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掲載日:2024年12月6日

令和5年度研究課題(土壌・地下水・地盤担当 R3~R5 埼玉県における地中熱利用の総合的評価)

(土壌・地下水・地盤担当:濱元、石山、柿本、髙沢;研究企画室長:八戸)

地球温暖化やエネルギー問題に対応するためには、再生可能エネルギーが大きな役割を担っている。埼玉県の再生可能エネルギーの賦存量のうち、地中熱エネルギーは、太陽エネルギーに次いで多く、今後の普及が期待されている。しかし現状では、地中熱利用システム(ヒートポンプ式)の導入数は、国内では約3,200件(うち埼玉県は約120件)にとどまっており欧米や中国などと比べて遅れている。

その原因として、認知度の低さや導入コストの高さが挙げられる。地中熱利用システムは、クローズド式とオープン式に分けることができる。国内では、その割合は、クローズド式が多く用いられている。これまで県ではエネルギー環境課が地中熱実証事業を立ち上げ、当センターもこの事業に参画し研究的な視点から解析してきた。いっぽうで、オープン式は、地下水を揚水し熱交換を行うことから、熱交換効率がクローズド式に比べて高く、今後の普及が期待される。ただし広域的に多数の普及のためには地下水資への影響を総合的に評価する必要がある。

本年度はこれまで実証試験等を通じて得られた成果を利用しコスト面での評価や、農業用実証試験が終了した後のフォローアップ調査を実施した。

《研究の概要》(PDF:215KB)

令和6年度研究審査会コメント

  • 本研究では、「見かけ有効熱伝導率」の測定方法の開発や農業分野への利用が進められ、多くの成果が得られている。今後は、地中熱利用の有効性を埼玉県内だけでなく、全国の様々な主体に発信していくことで、更なる社会実装につなげていくことが期待される。
  • エネルギー問題を根本的に解決できる可能性がある、夢のある研究である。研究チームは訳実にデータ取得をすすめており、さらに農業への活用についてもフォローアップ調査を実施した。論文成果公表や今後への展開(科研費取得)も高い評価に値する。
  • 地中熱利用促進のための貴重な科学的データが得られているので、今後、広報に努めていただきたいと思います。開発された新しい熱応答試験装置については、もう少し具体的な従来型との比較があれば、その利点がより明確になると思われます。
  • 地中熱HP のコスト評価とCO₂ 排出量の比較、農業への活用及び新型熱応答試験装置の開発と多岐にわたって研究を進め、今後の地中熱HP の社会実装に直結した十分な成果が得られており、高く評価できる。また、研究成果を査読付論文や学会発表で公表しており、学術的にも波及効果は大きいと考えられる。
  • 地中熱利用について、本研究課題の実施前からの取り組みの蓄積を活かし、実証試験データ精査、経済性やCO₂削減効果の評価、過去の実装に関わるフォロー調査、熱応答試験法の提案など、幅広い取り組みを実施し成果を挙げています。審査会での説明も大変わかりやすいと思いました。
  • 地中熱利用について総合的に評価してその有用性を示しており、研究発表や社会実装、普及も積極的に行っておられ、研究成果が得られていると思います。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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