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掲載日:2022年12月19日
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鋳造(*1)技術の向上は、企業個々の不断の努力と研鑽が重要であり、昨今の諸外国の追い上げや経済環境の急激な変化等によりその重要性は益々高くなってきています。
埼玉県鋳造技術コンクールは、鋳物製造技術の更なるレベルアップを目的に埼玉県と川口鋳物工業協同組合が共催しています。今年で58回目になり、ねずみ鋳鉄(*2)部門9作品、球状黒鉛鋳鉄(*3)部門11作品(含 参考出品1作品)の参加により競われました。今回の課題は、「名称:リテーナ」で、縦横250mm、高さ70mmの大きさです。
出品作品の評価は、審査委員が鋳造方案(鋳造品の作り方)の適切さ、製品の出来栄え、材質、寸法の正確さ、歩留り(全鋳込み重量に対する製品部の重量比)の高さなどの観点から行いました。審査の結果、入賞した作品の製造企業はつぎのとおりです。
(*1)鋳造とは… 溶かした金属を型に流し込み、冷やして固める製法で、複雑な形状のものも比較的容易に作れるのが特徴です。
鉄の場合、融点を下げて鋳物を作りやすくするために黒鉛を3~4%程度添加した「鋳鉄」が広く使われています。
本コンクールでは黒鉛形状の異なる2種類の鋳鉄部門で競技を行っています。
(*2)ねずみ鋳鉄とは… 片状黒鉛鋳鉄ともよばれる一般的な鋳鉄です。破面の色からこの名で呼ばれています。近年は工作機械の本体
やエンジンブロックなどに利用されています。昭和39年の東京オリンピックで使用された旧国立競技場の聖火台は、
川口の鋳物師によってこの鋳鉄で作られました。
(*3)球状黒鉛鋳鉄とは… 黒鉛形状を球状に処理し、強度や延性を改良した鋳鉄で、ダクタイル鋳鉄とも呼ばれます。強度の必要な
自動車部品や水道管に使用されています。東日本大震災では耐震継手型ダクタイル鋳鉄の水道管の被害が極めて少なかったこと
が報告されています。
鋳造コンクールでは主に下記の点で審査を行っています。
材質 | 要求どおりの強度があるか(引張強度・硬さ) |
---|---|
形状 | 要求どおりの寸法にできているか(寸法精度) |
外観・内部欠陥 | 有害な割れやきずがないか(出来栄え) |
設計 | 上記要求事項を満足する設計がされているか(鋳造方案・歩留り) |
賞名 | 事業所名 |
埼玉県知事賞 | 不二工業株式会社 |
川口鋳物工業協同組合理事長賞 |
富和鋳造株式会社 |
川口市長賞 | 株式会社マスセイ |
一般社団法人 日本鋳造協会 会長賞 | 不二工業株式会社 |
一般財団法人 素形材センタ―会長賞 |
前澤工業株式会社 |
賞名 |
事業所名 |
埼玉県知事賞 | 株式会社永瀬留十郎工場 |
川口鋳物工業協同組合理事長賞 |
株式会社マスセイ |
川口市長賞 | 株式会社永瀬留十郎工場 櫛引工場 |
川口商工会議所会頭賞 | 富和鋳造株式会社 |
埼玉鋳物技能士会会長賞 | 株式会社椿本鋳工 |
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