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掲載日:2019年6月26日
Q 岡地 優議員(自民)
江川は、鴻巣市、北本市の大宮台地を水源とし、台地に挟まれた低地にある桶川市や上尾市の水田地帯を流れ、荒川に合流する一級河川です。普段の川の流れは幅3メートル程度、深さ60センチメートル程度ですが、雨が降ると、低地にある江川へ水が集まるため、以前から台風や豪雨の際には増水し、冠水により道路が通行できなくなることがたびたび発生しています。
このような中、昨年7月16日の台風11号により増水した江川の上流部において、桶川市内の高校に在籍する女子高校生が通学途中に自転車ごと流され、尊い命を落とすという痛ましい事故が発生しました。これまでも江川改修促進協議会が設置されるなど、改修促進活動が進められてきたところでありますが、県からは、現在進めている下流部の整備方針によって上流に影響がないか技術的な課題を整理し、関係市と調整した上で事業を推進してまいりたいという見解が示されているとのことです。
しかしながら、この事故を受けて、県は早期に対策可能な治水対策として事故のあった上流部に着手していくと、人命優先の対応をされました。これは、昨年9月定例会で取りまとめられた一級河川江川の早期改修を求める決議も踏まえ、県執行部がスピーディーに取り組んでいただいた結果であると評価したいと思います。
県では、平成27年度中に桶川西中学校付近の市道に架かる橋から上流部の工事について事業実施計画を作成したと聞いております。この事業は、調整池の整備と上流部の河道改修をするもので、江川の改修が新規事業化されたことについて、先日、新聞でも大きく報道されたところであります。
しかしながら、事業は始まったばかりで、治水安全度は上がっていません。江川においては、荒川合流点にある宮下樋管が閉じられると、下流部に上流からの水がどんどんたまってしまい、それにより地域住民の生活が脅かされています。
下流部については、これまで自然環境の保全と治水を両立させた河川整備が議論されており、学識者と地域住民、環境保護団体からなる江川流域づくり支援会議からも平成22年に整備方針が提言されていることは伺っております。しかし、いつまでも議論ばかり重ねて時間を費やしていても、その間の地域住民の安心・安全を妨げているようであってはなりません。
そこで、江川の今後の治水対策について県土整備部長の御所見を伺います。
A 浅井義明 県土整備部長
江川につきましては、治水安全度を早期に向上させるため、洪水の受け皿となる上流部の調節池の事業実施計画を定め、下流部の整備とは切り離して上流部の区間を新たに事業化いたしました。
事業内容は、桶川西中学校付近の市道橋から県道東松山桶川線の榎戸橋までの約1.3キロメートル区間で、河川改修および調節池を整備します。
調節池の洪水調節容量は約12万立方メートルであり、今まで下流へ流れていた上の洪水を調節池にためることで、下流の浸水被害の軽減を図ります。
また、桶川市と調整を行い、調節池の堤防の一部を事故が発生した市道と兼用させることといたしました。
具体的には、緊急的な通学路の安全対策として、本年9月までに、昨年の台風11号と同規模の出水でも道路が冠水しないよう、通学路となっている市道を約40センチメートル嵩上げいたします。
調節池の整備につきましては、本年秋までには地元説明会を開催し、事業の推進を図っていく予定としております。
なお、環境と治水の両立など様々な調整が必要な下流部につきましては、事業の進め方などについて引き続き検討を進めてまいります。
今後とも、流域の皆様が安心・安全に暮らせるよう、事業の推進に努めてまいります。
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