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掲載日:2023年7月10日
Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
新型コロナがきっかけでアルコール、ギャンブル、薬物などの依存症が再発するケースが増えていると聞きます。緊急事態宣言の中、パチンコに熱狂する人々の報道で痛感しました。コロナスリップと言われているそうであります。コロナによる生活リズムの乱れ、不安などがその原因のようです。
先日、アルコール依存症の回復を目的とする断酒会の関係者の方に聞き取り、確認をしました。それによると、コロナの影響で断酒会の例会が開催できず、行事に参加できなかった。そのために、せっかくやめた飲酒を再び始めてしまう人もいるようです。コロナスリップの現状を聞かせていただきました。
新型コロナで社会不安が広がっている中で、今後、依存症が広がっていくことが懸念されます。その中で、特にアルコール依存症について伺います。
アルコール依存症とは、大量のお酒を長期にわたって飲み続けることでお酒がないといられなくなる状態ですが、単なる悪癖ではなく、もはや本人の意思では問題行動を止めることができないメンタルの病です。治療に関しては断酒補助剤や減酒補助剤などの薬はあるが、アルコール依存症の完治には断酒しかないということです。
しかし、なかなか病気としての認識が低く、一般の人にとってはアルコール依存症と聞くと、禁断症状のある重症の人しかイメージできないのが現状です。私もそう思っていました。しかし、アルコール依存症は潜在的には多く存在し、その推定患者人数は国内に約109万人いると言われ、また潜在的に多量飲酒群と言われる人は約980万人いると言われております。また、埼玉県ではアルコール依存症の推定患者数は約6万6,000人ということでございます。
本県では現在、アルコール健康障害対策基本法に基づき埼玉県アルコール健康障害対策推進計画が策定されており、県立精神保健福祉センターや保健所で相談、県立精神医療センターなどアルコール専門病院で治療、また断酒会などへの民間団体へ委託などを行っています。本県での対応の現状を見ると、重症の人には手厚いが、軽症の人への対応が少ないと思われます。今後は特に、アルコール依存症予備軍と言われる潜在的依存者に対する取組が重要だと考えます。これらを踏まえて、保健医療部長に伺います。
新型コロナによる社会不安が広がる中、今後もアルコールに頼ってしまうアルコール依存症患者やアルコール依存症予備軍と言われる潜在的依存者が広がっていくことが懸念されます。これを放置すると、経済的な困窮、DVによる家庭崩壊など深刻な問題を招きかねません。まずは、依存症患者を増やさないための取組、例えば潜在的依存者への対応として、スクリーニングテストで潜在的依存症を自覚してもらう取組を更に進めるとともに、アルコール依存症予備軍に対する啓発も必要だと考えますが、見解を伺います。併せて、アルコール依存症について幅広く県民の理解をしてもらうために、今後、県民相談窓口を広げて、行政と医療と自助グループとの連携を強めて啓発活動に今まで以上に力を入れるべきだと考えますが、見解を伺います。
A 関本建二 保健医療部長
議員お話のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染リスクや雇用不安、働き方や生活時間の変化によるストレスでお酒の量が増えることや、当事者で語り合い励まし合う場がなくなるといった問題が生じています。
潜在依存症を自覚してもらう取組として、先ずはスクリーニングテストなどでアルコールに対する依存度を確認し、依存症の疑いの有無や専門治療機関への受診が必要かなどを知ることが重要となります。
スクリーニングテストについては、県は、ホームページで利用を促してきましたが、今後はSNSも活用して更なる利用促進を図ってまいります。
アルコール依存症予備軍とされる方々に対する啓発については、本人に自覚がないことから家庭や周囲の人に対して発信していくことが必要です。
今後はホームページの検索性を高めるとともに、御家族に向けたメッセージを発信するなどの工夫をしてまいります。
次に、アルコール依存症について幅広く県民に理解してもらうための啓発活動についてです。
アルコール依存症の相談窓口については、県のホームページにおいて専門相談機関へのつなぎを重視した構成となっております。
今後は市町村や保健所など身近な相談機関についても掲載するなど、御家族が気軽に相談できるよう間口の改善に取り組んでまいります。
また、行政と医療と自助グループが連携し開催するフォーラムにおいて、アルコール依存症について幅広く理解していただくため、これまで以上に一般の県民の方々に参加いただけるような内容にブラッシュアップしてまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
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