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掲載日:2020年7月6日
Q 柿沼貴志 議員(県民)
社会の少子高齢化や情報化の急速な発展、地域社会の希薄化等により、青少年を取り巻く環境は大きく変化しております。これらの変化の中で、ひきこもり、中途退学、フリーター、ゲーム依存、生活困窮による負の連鎖などは深刻化し、若者の社会問題に結び付いております。併せて、学校に課せられる課題も複雑で多様化しており、課題の解消や対応に当たる教員の長時間勤務も深刻な問題となっております。
私は、児童・生徒、保護者、一人一人のニーズを受け止め、誰一人取り残さない学校現場を実現するためには、「チーム学校」の推進が重要であると考えています。ちょっと見えにくいかもしれませんけれども、これが「チーム学校」を示した図でございます。
こちらのパネルで示すように、「チーム学校」とは、事務職員の活用やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど専門スタッフの配置、地域との連携により、教員が授業に専念できる体制づくりを目指そうとするものです。
国は、平成28年度より、これからの学校経営の在り方を「『次世代の学校・地域』創生プラン」と示され、学校と地域一体型の地域創生と定めております。私は、この「チーム学校」が効果的に機能し、地域社会とつながりある学校づくりを再編することこそが教員の負担軽減につながるとともに、埼玉の目指すべき教育の姿、つまり「『次世代の学校・地域』創生プラン」の実現であると考えております。
このような状況の中、中学生の高校進学率は98%前後で例年推移し、その中で発達障害などの障害がある生徒に対しては、合理的な配慮により高等学校での学びが広がっております。平成31年3月に策定された埼玉県特別支援教育環境整備計画によれば、通常学級において学習面、行動面で著しい困難を示す児童・生徒の割合は、平成24年文部科学省調査では全国6.5%だったのに対し、平成25年度の埼玉県の調査では10.7%となっております。また、そのうちの4人に1人、26.8%が、過去において何も支援を受けなかったと報告されております。
例えば長野県では、小中高校で発達障害種別の生徒がどのくらい学んでいるかを調査した上で、学校教育の責務を明らかにしております。それによると、令和元年度の県立高校では、自閉症スペクトラム563名、注意欠陥多動性障害321名、複数の発達障害512名など、全体で1,481名の生徒が学んでいることが報告されております。長野県ではこれらの児童・生徒の実態を明らかにした上で、生徒の将来的な自立や社会参加、自己実現に向けた支援は、地域社会全体で進めていくことが大切であり、学校、福祉、医療等の関係機関との連携を重視することをうたっております。
このように児童・生徒の実態を具体的に把握することは、的確で充実した支援体制を整えていく上で重要であると思いますが、本県では全体数のみの把握にとどまっております。「『次世代の学校・地域』創生プラン」の実現のためには、小学校から中学校、中学校から高校へと児童・生徒の情報を共有するところから取り組むべきだと考えますが、教育長の答弁を求めます。
A 高田直芳 教育長
障害のある児童生徒に対する教育においては、一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導や必要な支援を行うことが重要であると考えております。
県では、管理職や教職員を対象とした「中学校から高等学校等へ支援をつなぐ特別支援教育研修」などを開催し、発達障害への理解の促進を図っております。
障害のある児童生徒の情報につきましては、本人や保護者の意向に配慮しながら、小・中・高等学校を通して幅広く実態を把握し、個別の教育支援計画などを引き継ぐことで、障害の特性等に応じた適切な支援に努めております。
今後、児童生徒の情報をより丁寧に把握し、各学校に対して、発達障害など障害のある児童生徒への組織的な支援ができるよう、取り組んでまいります。
再Q 柿沼貴志 議員(県民)
私は、先日の文教委員会で、教育長の本当に心のこもった現場主義を貫くという所信を聞いて、本当に心強く思って期待するところであります。今回の答弁の中にも、その思いが伝わってくるものはあったんですけれども、一点目、児童・生徒の実態把握のところなんですけれども、小中、中高と、実態をより丁寧に把握して進めていくという答弁をいただきましたけれども、今、現状でどのくらい種別で把握しているのか、種類だけでも分かれば教えていただければと思います。
もう一つなんですけれども、障害だけではなく、例えば中学校のときに不登校になりがちな生徒、だけど出席はしていて保健室登校だったりとか、そういう方々もいらっしゃると思うんです。ただ、今、埼玉県のそういう報告書を見ると、出席日数だけしか見えなくて、遅刻や早退とかというのはなかなか見えないことになっています。その辺も私は実態把握して、高校につなげるべきだと思いますけれども、その辺のお考えをお聞かせください。
再A 高田直芳 教育長
先ほど議員からもお話がございましたとおり、平成22年4月に吹上秋桜高校が開校いたしました。
当時新米校長として、設立に関わらせていただきましたことは、私にとりまして、大変光栄なことでありました。
まず、御質問の1点目でございます。
実態把握についてでございます。
当時私がおりました時も、私の見たところ7割くらいの生徒が不登校経験者でございました。
中学校を全て欠席という生徒も数多くおりました。
また、特別な支援が必要な生徒もたくさんおりました。
当時教員が中学校へ出向きまして、全ての入学生について、つぶさにその生徒の中学校での様子、あるいは小学校からの引き継ぎ事項などを聞き取りをしてまいりました。
そうしたことを教育活動に活かしてきたことを、今でもよく覚えております。
子供たち一人一人の実態把握は非常に大事なことだと考えておりますので、議員御指摘のとおり、あらゆる手段を使って、実態把握に努めてまいりたいと考えております。
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