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掲載日:2024年2月14日

令和5年度研究課題(土壌・地下水・地盤担当 R5~R7 環境水に含有されるペルフルオロアルキル化合物(PFASs)の高感度一斉分析法の開発)

(土壌・地下水・地盤担当:髙沢、石山;化学物質・放射能担当:竹峰;研究推進室:茂木)

有機フッ素化合物の一つであるペルフルオロアルキル化合物(PFASs)は、様々な工業製品や商業製品で使用される合成化合物群であり、環境汚染物質として世界的に問題視されている。日本国内ではヒトの健康保護の観点で、3種のPFASsについて水質汚濁に係る要監視項目または要調査項目として追加されている(ペルフルオロオクタンスルホン酸:PFOS、ペルフルオロオクタン酸:PFOA、ペルフルオロヘキサンスルホン酸:PFHxS)。

令和5年2月現在、日本国内では明確な環境基準値は設定されていないが、前者2種については「指針値(暫定)」が設定されている(合算値50ng/L以下)。本県でも実態把握のために、これらの物質を一斉分析できる体制を構築する必要がある。PFOS、PFOA、PFHxSには前駆物質が存在し、環境中で生成されることが報告されている。汚染原因の究明のためには、環境中でPFOSやPFOAに変化する可能性がある前駆物質も同時に測定できることが望ましい。

これまで当センターでは、PFASsの一斉分析法について研究を実施してきたが、PFOS・PFOAの指針値を満たし、かつPFHxS及びそれら前駆物質を一斉分析できる分析法はまだない。本研究では、これまでの一斉分析法の高感度化を目指し研究を実施する。加えて近年では、分析の省力化・グリーンケミストリー化の観点から、全自動固相抽出装置の利用が着目され始めている。全自動固相抽出装置をPFASs分析へ活用することを目標とし、高感度分析に向けた基礎検討を行う。

《研究の概要》(PDF:250KB)

 

令和5年度研究審査会コメント

  • 非常に挑戦的な研究です。ただ、海外も含めて、なかなか解決できていない課題であり、ここで何を完成させるかの目標を明確にしておいた方が良さそうです。また、場合によっては、災害時のような、分析が難しい状況での精度を上げるといったように、少し視点を変えた取り組みにしておくと、却って新規性が出しやすくなるかもしれません。研究といった場合、これまで進められてきた中で精度を上げることも重要ですが、その中ではそれほど精度は上がっていなくても、新しい独創的なアイデアを提示する方がより評価されるものです。柔軟に考えるとよさそうです。
  • 分析マニュアルの作成に最も関心を持った。所内共有が目的とされているが、実際は所外にも参考になる内容となるのではないかと思った。ガスクロマトグラフ法は、分析機器や使用機材によって結果が影響されやすいので、分析者が変わっても一定の結果を得るための資料作成は有効である。
  • 社会的に注目度の高い問題について、現場での計測と管理の観点からの課題解決に果敢に取り組んでいる。社会的重要度の大きさゆえ、関連の研究が様々な機関で急ピッチに実施されている状況と想定する。相互の知見共有や結果比較などを通じた連携も重要である。
  • PFASの環境汚染調査に貢献する重要な研究である。分析の各過程でのブランクを極限まで下げることが課題と考えられるが、高感度一斉分析法の確立に期待したい。
  • 近年全国的に存在が確認され、県民の健康リスクの面からも重要なテーマとなっている。国の基準も含め、極低濃度での分析技術の確立と、サンプリングから分析制度管理も含めた計画であり、さらに民間との連携も行う実効性の高い研究計画で、成果が期待される。
  • 多くの国内外機関が喫緊の課題として取り組んでいるPFASの高感度一斉分析法の開発のどの部分をCESSが受け持つのが適切か、整理をしたうえで適切な部分に適切な資材投下を行うのがよいと考える。標準試薬瓶の開発などは適切な例の一つと考える。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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