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掲載日:2023年7月5日

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生活衛生営業/入浴施設の衛生管理(レジオネラ症対策)

公衆浴場業・旅館業営業者の皆様へ

レジオネラ症は、レジオネラ属菌に汚染された水の飛沫が呼吸器系に入り、発熱や肺炎等の症状を引き起こす病気で、近年、罹患者が増加傾向にあります。入浴施設でのレジオネラ症の感染例も相次いで発生しており、死亡例も報告されています。

レジオネラ属菌は、循環式浴槽(24時間風呂など)や空調用の冷却塔、加湿器などで繁殖し感染源となるため、これらの設備や器具の使用、維持管理には十分な注意が必要です。

1 レジオネラ症について

レジオネラ症には、レジオネラ肺炎とポンティアック熱があります。

レジオネラ肺炎は、2~10日の潜伏期の後、悪寒、高熱、呼吸困難等の症状があらわれ、重症になると死亡する場合があります。

ポンティアック熱は、インフルエンザに似た症状を起こしますが、一般に軽症で数日で軽快します。

レジオネラ症にかかりやすいのは、病人や高齢者,乳幼児など抵抗力の弱い人です。

2 最近の事故例

  • 令和4年6月 愛知県内の入浴施設で1人感染。営業停止の行政処分(2日間)
  • 令和4年4月 鹿児島県内の入浴施設で1人感染。営業停止の行政処分(衛生管理の改善及びレジオネラ属菌の陰性確認まで)
  • 令和4年4月 兵庫県内の入浴施設で2人が感染、うち1人が死亡。営業停止の行政処分(衛生管理の改善及びレジオネラ属菌の陰性確認まで)
  • 令和3年12月 広島県内の入浴施設で4人が感染。営業停止の行政処分(衛生管理の改善及びレジオネラ属菌の陰性確認まで)
  • 令和元年8月 静岡県内の入浴施設で13人が感染。営業停止の行政処分(当面の間)
  • 平成29年3月 広島県内の入浴施設で58人が感染。営業停止の行政処分(管理体制の見直し及びレジオネラ属菌の陰性確認まで)。
  • 平成27年6月 神奈川県内の入浴施設で7人が感染。営業停止の行政処分(レジオネラ属菌の陰性確認まで)。
  • 平成27年6月 岩手県内の入浴施設で12人が感染、うち1人が死亡。営業停止の行政処分(60日間)。
  • 平成26年6月 埼玉県内の入浴施設で3人が感染、うち1人が死亡。営業停止の行政処分(レジオネラ属菌の陰性確認まで)。
  • 平成25年2月 千葉県内の公衆浴場施設で1人が感染。営業停止の行政処分(5日間)。
  • 平成24年12月 埼玉県内の入浴施設で8人が感染。営業停止の行政処分(レジオネラ属菌の陰性確認まで)。
  • 平成24年11月 山形県内の入浴施設で3人が感染。施設は使用自粛。
  • 平成24年1月 鳥取県内の入浴施設で1人が感染。営業停止の行政処分(5日間)。
  • 平成23年11月 群馬県内の旅館で1人が感染、死亡。営業停止の行政処分(4日間)。

3 浴槽における発生を防ぐには

浴槽水は、温かく栄養分があるので、浴槽や循環ろ過装置の内部及び配管に、ぬるぬるした膜ができます。
これを、生物膜(バイオフィルム)といいます。この生物膜の中は、レジオネラ属菌が寄生するアメーバなどの原生動物にとって繁殖しやすい環境です。

生物膜の中で増えたレジオネラ属菌は、浴槽の中に流れ込んで人に感染します。生物膜を除去せずに
(浴槽やろ過装置の洗浄が不十分なまま)浴槽水に塩素だけを添加しても、生物膜の中にいるレジオネラ属菌には効きません。

また、入浴施設には、打たせ湯、ジェットバス、ジャグジーなどが多く設置されていますが、これらはエアロゾルが発生しやすいので厳重な衛生管理を必要とします。

施設側の責任において、浴槽、ろ過器、配管などの清掃及び消毒を行って生物膜の生成を防止し、浴槽水は常に塩素消毒等をしなければならないことになっています。

塩素は浴槽水の汚れによって消費されてしまうため、入浴者は浴槽に入る前にあらかじめ身体をよく洗う必要があります。

4 浴槽のレジオネラ対策のポイント

(1)浴槽、循環ろ過装置及び配管を徹底洗浄、消毒する。

  1. 毎日の清掃・消毒
    ヘアーキャッチャー(集毛器)は毎日、内部を清掃し、塩素系薬剤で消毒する。
  2. 適切な全換水
    →毎日完全に換水すること。ただし、これにより難い場合にあっても、1週間に1回以上、完全に換水をする。
    →換水時には、浴槽壁等の凹凸にも留意して浴槽内部を清掃。ぬめり等を完全に除去し、塩素系薬剤で消毒する。

 *特に木製浴槽の管理は注意が必要

  3.ろ過器及び循環配管の管理
      1週間に1回以上、ろ過器を十分に逆洗浄して汚れを排出すること。
   また、ろ過器及び循環配管について、適切な消毒方法で生物膜を除去すること。

(2)再び生物膜が形成されないよう、水質の管理を徹底する。

  1. 毎日の浴槽水の消毒
    浴槽水中の遊離残留塩素濃度を頻繁に測定し、通常0.4mg/L程度(最大1.0mg/Lを超えない。)を保つ。
    なお、入浴者が多い場合等は、浴槽水の汚濁によって塩素の消費が増大するため、残留塩素濃度の管理に特に注意する。
  2. 定期的なレジオネラ属菌検査
    浴槽水のレジオネラ属菌定期検査を実施する。(循環ろ過系統毎に行われる場合が多いが、浴槽毎に検査を行うことが望ましい。)
  3. 管理記録の保存
    →水質検査結果、浴槽水の残留塩素濃度の測定結果、浴槽水の入れ換え、高濃度塩素による追加消毒の実施等は記録簿に記録し、3年間保存する。
    →レジオネラ属菌の検査結果と照らし合わせて、管理計画を再検討する。
  4. 打たせ湯やシャワーには循環している浴槽水を使用しない。
  5. 入浴者に対して、浴槽に入る前にあらかじめ体の汚れを落とすよう、注意書き等で注意喚起する。

5 その他

  • レジオネラ対策や水質検査等についてご不明な点は、保健所にご相談ください。
  • 関連する厚生労働省からの通知等については、以下のインターネットのホームページからもダウンロードできます。

関連する情報

厚生労働省 レジオネラ対策のページ

お問い合わせ

保健医療部 生活衛生課 環境衛生・ビル監視担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎4階

ファックス:048-824-2194

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