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掲載日:2020年3月31日
Q 高木功介 議員(自民)
AI・IoT時代の今日、コンピュータなしで日常生活すら送れなくなっております。7割強の日本人がスマートフォンを持ち、パソコンなしで業務ができない企業がほとんどであります。ICT技術やAI化が社会の中でますます進んでおります。しかし、その技術を支える人材が不足いたしております。日本のみならず世界的にIT人材が不足しており、今後ますます足りなくなっていくとの予測があります。
そうした状況に歯止めをかけるために、まずは技術への理解を高める必要や興味を持つ層の裾野を広げる必要があるとの思いから、プログラミング教育の必修化が議論されてきました。もちろん文部科学省がプログラミング教育を行う目的は、プログラマーを養成しようとしているのではなく、自分が意図する一連の活動を実現するためには、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらよろしいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのかということを論理的に考え抜く力を養うためのものであります。
IT技術者は、10代から20代までが成長する時期と言われており、青少年の可能性は無限大であり、大人の想像を絶します。プログラミングに興味を持った青少年が、その可能性を更に発展させ優れたIT技術者になるべく、県としてもサポートする施設を創設すべきと考えます。
一口にプログラミングと言っても幅広い分野がありますが、中でも人や生き物、機械などを計測・制御するシステムの開発者の養成は、我が国の産業界の発展に直結するものであり、極めて重要であります。その養成には何も大きな施設を作る必要はなく、図書館の延長のような活動部屋を作り、家ではできないことを誰にも邪魔されず、のびのびと研究できる環境を創設することが、実は肝要であります。
具体的には、高速インターネット環境を有し、希望する技術書を無償提供いたします。共有パソコンや、イギリスで生まれた教育用コンピュータ「ラズベリーパイ」を必要な分だけ用意してあげ、機材工具などを用いて、いつでもみんなで自由に開発ができる環境を整えます。そして、中学生、高校生、大学生と各専用部屋を作り、無料で利用できたら、自然と優れた技術者が育つと考えます。しかもお金はあまりかかりません。
優れた技術者は、大人や指導者が指導しなくても、逆に指導しないほうがいいぐらいで、自己研究で育っていきます。技術者は一朝一夕では育ちません。それゆえに人材育成、その環境づくりは喫緊の課題であります。正に国家百年の計と言える政策でありましょう。ぜひ、全国に先駆けて若者IT技術者養成のための溜まり場の創設を提案いたしますが、産業労働部長の見解を求めます。
A 加藤和男 産業労働部長
IT人材の育成は、本県のみならず日本全体にとって大きな課題となっています。
昨年4月に経済産業省が公表したIT人材需給に関する調査報告では、2018年に22万人と推計されたIT人材の需給ギャップは、2030年には45万人に拡大すると試算されております。
また、同報告ではIT人材の中でも特に高度なスキルが求められるAIやIoTを支える人材、いわゆる「AI人材」が2030年には12万4,000人不足するとの可能性も示されております。
このため、官民を挙げてこの需給ギャップを埋める努力を継続し、優れた技術者が育つための環境づくりを進めていくことが課題であると認識しております。
県ではこれまで、求職者を対象としてコンピュータープログラムやシステム制御の技術者を育成する職業訓練を行ってまいりました。
また、企業の若手技術者を対象としてAI・IoTを基礎から学び、事業への応用能力を認定する「ジェネラリスト検定」の取得を目指す人材育成研修などを実施してまいりました。
議員御提案の「溜まり場」の創設は、指導者に依存せず、利用者が自由に切磋琢磨するという点で、これまでにない斬新な取組です。
そこで、高等技術専門校や産業技術総合センターなどに、実験的な「溜まり場」をスポット的に開き、利用者の生の声を聴いてみたいと考えております。
一方で、実施するにはいくつかの課題もございます。
例えば、指導者はいない方が良いとは言え、公の施設の一部を提供する上で施設管理はどうあるべきか、優れたIT人材になり得る優秀な若者をどのようにして呼び込むかなどについて、検討する必要があります。
こうした点を整理し、その必要性や運営方法などについてさらに検討してまいります。
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