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2022年2月10日(木曜日)

【スポーツで埼玉を元気にする!】水泳背泳ぎ 金子雅紀選手 ②

金子選手1

金子雅紀選手(イトマン東進所属)は、埼玉県川越市出身で0歳児からベビースイミングを始めました。高校3年のときインターハイ100m背泳ぎで7位に入り、筑波大学へ推薦入学。2013年に日本水泳連盟強化選手に選ばれ、2016年リオデジャネイロオリンピックに出場しています。バサロキックの技術を活かし、短水路(25m)での100m、200m背泳ぎの日本記録を持っています。現在は、世界水泳選手権出場を目指し、競技に励んでいます。
なお、金子選手へのインタビューは、先日インタビューした椿選手の紹介により実現しました。
※令和4年1月11日インタビュー

金子選手のインタビュー記事を3部構成でお届けします。ぜひ御覧ください。

1 水泳について

2 トレーニングについて

3 今後の目標等について(令和4年2月17日公開)

 

2 トレーニングについて

○科学的知見を取り入れたトレーニング

金子選手4大学では、体育科学に関する専門的な知見を持たれている先生方が指導してくださったことと、体育学部に所属していたということもあり、自然と僕らも物事を科学的に考える習慣がついていきました。

大学の部活動では、コーチが運動生理学に基づいた独自の練習メニューを作成し、定期的に泳ぎの映像撮影や、分析を行っていました。

そのような取り組みの中で、日々の練習で自分の生理学的な能力がどれくらい向上したのか?自分が泳いでいる感覚と実際の動きにずれはないか?などを客観的なデータから評価することができ、それが競技力向上に大きく貢献してくれたと思っています。

更に、科学的な知見に触れ、それを自分のトレーニングに落とし込むという作業を続けたことにより、自分の持っている技術や知識を言語化することができるようになり、「伝える力」も育まれたと思っています。

 

○「チーム」として取り組むトレーニング

背泳ぎの選手は背泳ぎだけを練習するわけではなく、クロールと個人メドレーを練習に取り入れていています。試合が近くなると背泳ぎの割合は増えるのですが、シーズン始めや追い込みの時期はいろいろな種目を泳ぎながら、体力を向上させていくというやり方が多いです。背泳ぎをやり過ぎると、首や肩など体への負荷がかかってしまうので、逆にやり過ぎないように気を付けています。

この年(29歳)になってくると、ただがむしゃらに頑張れば強くなれるというわけでもなくなってくるので、本当に自分に必要なトレーニングは何なのかを考える上で、自分のトレーニングの内容を客観的に見る作業がすごく大事になってきています。その作業は科学的な知見を取り入れるということにも繋がっています。社会人になってからは、量をちょっと減らして質を高めてパフォーマンスを上げてくというスタンスでトレーニングをするようになってきました。伸びしろはどんどん減っていくけれど、絶対伸びないというわけではないと思うのです。

トレーニングについては、コーチやトレーナーの皆さんと相談しながら一緒にやっています。僕らが目指しているのは針の穴に糸を通すような、すごく繊細なところです。選手は自分が体を動かすことに関しては一流ですが、自分の知識、経験だけでは日々のトレーニング効果を最大化するのは難しいと考えています。ですから、プロフェッショナルと連携してうまくやっていかないといけないな、というのは年を追うごとに感じています。ここまで繊細な作業はしなくてもある程度のレベルまでは強くなれるとは思うのですが、トップにまではなれないと思っています。だからこそ結果が出た時の喜びもひとしおですし、トップアスリートがスポーツに打ち込む一つの楽しみでもあると思っています。

 

つらかったことや苦しかったことは?

金子選手5ずっと水泳が好きで、あまり苦しい、辛いと思ったことはないです。しかし、2018年に心臓や手首の手術をした影響で、数年間調子が上がらず、サポートしてくれている人たちに申し訳なくなって謝っている時期がありました。そのときはさすがに苦しみました。しかし、コーチやトレーナーさんから「雅紀が背負い込むことじゃない、自分たちが好きでサポートしているんだからこちらの分まで背負うな」と言っていただいてからは、つらい思いをすることがなくなり、周りの人たちには感謝の気持ちしかなくなりました。

僕は性格的にいつも周りに人がいてくれないとダメなタイプです。一緒にいて楽しんでくれる仲間がいて、信じてサポートしてくれる人達に恵まれているのは本当に幸せなことです。

 

○試合後の楽しみ

試合が終わるとすぐに家族や仲間とキャンプに行きます。自然の中で過ごすことが好きなので、焚火をしたりしてお酒を飲みながらリラックスします。

 

→ 3 今後の目標等について に続きます。(令和4年2月17日公開)