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掲載日:2019年10月17日
Q 武内政文議員(自民)
県は、農山村への移住促進を目的として、今年7月22日に埼玉アグリライフサポートセンターを有楽町の東京交通会館にあるNPOふるさと回帰支援センター内に開設をいたしました。ふるさと回帰支援センターは、既に平成17年から移住相談業務を開始しております。まち・ひと・しごと創生本部が立ち上げられ、首都圏から地方への移住が重要な取組となったことから、今年からは本県のほか、東京都、大阪府、愛知県を除く残り9県が加わり、44の都道府県が窓口を開いたことになります。
本県は首都圏にありますが、既に人口減少が始まっている地域では、移住は重要なテーマであります。昨年度末に国の予算がついたことが背中を押した形で、県の移住促進の窓口ができたということは評価をできます。
しかし一方で、これから移住者獲得に向けた他県との競争が始まるわけであります。私は、現場に行ってそのことを実感をいたしました。本県も早急に体制を整えていかなければなりません。
さて、7月のオープニング式典へは、他県では知事が出席したところもありましたが、本県では部長対応でした。私は、できれば上田知事が出席をして、移住に対する本県の本気度を全国や県民の皆さんにアピールすべきだったと思いました。これでは本県のアピールの大きなチャンスを逃すとともに、埼玉県が移住促進について重視していないのではないかと思わざるを得ません。
このように県の移住促進についての盛り上げ努力が不十分であることからも、多くの県民の方は、このサポートセンターの設置を知らないようです。県が本気で移住促進に取り組もうとしているのか、疑問さえ感じます。そのことは、移住促進の担当部署が農林部であることからもうかがえます。
農山村への移住というのは、農林業に関わる人だけでなく、都市住民が農山村などの地域にも同時に生活拠点を持つ二地域居住も含め、仕事、子育て、教育、空き家活用、観光、文化など、まちづくり全体に関わるものであります。移住希望者のニーズも多様化しております。本県では、農林部が担当しておりますが、私は、移住の総合窓口としてはふさわしくないのではないかと思っております。
他県の担当部署を調べたところ、農林部門が担当しているのは本県と京都府のみであり、その他の県は、地域振興室、移住促進課、地域創生・人口対策課などの総合政策部門、あるいは雇用対策という働く場をメインにした部署が担当しております。それは、移住に結び付けるためには県の総合力が必要だからであります。私は、サポートセンターを本県の市町村の魅力発信拠点としても活用するために、総合政策部門や地域振興部門が主体となって、移住ワンストップの機能を発揮すべきと考えます。この点どのようにお考えなのか、企画財政部長にお伺いをいたします。
ふるさと回帰支援センターの高橋代表理事にお話を伺ったところ、全国の移住希望地ランキング、この年度推移を見ますと、県がワンストップサービスや組織の体制強化、予算の充実などに力を入れているところは、はっきりと移住の実績が伸びているとのことです。本県としては、今後、国費に頼らず県単独事業として移住促進に本気で取り組むつもりがあるのか、併せてお伺いをいたします。
次に、サポートセンターが県民の理解と応援を得ながら市町村に頼られる存在になることは重要であります。そこで、どのようにして窓口の有効活用を市町村に理解をしてもらい、関わりを強く持ってもらうのか。特に、農山村地域の多い市町村にどのように働き掛けをしていくのか、現在担当の農林部長にお伺いをいたします。
市町村の魅力の一つに、地域の特産物があります。せっかく本県に関心を持つ人がここのセンターに集まるわけでありますから、私は、埼玉県やこの地域の良好なイメージと移住希望者を結び付けるために、県の特産物などの販売施設をこの窓口の入ったビルや近辺に併設すべきと考えます。それによって、五感で埼玉を知ることができ、埼玉県と市町村をより強く印象付けることができるのではないかと思います。また、それを訪日外国人のインバウンド対応の窓口としても活用できます。
そこで、現在、都内2か所のコンビニ内に設置してあるアンテナショップ、この再編を含め、独立した本県の物産販売拠点を都内に設置する考えはないのか、産業労働部長にお伺いをいたします。
A 中原健一 企画財政部長
「移住促進に対する本気度は」についてお答え申し上げます。
本県には都市部から自然豊かな中山間地域まで多彩な地域があり、移住後のライフスタイルも多様となっております。
例えば、都内などに職場を持ち、子育て環境など地域の暮らしやすさを判断して本県に住居を構えられる方もいらっしゃいます。
30代の子育て世代は都内から本県に多く転入してきており、2010年までの5か年間では約1万6,000人の転入超過となっております。
他方で、県北部などを中心に県外から新規就農を目指して移住を希望される方々もいらっしゃいます。
また、本県の都市部に住む方々で県北部などに移住される方もいらっしゃいます。
平成27年度は286名が本県で新規就農をしております。
こうした方々には、農地や住居に関する情報提供、移住後の地域社会とのつなぎ、営農指導など丁寧な支援が求められるところでございます。
このため、先行して、こうした支援の窓口として、「埼玉アグリライフサポートセンター」の設置を決め、農林関係者とのネットワークを生かした支援が展開できるよう、農林部の所管としたところです。
今年度は国の地方創生加速化交付金を財源に活用することができました。
センターは、7月のふるさと回帰支援センターの移転に合わせてオープンし、この時の関連式典には関係する42府県中、2県のみの知事が出席されたと聞いております。
このように、先行している就農希望者への支援に加えて、多様な移住ニーズに対応する体制の整備も必要と考えております。
本年7月には、移住に関する情報を共有するため、庁内関係各課の連絡会議を設置しました。
総合的な窓口の設置なども検討しているところでございます。
県としては、本県の活力を高めるため、引き続き移住促進にしっかり取り組んでまいります。
A 河村 仁 農林部長
「市町村への働き掛けについて」お答えを申し上げます。
農山村への移住を促進するためには、地域の状況を熟知している市町村としっかり連携していくことが不可欠です。
このため、市町村移住担当者などを対象とした会議などで、サポートセンターの役割や機能を説明し積極的な利用を働き掛けるとともに、市町村の移住関連情報の提供を呼び掛けてまいりました。
市町村から提供されました情報やポスター、パンフレットなども活用し、7月22日に開設したサポートセンターでの相談者数は、現在までで延べ54人となっております。
また、サポートセンターにおいて8月に県が開催した移住セミナーでは、移住希望者26人の参加があり、比企地域の市町村職員から地域の魅力などを直接PRいただきました。
一方で、開設まもないことから、市町村が関わりを強く持ってもらうため、市町村への一層の働き掛けが必要であると思っております。
そこで、秩父地域をはじめ県内各地域へ順次、県職員が出向き、市町村職員や地域活性化に取り組む団体・住民に対し、サポートセンターの活動内容などをより具体的に説明しております。
さらに、県、サポートセンター、市町村が情報交換や意思疎通を図りセンターとの結びつきを強めるための市町村との連絡会議の設置に向けた取組を現在進めております。
特に、農山村地域の多い市町村には、県職員が出向いた際にサポートセンターの見学を積極的に呼びかけ、全国市町村の取組状況とサポートセンターの役割を直に感じていただております。
今後とも、市町村と連携した取組を進めることで、埼玉アグリライフサポートセンターと市町村の関わりが強まり、センターの機能が十分発揮され農山村への移住が一層促進されるよう積極的に取り組んでまいります。
A 立川吉朗 産業労働部長
「都内に物産販売施設の新設を」についてお答えを申し上げます。
県では、「埼玉アンテナショップ」をナチュラルローソン新宿駅西店内に平成21年11月にオープンいたしました。
また、平成26年11月には、新宿に続き「ナチュラルローソン東京日本橋一丁目店」内に開設したところでございます。
コンビニエンスストア内のアンテナショップは、専門の販売員を置かずに販売でき、24時間の営業も可能となっております。
日本橋のアンテナショップでは約90品目、新宿では約30品目を取り扱っており、草加せんべいや狭山茶、しゃくしなの漬物など本県自慢の県産品を販売するとともに、観光情報を発信しております。
人気の商品については、「埼玉アンテナショップに来ればこの品が買える」というように固定客もついてきていると伺っております。
議員御提案の都内での物産販売施設の設置でございますが、県の特産品の販売により本県の魅力を多くの方に広く知っていただくという意味では大変意義あるものと考えております。
一方で、独立した施設を設置いたしますと販売員を常時配置することが必要であること、家賃が多額になることなど、コスト面で大きな課題があります。
日本橋のアンテナショップは、有楽町駅前にある東京交通会館から電車を利用して10分程度と大変近い距離にあります。
まずは、農林部と連携して東京交通会館にある埼玉アグリライフサポートセンターの本県PRブースにおいて、埼玉アンテナショップのPRを行い、日本橋のアンテナショップを訪れてもらえるようにしてまいります。
再Q 武内政文議員(自民)
私、質問は、やはり農林部ということでなくて、総合政策部門あるいは地域振興、こういうところが主体となって今後やっていくべきだというふうに御提案申し上げたんですが、そのところがはっきりとお答えをいただいていなかったと思いますので、もう一度確認をしたいと思います。
再A 中原健一 企画財政部長
現在開設しております「埼玉アグリライフサポートセンター」につきましては、先ほど申し上げましたように、農林関係者とのネットワークを生かした支援が展開できるように、農林部の所管とさせていただいております。
現在、さらに多様なニーズに対応する体制の整備、これにつきまして総合的な窓口の設置も含めまして検討しております。
こうした総合的な移住ニーズに対応する体制を構築する場合におきましては、現在の農林部に関わらず、その支援策に最も適切な効果を発揮できる部局において所管させることを考えております。
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