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掲載日:2019年10月17日

平成28年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(武内政文議員)

高齢運転者の増加への対応について

Q 武内政文議員(自民

本県の65歳以上の高齢者免許人口は、10年前に比べて約2倍に増えております。平成27年末で92万人と、運転免許人口465万人の約2割を占めております。一方、高齢運転者の増加を背景に、近年、高齢者が第一当事者となる死亡事故件数が増え、特に70歳以上の高齢運転者の関係する死亡事故の割合は年々増加しております。
こうした状況の中で、今、高齢者講習の予約が取りづらい状況になっております。免許証の更新時期の6か月前に通知が届きますが、講習までの待ち日数は、最長で何と170日、免許証の更新時期ぎりぎりです。方面別でも状況が異なります。県北方面では平均25日と比較的短いのですが、県東方面、東方面では平均122日と、受講予約が大変な状況になっているようであります。自動車教習所では、ほかの空いている教習所を紹介しているようでありますが、例えば三郷市の高齢者の方に秩父市に行ってくれとは言えません。現在、県内にある50の自動車教習所では、本業の自動車教習に加えて、高齢者講習を公安委員会から受託して実施しております。現状は、教習所の予約電話は鳴りっ放しと聞いております。こうした現状をどのように認識しているのか、また、どのように待ち日数の改善を試みているのか、警察本部長にお伺いをいたします。
今後、高齢者人口、特に後期高齢者の方が増加することが予想されます。また、現在75歳以上の高齢運転者に対して認知機能検査が行われておりますが、警察本部によりますと、平成27年中における受検者のうち、約2.5パーセントに当たる約2,000人は認知症の疑いがあるとのことです。これらの人に対して、現在は、一定の違反行為がない限り臨時適性検査の対象とならず、停止や取消処分はできませんが、来年3月から、法改正によりまして、更新時における検査で認知症の疑いのある人は、臨時適性検査を受けるか医師の診断を受け、その結果で免許取消しや停止処分になる可能性があります。さらに、75歳以上の運転者が一定の違反を行った場合には、臨時認知機能検査や臨時高齢者講習が入るなど、より厳しくなると伺っております。
そのため、手続が非常に複雑になるだけでなく、講習や検査が増え、高齢運転者や自動車教習所の負担が大きくなります。そこで、この新制度の周知の方法並びに高齢者や教習所の負担についてどのように考えているのか、警察本部長にお伺いをいたします。
一方で、運転免許の自主返納が増加をしております。70歳以上の返納者数は、平成27年が約1万5,000人ありました。免許証を返納すると、当然移動の手段が制限されてしまいます。特に、田舎では移動に自動車が不可欠なので、返納をためらってしまうことがあります。県警察では、自主返納した場合、シルバーサポーター制度と称し、運転経歴証明書を提示すると、タクシーや商品の割引など様々な事業所で割引が受けられる制度があります。
しかし、これらは必ずしも移動の代替にはなりません。そこで、免許返納者をはじめ高齢者の「足」となる公共交通など、何らかの移動手段の確保や補助する仕組みが必要と思いますが、企画財政部長の御所見をお伺いいたします。

A 貴志浩平 警察本部長

まず、高齢者講習の混雑緩和についてでございます。
県内の70歳以上の免許人口は、10年前と比較して約2.3倍となっていることから、議員ご指摘のとおり高齢者講習の待ち日数が、長期化しているものと認識をしております。
このため、県警察では、ホームページに各教習所における予約の空き状況をまとめた予約状況カレンダーへのご案内を掲載したり、電話でのお問い合わせに対し待ち日数の少ない教習所等を教示しております。また、講習委託先である教習所等に対しまして、講習室の増設、講習回数の増加等による待ち日数の短縮を要請してまいりました。
その結果、本年6月末現在、昨年同期と比べ待ち日数が平均で18日短縮されたところであります。
引き続き、委託先である教習所等との連携を図りながら、待ち日数の短縮に努めてまいります。
次に、新制度の周知方法と高齢運転者・教習所の負担増についてでございます。
法改正に伴う新制度の周知につきましては、警察署や教習所等にポスターを掲示しているほか、県警ホームページへの掲載などにより周知を図っているところでありますが、今後、自治会、医師会等にチラシを配布するなどして、一層の周知を図ってまいります。
また、高齢者や教習所等の負担についてでありますが、新制度では、認知機能の低下の恐れがあると判定された高齢運転者は、医師の診断を受けていただくなど、負担となりますが、問題の無い方や75歳未満の方は現行の講習時間が短縮されるなど、軽減をされるものであります。
教習所等の負担につきましては、その軽減に向けまして合理的な高齢者講習の実施要領等について説明を行い、各教習所においてシミュレーション等を行っていただいているところであります。
他方、新制度により新設される臨時認知機能検査につきましては、教習所等での負担は大きいと思われることから、教習所等への委託は行わず、県警察で対応することを考えております。
県警察では、改正法の円滑な施行に向けて関係機関と引き続き連携を図りながら、適切に対応してまいりたいと考えております。

A 中原健一 企画財政部長

「免許証返納後の「足」の確保について」お答えを申し上げます。
高齢化の進展に伴い、地域の生活の足としてバス、タクシーなど公共交通の役割は今後大きくなると考えております。
県内路線バスについては、モータリゼーションの進展などの影響により、利用者数が長期的に減少しておりましたが、平成14年頃を境に傾向に変化が見られております。
県では、こうした路線バスの利便性を高めることで生活の足としての機能を強化し利用者の需要をさらに創出する取組を支援するため、本年度から元気なバス需要創出モデル事業を展開しております。
一方で、利用者数の著しい減少により不採算となったバス路線も、県民の日常生活に必要な足として確保するため、秩父地域などの22路線に対して県から補助をしておるところでございます。
こうした県による路線バス対策に加えまして、市町村が中心となりコミュニティバスやデマンド交通の運行、タクシー利用券などによる生活の足の確保に取り組んでいるところです。
平成26年には、地域公共交通活性化再生法が改正されまして、地方自治体が主体的に地域の公共交通ネットワークを再構築することに対して支援する仕組みが整えられました。
これまで、県内7市町村において地域公共交通網形成計画が作成されております。
県は各市町村の検討に積極的に加わり支援しております。
例えば、本年3月に計画を策定した鳩山町では、新たに町営の路線バスの運行により地域間を結ぶ幹線を構築するとともにデマンドタクシーを活用して空白地帯の解消を図ろうとしておられます。
県としては、今後地域公共交通の役割が大きくなることも想定し、その確保・充実や利便性の向上に取り組んで参る考えでございます。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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