令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文（武田和浩議員）

太陽光パネル廃棄物問題について

Q　武田和浩　議員（民主フォーラム）

このテーマについては、令和4年6月定例会における一般質問においても質問がございましたが、非常に重要な問題と考えておりますので、質問をいたします。
経済産業省資源エネルギー庁によりますと、日本における再生可能エネルギーの主力である太陽光発電は、2022年に固定価格買取制度が導入されて以降、増えてきたようです。この太陽光発電に使用する太陽光パネルは、その製品の寿命が25年から30年とされているようです。そのため、同制度開始後に始まった太陽光発電事業は2040年頃には終了してしまい、その際に太陽光発電設備から太陽光パネルを含む廃棄物が出ることが予想されていると同庁は述べられ、警鐘を鳴らしています。また、太陽光パネルは、種類によっては異なる有害物質が含まれているということでございます。将来の太陽光発電設備の大量廃棄をめぐって懸念が広がっているようです。
コストがかかる廃棄処理を行わないで、不法投棄をされるのではないかという懸念もあるようです。放置や不法投棄を防ぐためには、電気を売った際に出た収益の一部を、廃棄のための費用としてあらかじめ積み立てておくことが有効とされておりますが、実際にその積立てを行っている事業者は少ないとのことでもありました。
太陽光パネルには、パネルの種類によっては、鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質が含まれており、土壌汚染や水資源への流入も心配ですので、適切に処分をする必要があります。
また、同時期に設置された太陽光パネルは、いずれ大量廃棄の時期を迎え、最終処分場が一時的にひっ迫するという懸念もあります。最終処分場のひっ迫を緩和し、資源の有効活用を図るためには、太陽光パネルのリユースやリサイクルを促進する必要があると思います。将来出てくると想定される廃棄物のリユースやリサイクルやその処理については、まだ問題が顕現化をしていない今から取り組まなければならないと考えますが、環境部長の御見解を伺います。

A　細野正　環境部長

環境省の推計では、太陽光パネルの大量排出については、2030年代後半からピークとなり、全国で年間50万トンから80万トンの排出が見込まれています。
県では、太陽光パネルの大量排出に備え、産業廃棄物処理業者、太陽光パネル設置業者、解体業者等をメンバーとする協議会を設置し、適正な処理体制の構築を目指しております。
今年3月に開催した協議会では、将来に備え、太陽光パネルの処理に係る課題について情報を共有したところです。議員お話しの有害物質の取扱いについても、挙げられた課題の1つです。
環境負荷の低減、資源の有効利用の観点からも、使用済み太陽光パネルを単に破砕し埋め立てる従来の処理から、リユースやリサイクルにしっかり誘導する必要があります。
しかしながら、現状では、費用を比較すると、リサイクルより埋立処理が選択されやすい状況にあります。このため、リユースやリサイクルに誘導するための制度の創設が必要と考えます。
そこで、本県においては、令和2年度から国の施策に対する提案・要望で、太陽光パネルのリサイクル制度の整備を環境省及び経済産業省へ求めてまいりました。引き続き、国に対して働きかけを行ってまいります。
また、ピーク時を見据え、リサイクルに取り組む事業者数を確保することも必要となります。
現在、県内でリサイクルが可能な事業者は1業者のみとなっております。事業者数を増やす方策として、太陽光パネルの回収拠点を県内の一定の地域ごとに整備し、回収効率を上げることが求められます。
さらに、適正なリサイクルや処理に向け、解体工事業者等に対しては、有害物質に関する正しい情報を把握していただくとともに、処理業者に対しては、有害物質を適正処理していただくことが重要となります。
業界団体が実施する研修会などの場で、県が作成した「太陽光発電設備の処理に関する手引」を活用することなどを働きかけてまいります。
太陽光パネルの適正な処理体制が構築できるよう、着実に準備を進めてまいります。

 

• 上記質問・答弁は速報版です。
• 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
• 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。