養殖業
埼玉の養殖業の特色
埼玉県では、主にキンギョやニシキゴイといった観賞魚の生産が広く行われ、全国的にも有数な生産県となっています。
また、食用魚は全国に先駆けてナマズやホンモロコの養殖技術を開発し、休耕田を活用した生産が行われ、地場産品として親しまれています。
平成30年の養殖業の総生産金額は4億6,023万円となっており、その約74%が観賞魚です。
全国に先駆け埼玉県で養殖されている魚
埼玉県(水産研究所)では、いろいろな魚種の養殖技術開発に取り組み、水田養魚として実用化してきました。
全国に先駆けて養殖技術を開発した4種を紹介します。このうち3種は県内で購入できます。
ホンモロコ
- 琵琶湖から移植した魚で、日本産コイ科魚の中では最も美味といわれています。
関西では、高級魚として料理屋で使われ、主に塩焼きや甘露煮、天ぷら、寿司だねに利用されています。
- 本県では、沼や川で取れるモツゴ(クチボソ)の代用品として養殖されるようになり、転作作目としても注目されています。 10月中旬~1月中旬に購入できます
ホンモロコの紹介ページ
ナマズ
- 天ぷら材料で良く知られた川魚です。埼玉では昔から良く食べられており、養殖化が望まれていました。
- 当時の水産試験場の技術開発により、現在では安定して生産できるようになりました。
- 現在吉川市などで養殖されており、町おこしに一役買っています。ほぼ通年購入できます。
ソウギョ
- 中国原産のコイ科の魚です。
- 明治11年に揚子江産の種苗を初めて国が導入しました。一貫生産できるのは日本国内で本県のみです。
- 産卵はハクレンとともに利根川水系だけで確認されていますが、産卵数量はハクレンが95%、ソウギョが3%程度です。全長は1m以上になる大型の草食性魚類で、水路の除草に役立っています。
ハクレン
- ソウギョに混入して中国から入ってきた魚です。
- 全長が1m以上になる魚で、植物プランクトンをエラでこしとって食べます。
- 産卵はソウギョと同様に利根川で行われ、毎年6月~7月にかけて行われます。
- 利根川での産卵はダイナミックであり、名物となっていて、栗橋町地先の利根川と国道4号線が交差する付近で観察できます。 現在養殖していません。
埼玉県で作り出した品種
埼玉県では多くの品種のキンギョ・ニシキゴイが生産されています。もっともポピュラーな小赤、琉金などとともに、埼玉県水産研究所(旧:水産試験場)が作出した品種もあります。
ヒレナガニシキゴイ
- 上皇陛下が皇太子時代の昭和52年に、当時の水産試験場を御訪問された際、インドネシアのヒレの長いコイと日本のニシキゴイを交配してはどうかとの御提言をいただき、昭和57年に交配・作出しました。
- ヒレナガニシキゴイは、尾ビレ、胸ビレ、背ビレ等がニシキゴイより約2倍も長い特徴があります。
丹頂コメット
- 尾ビレ、胸ビレが長いコメットの中から昭和59年に作出された品種です。
特徴は、丹頂鶴のように頭が赤くなっていることです。