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掲載日:2023年10月20日

令和5年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(細川威議員)

視覚障害者の支援策について

Q 細川威 議員(民主フォーラム)

近年、日本全体で高齢化が進む中、視覚障害者の方の数も微増しているとの指摘があります。特に、高齢者に多い加齢黄斑変性や緑内障、糖尿病網膜症といった疾患が、先進国における主要な視覚障害の原因として挙げられています。これらの疾患は、早期発見と適切な治療が視覚障害の進行を遅らせる鍵となるとされていますが、後天的に視覚に障害を持った多くの方が、日常生活に困難を感じています。
県内には、国立障害者リハビリテーションセンターや県総合リハビリテーションセンターなどの施設があり、これらの施設では、視覚障害者のためのリハビリテーションや生活支援が行われています。
しかし、これら大規模な施設は県内に2か所しかなく、地域レベルでの具体的な支援や訓練の場所は限られているとお聞きしました。また、視覚障害者が日常生活をより豊かに過ごすためには、歩行訓練士などの専門家によるサポートが不可欠となりますが、歩行訓練士の資格保有者も少ないのが現状です。
私は、最近、越谷市にあるNPO法人視覚障がい者支援協会・ひかりの森の方からお話を聞き、視覚障害者が抱える諸課題について深く考える機会がありました。このNPOの施設は、地域活動支援センターとして位置付けられており、視覚障害者に対する歩行訓練などを行っています。このような取組は地元地域において非常に価値があり、ほかの市からも訓練を受けに訪れるそうです。
しかし、他市からの通所は、視覚が不自由なため遠出するのが困難なことから、自分が住んでいる地域でも、このような視覚訓練の施設が欲しいと切望されている話を聞きました。NPO法人の理事長の方も、県内での歩行訓練や視覚障害訓練の施設が少ないことを懸念しています。
視覚障害者の方々が直面する問題は、単に移動の困難さだけではありません。情報の取得やコミュニケーション、日常生活の中での様々な課題が存在します。これらの課題を克服するためには、専門的な訓練やサポートが必要です。しかし、現状の埼玉県内では、これらのニーズに応えるための施設やプログラムが十分に提供されていないのが現状なのではないでしょうか。
そこで、福祉部長にお伺いします。
埼玉県内において、視覚障害者を対象とした地域の福祉施設や訓練施設の設置状況、さらに、これらの施設で提供されているサポートや訓練の内容について具体的に把握されているか、お伺いします。また、視覚障害者のための支援策を強化するために、県として今後取り組むべき課題や方針についてお聞かせください。

A 金子直史 福祉部長

まず、「地域の福祉施設や訓練施設の設置状況、サポートや訓練の内容」についてです。
視覚障害者を対象とした機能訓練を行う施設として県が指定した自立訓練施設は、計3か所ございます。所沢市の国立障害者リハビリテーションセンター、上尾市の県総合リハビリテーションセンター、民間の施設として熊谷市にある視覚障害者支援センター熊谷で計42名の方が利用できます。
これら3施設はいずれも、障害者総合支援法による県指定施設として、屋内外の移動や白杖の使い方を学ぶ歩行訓練、日常生活で点字の読み書きをできるようにする点字訓練、掃除や洗濯などの家事や調理を行う日常生活訓練などを、歩行訓練士など専門的知識を有する職員により提供しています。
さらに、議員お話しの越谷市にあるひかりの森や朝霞市にある施設では、地域活動支援センターとして訓練を実施しており、訓練の他にも障害者の交流の場としての役割もあり、視覚障害者を心の面で支える大事な場となっております。
いずれの施設も視覚障害者のニーズに応えるプログラムを提供し、視覚障害者の支援に重要な役割を果たしています。
次に、「視覚障害者のための支援策を強化するために、県として今後取り組むべき課題や方針について」です。
まず、視覚障害者の支援に関しては、歩行訓練士など支援に携わる人員の確保が必要です。
訓練士は全国的にも数が少ない状況であり、令和4年4月時点で238人の方が施設や病院などに在籍しており、このうち県内では19名の方が活動しています。
訓練士になるためには専門の養成施設において2年間で3000時間のカリキュラムを履修する必要がある上、訓練士自体があまり知られていないため、訓練士を志す方は大変少ない現状にあります。
また、施設などで訓練士として活躍できる場も限られております。
こうしたことから、県では、まずは1人でも多くの方に訓練士に興味を抱いてもらうため、県のホームページなどで周知し、その重要性について啓発を図ってまいります。
また、全国に2つある養成機関の1つが県内に所在する国立障害者リハビリテーションセンター学院となっていることから、改めて今後の人材確保の方向性などについて意見を伺ってまいります
さらに、身近な地域で訓練などを気軽に受けられる環境の整備も必要と考えます。
ひかりの森のような地域活動支援センターが各地域で設置されれば、視覚障害者の訓練の場も広がりますので、今後はこうした好事例を市町村へ情報提供してまいります。
県といたしましては、歩行訓練士などの人材の確保や、地域でのサービスの提供を一層進め、視覚障害者が地域で安心して暮らせるよう積極的に支援してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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