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掲載日:2024年7月22日

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「難聴者・中途失聴者」とはどんな人?

「難聴者・中途失聴者」とは?

難聴者:
第一言語としては日本語であり、補聴器などを活用した声による会話を重視している人たちが難聴者と言われます。聴覚障害のレベルはさまざまですが、手話を使える人たち、唇の動きを読み取り、コミュニケーションを取れる人たちもいます。そしてまた、大部分の人が話すこともできます。

中途失聴者:
人生の途中から重度の聴覚障害を負った人たちを総称して言いますが、日本語を十分に身につけた後に失聴し、ご自身が元健聴者であったことを明確にしている方が多いです。
中途失聴者、難聴者を含めて「難聴者」とすることも多々あります。

その他:

片耳のみが難聴だったり、聞こえない人もいます。最近では聴力検査では正常でも環境その他により聞き取りが悪くなったりするAPD(聴覚情報処理障害)や聴神経障害により聞き取りが困難なAN(オーディトリー・ニューロパチー)など、新しいタイプの聴覚障害があることが分かってきました。
それぞれ、症状は違いますが、まだ判定、治療方法などが分かっておらず、当事者にしか分からない苦悩があるようです。

「難聴者・中途失聴者」はこのように誤解されがちです。

(1)補聴器を付ければ健聴者と同じように聞こえ、普通に会話ができる。(という誤解)

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メガネと違い補聴器は、装用すればすぐその場で普通に聴こえるようになるわけではありません。
難聴の種類として、伝音性難聴(外耳や中耳までの音の伝達に障害)と感音性難聴(内耳や中枢の神経系に障害)の2タイプがあります。前者は比較的補聴器で聴力を補えますが、後者で障害が高度の場合、現在の医学では治療、改善が困難です。補聴器を付けても音が歪んで聞こえ、聞き間違えが多く、音声のみでの会話は困難です。

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(2)「難聴者・中途失聴者」は普通に話せるから聴こえている。(という誤解)

聴こえる人の感覚では話せる=聴こえる、と判断されがちですが、すでに日本語を習得できているので聞こえなくなっても話せる人がほとんどです。

(3)「難聴者・中途失聴者」は手話を使ってコミュニケーションできる。(という誤解)

耳の聞こえない人、聞こえにくい人の全部が手話をスムーズに使えるわけではありません。習得にはかなりの時間と努力を要します。それでも、簡単な挨拶程度でも使えれば筆談などが不要となるので、学習する方が多いです。

コロナ禍のなか、私たち難聴者・中途失聴者は困惑しました。

マスク、シールド、パーティションなどで声はくぐもり、聞き取りが困難になり、何度も聞き返すありさま。特にマスクは聞き分けに必要な子音がこもり、口の形を見て音の情報と照らし合わせて読み取る(聞き取る)難聴者は困りました。病院では「佐藤さん」と大きな声で呼ばれても「加藤さん」などと聞き間違えたり、大変でした。
何度も聞き返すわけにもいかず、相手の顔が厳しくなると、つい諦め、我慢してしまいがちになります。

 

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「難聴者・中途失聴者」への配慮

(1)まずは、どのような方法(音声・手話・筆談)でコミュニケーションをとればよいか、本人に尋ねてください。
(2)マスクは話すときだけでも外して口元を見せてほしいです。
(3)最近、コンビニ各社のレジ前に貼ってある「指差しシート」なども大変助かります。指差しシートにも、一緒に「耳マーク」を付けていただき、周知していただいております。

 

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(4)質問などは、簡単にYes/Noで答えられるような内容にしていただくと間違いが少なく、ありがたいです。

「難聴者・中途失聴者」が生きやすくなるために必要なこと

・現行の要約筆記者の公的派遣をもっと手軽に利用したい。
現行の情報保障の制度として、手書き及びパソコンによる要約筆記者の公的派遣制度がありますが、養成講座を受講する人が減っている現状を何とかしたいです。私たち、難聴者・中途失聴者は手話を全部の人が使えるわけではありません。要約筆記者をより多く養成し、手軽に利用できる要約筆記者派遣制度へと一歩進んで欲しいと思います。

・ヒアリングループの設置を広めたい。
マイクの音を磁気的に補聴器に伝えられるヒアリングループは残存聴力のある難聴者・中途失聴者が有効に活用できる補聴システムです。日本国内では設置してあるところが少なく、欧米並みに普及して欲しいと願っています。

・補聴器、補助援助機器の活用
最近のデジタル式補聴器はBluetooth接続でスマホと連動して通話できたり、外部マイクを対面の相手に向け、よりクリアに聞き取れるタイプのものも増えてきました。また、従来から「FMシステム」と呼ばれる補聴援助システムがありましたが、さらに音質や安定性の向上したデジタル補聴援助システムに進化しました。集団補聴などの場では有効に活用されているようです。

・ICT機器の活用
スマホの音声認識アプリがかなり精度よく文字起こししてくれる時代になってきました。主に相手の話す内容をリアルタイムで字幕にし、それを読んで理解するためのものです。電車内のアナウンスも内容がほぼ掴める程度に進化しつつあります。
医療にもごく普通に、自然なかたちで使われるように願っています。

・電話リレーサービスの普及
公共サービスとして、「電話リレーサービス」があります。きこえない人と、きこえる人との会話を通話オペレータが「手話」または「文字」と、「音声」を通訳することで、電話で即時双方向につながることができるサービスです。
まだ幾分、改良の余地がありそうですが、各種届けや申し込み等の本人確認は電話のみ、という現状を打破し、広く普及していくことを望んでおります。

・聞こえる人たちにも簡単なあいさつ程度の手話を覚え、使っていただきたいと思います。
あいさつ程度でも、お互いのコミュニケーションがスムーズかつ温かいものになるかと思います。

より「難聴者・中途失聴者」のことを知っていただくために…

私たち、埼玉県難聴者・中途失聴者協会(愛称:むさしの会)のホームページをご覧ください。
https://saitamananchou.main.jp/

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福祉部 障害者福祉推進課 社会参加推進・芸術文化担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-4789

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