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掲載日:2020年7月6日
Q 柿沼貴志 議員(県民)
私の住む行田市の埼玉古墳群には、昭和62年、当時の畑和知事が碑の題字を書いた「埼玉県名発祥之碑」が建立されております。県名の由来について、この石碑によると、現在の埼玉県の区域が定まったのは明治9年8月、県の管轄区域の中で最も広いのが埼玉郡だったことから、「埼玉」の県名が名称とされたようです。また、古墳群の中に鎮座する前玉神社は、「前玉」と書いて「さきたま」と読み、この神社名が埼玉県のルーツだとも言われております。さらに、「さきたま」は幸魂とも言われ、人に幸福を与える神の霊魂という意味を持っております。埼玉県は「そこら辺の草でも食わせておけ」などと言われる筋合いのない、全くすばらしい県名なのであります。
その埼玉県名発祥の地ともされる埼玉古墳群からは、昭和58年に国宝に指定された「金錯銘鉄剣」が出土しております。この鉄剣に鮮明に刻まれた115文字の銘文が日本古代史の確実な基準点となり、5世紀後半には既に大王の権力が九州から東国まで及んでいたと解釈されるなど、歴史事実の実年代を定める上で大いに役立つことになりました。
また、平成29年4月28日には、埼玉古墳群を含むストーリーが「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として、県内初の日本遺産にも認定されました。そして最近では、令和2年3月10日に県内初の特別史跡に指定されました。特別史跡は特に学術上の価値が高く、有形文化財の国宝に相当するもので、県民にとっても喜ばしいビッグニュースでした。
しかし、現状を見ると、多くの観光客を満足させられる施設になっているとは言いがたいと思います。以前はちょうどこの時期に二子山古墳周辺に1万株のハナショウブが咲き誇り、訪れた人々の心を和ませてくれましたが、今は同じ場所にヨシがただ伸び続けているという状況です。おもてなしの体制が不十分であると言わざるを得ません。
県内で初めて特別史跡に指定され、日本遺産の一部ともなっている埼玉古墳群です。埼玉県の誇る観光拠点として、日本全国、そして全世界にアピールすべきと考えますが、どのように取り組んでいくのでしょうか。産業労働部長の具体的な答弁を求めます。
また、古墳群は埼玉古墳公園内に位置しており、公園は今、拡張整備が進められております。観光に来た方々がくつろげる休憩所やお食事処、お土産を購入できる施設が公園内に必要と考えます。公園の拡張整備の進捗状況について、都市整備部長にお伺いします。
A 加藤和男 産業労働部長
埼玉古墳群は、5世紀後半から7世紀初頭にかけて築かれた9基の大型古墳が集中する、全国屈指の古墳群です。
議員お話しのとおり、本年3月、この埼玉古墳群が「特別史跡」に指定されたことは、正に我が国の文化の象徴としてその歴史的価値が認められたと言えます。
こうした魅力あふれる埼玉古墳群を観光拠点として広く国内外にアピールし、観光客を誘致することは大変重要なことと認識しております。
県では、昨年度からNEXCO東日本と連携して東日本全域から車での県内周遊を促すスタンプラリーを実施し、埼玉古墳群をおすすめの観光拠点として紹介するなど、県内外に広くアピールをしております。
海外に対しましては、ホームページやSNSを活用し、古墳の魅力を伝える動画に外国人に強く訴えかける解説を添えまして、この秋から新たに情報発信をしてまいります。
また、国内外からの更なる観光客の誘致に向け、地元行田市と観光誘客について連携を深めてまいります。
行田市には、平成29年に県内で初めて日本遺産に認定された足袋蔵などの歴史的建造物、古代蓮の里、忍城址をはじめ、魅力あふれる歴史文化資源が多数あります。
こうしたスポットを回遊する仕掛けづくりや、他の歴史文化資源を有する自治体との連携などについて、行田市と共に検討いたします。
地域の可能性をしっかり見極め、埼玉古墳群の魅力をより多くの方に知っていただけるよう積極的に取り組んでまいります。
A 濱川敦 都市整備部長
さきたま古墳公園については、県民がふるさと埼玉のシンボルとして全国に誇れる公園となるよう整備を進めております。
これまで史跡の保護や鑑賞ができるよう大型古墳群のあるエリアから順次整備し、直近では、令和元年10月に古墳群の南側入口となる広場を供用開始いたしました。
現在は、新たな拡張整備として、県立さきたま史跡の博物館の西側に、イベントの開催など来園者が自由に活用できる多目的広場など約2.4ヘクタールの造成に着手しております。
整備内容は、行田市、行田商工会議所、地元の推進協議会などから御意見を伺いながら検討してまいりました。
議員お話しの飲食や物販ができる施設については、地元からも御要望をいただいております。
施設の設置は、公園のPR効果を高め、観光を含めた来園者の利便性向上につながるものと認識しております。
一方、多くのお客様を誘致するには、魅力のある施設として、地元の方々が熱意をもって地域全体で機運を盛り上げ、継続的に経営を推進する体制が必要です。
例えば、豊島区の南池袋公園では、公募により設置した民間のカフェレストランをにぎわいの核とし、その売上の一部でイベントを行うなど地域との関係性を重視した仕組みを作っております。
こうした先進的な取組なども参考に、引き続き、地元の行田市など関係者と十分協議し、公園のにぎわい創出につながるようさきたま古墳公園の整備を着実に進めてまいります。
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