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掲載日:2024年3月21日
Q 西山淳次 議員(公明)
三富地域は所沢市、川越市、狭山市、ふじみ野市、三芳町にまたがる約3,200ヘクタールの広大な緑地です。柳沢吉保の開拓以来、300年間にわたって落ち葉堆肥を使った伝統的な農業が営まれ、短冊型に仕切られた地割と平地林がセットになった独特の景観が今も残っています。
一方、私が県議に初当選した22年前当時、この三富中心部のくぬぎ山の雑木林に産廃焼却施設が林立してダイオキシン騒動が発生、本県の産廃政策にも大きな影響を与えました。
天下に聞こえた川越芋をはじめとした農産物生産と落ち葉堆肥農法、オオタカを頂点とした貴重な生態系と武蔵野の平地林、先ほど紹介した貴重な地割景観や開拓の歴史、様々な魅力に富んだ要素が三富地域には詰まっております。本県も2001年、今から20年前に、有識者によるみどりの三富地域づくり懇話会が、今後の三富地域の方向性について提言をまとめましたが、その後、必ずしも提言どおりに順調に進んでいるとは言い難いのが現状です。
私は、この地域に縁した県議として、このままでは本当にもったいないなと思っています。三富地域の魅力と歴史的遺産を後世に引き継ぐことが我々の責務だと考えています。
ところで、この地域には大変ユニークで発信力があり、個性的な活動を続けている各分野の専門家がいます。農家、自然保護活動家、起業者、団体など多士済々です。加えて、三富の魅力を理解し応援してくれる学者や著名人も少なくありません。しかし、残念ながら様々な経緯があり、これらの方々が三富地域の将来について共通の理解とイメージを持っていないのではないか、ばらばらな動きになっていないかと、私はずっと感じてまいりました。
そこで、いま一度、自治体やJAも含め地域を担う主な役者が一堂に会して、三富の将来について語り合うことで新たな展開が期待できるのではと考えております。三富地域を担う主な役者に集まっていただき、共に将来像を語り合う新たな懇話会を設けてはいかがでしょうか。そして、県にはそのための裏方、触媒役として汗をかいていただきたいのです。
折しも、農水省が落ち葉堆肥農法を世界農業遺産に申請するとのうれしいニュースも飛び込んでまいりました。三富地域の将来像を語り合う新たな懇話会を設けることについて、知事の御所見を伺います。
A 大野元裕 知事
三富地域は、川越藩主であった柳沢吉保の新田開発に由来する歴史を有し、農地、農家住宅、平地林が一体となった景観が形成されています。
私も、こうした歴史と景観を持つ三富地域は、昔ながらの武蔵野の面影を残す貴重な地域であると思います。
県は、豊かな自然環境を生かした三富の地域づくりを推進するため、平成11年に「みどりの三富地域づくり懇話会」を設置し、環境の保全や農業の振興など32施策にわたる提言を頂きました。
この提言に基づき、これまで、県と地元市町が連携しながら様々な事業を実施してまいりました。
例えば、さいたま緑のトラスト基金を活用した平地林の保全や、地元の市町やJA等と連携し、シンポジウムや落ち葉掃きのイベントなどを行ってまいりました。
こうした事業の実施状況を確認するため、県と地元市町による「行政連絡会議」を定期的に開催しておりますが、施策の見直しや新たな事業などの提案はあまりない状況であります。
折しも先月、この地域の落ち葉たい肥農法の世界農業遺産への申請が決まりました。
また、今年は、提言から20年が経過する節目の年でもあり、今後の三富地域の振興を改めて考える良い機会といえます。
世界農業遺産の申請は、地元市町の熱心な活動が実を結んだものであり、三富地域の振興については、市町の意向を十分に踏まえることが重要と考えます。
県といたしましては、現在の新たな動きを捉え機運醸成を図るとともに、三富地域の振興について、新たな懇話会の設置も含め、地元市町と意見交換を行い、三富地域の魅力を後世に引き継いでいけるよう、今後とも取り組んでまいります。
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