述べましたとおり、高校のみの努力では限界があると思います。そこで、外部の力を借りる。具体的には、高校の同窓会であったり、所在する自治体や民間企業との連携を推進することにより、各高校の特色に応じた魅力度を高めることができるのではないでしょうか。
埼玉県教育委員会は、島根県教育委員会と高等学校教育に関する連携協力協定を結んでいます。島根県は高校を魅力化することで地方創生に資する取組をスタートさせた県ですが、具体的には地域と学校が連携して教育活動を展開し、それを地域活性化に結び付けています。そのノウハウを学ぶことを目的として協定が締結されたわけですが、特に隠岐島の海士町にある隠岐島前高校の取組は、学び生かしていく事例です。廃校寸前だった高校が奇跡の復活を遂げ、地域の活性化、子育て世代の移住、人口増加などにも貢献している成功事例です。島根県と埼玉県では違いも多く、ましてや離島の事例ですから、当てはまることと当てはまらないことの両面あるとは思いますが、隠岐島前高校から県として何を学び、その成果を具体的にどのように生かしていくのでしょうか。
ちなみに、高校が消滅することにより、その地域の人口減少が加速化し、また、その逆に高校の魅力化を行ったことにより、数億円の経済効果が生まれるという民間調査機関の分析結果もありますから、このままでは今後も低倍率が続き、統廃合のおそれがある高校にとっても、また、それら高校が所在する自治体にとっても、島根県との連携協定から得られる成果は大変重要な意味を持ってきます。
埼玉県でも既に幾つか動きが出ています。小川高校は、令和元年度より文部科学省の地域との協働による高等学校教育改革推進事業の指定を受け、所在地である小川町、小川町教育委員会、埼玉県教育委員会と連携して、地域探求に係るおがわ学の構築、実践を進めています。小鹿野高校では、エコワングランプリ審査委員特別賞を受賞したボランティア部の活動や、竹あかりプロジェクトなど地域との協働による取組を行っています。これは正に島根県の事例と重なってきますが、さらにこれら高校の取組を後押ししていただきたいと思います。いかがでしょうか。
そして、例えば、意欲とアイデアを持った校長先生に少し長めに赴任していただき、裁量権を与えて自由に学校経営をしていただいてはと思いますが、いかがでしょうか。教育長に答弁を求めます。
A 高田直芳 教育長
まず、「隠岐島前高校から隠岐島前高校から県として何を学び、その成果を具体的にどのようにして生かしていくのか」についてお答え申し上げます。
議員お話しのとおり、県教育委員会は島根県教育委員会と連携協定を締結し、高校生の交流を進めるとともに、県立高校の教員を一年の任期で相互に派遣しております。昨年度は埼玉県と島根県の高校生が参加して地域課題解決型学習の成果発表会をオンラインで実施いたしました。
その中で本県の生徒からは、例えば「人口減少が続く離島で暮らす高校生から地域の課題を聞くことで異なる価値観に気づくことができた」との感想がありました。また、隠岐島前高校では、地元自治体や企業との協働体制を構築するなど、地域創生のための先進的な教育活動を行っていることから、本県から派遣された教員が地域の方々や役場と連携した地域課題解決型の学習指導の手法について学んでおります。
派遣を終えた教員は、隠岐島前高校での経験を生かし、県立高校と自治体や企業と連携した取組を中心となって推進しております。
次に、「小川高校や小鹿野高校の取組は島根県の事例と重なってくると思うが、これら高校の取組を後押しすべき」についてでございます。
議員お話しの、小川高校などの取組は、学校と地域との連携を推進し、学校の魅力を高め、地域の活性化にも資するものであり、島根県の事例とも重なってくるものと考えます。これらの高校では地域と連携した教育活動を通し、生徒が地域に対する愛着や誇りを高め、地域課題の解決に取り組む力を身に付けるとともに、地域の特色を生かした学校づくりが進んでおります。
県といたしましては、引き続き、県立高校と地元自治体や企業との連携を支援することなどにより、県立高校が地域の特色を生かした魅力ある高校となるよう積極的に取り組んでまいります。
次に、「意欲とアイデアを持った校長に、少し長めに赴任させ、裁量権を与えて自由に学校経営をさせてはいかがか」についてでございます。
現在、校長の在職年数は1校3年程度となっておりますが、専門高校など特に特色が求められる高校については、意欲とアイデアを持つ校長を3年を超えて配置している例もございます。また、校長には地域や企業、大学等と連携した特色ある教育活動の実施など、学校経営に関する大きな裁量が認められております。
県といたしましては、意欲とアイデアを持った校長の適切な人事配置に努め、必要に応じて在職期間の長期化を図るとともに、校長が自らの裁量を最大限生かして学校の魅力づくりに取り組めるよう、引き続き、支援してまいります。
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