環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究課題 > 令和5年度研究課題一覧 > 令和5年度研究課題(大気環境担当 R5~R6 道路周辺の大気中アンモニア濃度への自動車排出ガスの影響)
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掲載日:2024年2月8日
アンモニア(NH3)は大気中の主要な塩基性物質であり、 硫黄酸化物や窒素酸化物などの大気中の酸性物質の中和に大きな役割を果たしている。その結果、PM2.5等微小領域の二次粒子の生成に寄与している。環境の酸性化や生態影響を検討する上でも極めて重要な物質である。
NH3の主な発生源として、家畜排泄物や農地への施肥などがよく知られている。加えて自動車(主にガソリン車の三元触媒)からも排出されており、都市部においては自動車が重要な発生源と考えられる。しかし、日本国内においては、自動車から排出されるNH3に注目した環境測定に関する報告は少なく、その実態については不明な点が多い。
CESSでは、2000年~2007年に埼玉県内の幹線道路周辺 で調査を実施し、自動車由来のNH3が周囲の大気濃度に影響を及ぼしていたことを確認している。 その後、約15年が経過し、低公害車の普及やディーゼル車の排出ガス対策により、県内自排局ではNOx濃度が大幅に低下した。自動車排出ガスの組成や総量が大きく変化した可能性があるものの、その影響による幹線道路周辺のNH3濃度の変化についての現状把握はなされていない。
本研究では、幹線道路周辺のNH3濃度について現状を把握し、この15年間の道路周辺のNH3濃度変化の有無と低公害車普及状況等との関係を検討し、自動車由来NH3の現時点における重要度を明らかにすることを目的とする。これらの結果は二次生成粒子の発生源対策や窒素循環の把握のために有用な情報となる。さらに、今後の、排出ガスの少ない電気自動車等の普及が予想されることや、NH3が燃料としても注目されていることなど、将来的にも変動要因が存在するので、現在の大気環境の状況を把握しておくことは重要である。
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