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掲載日:2022年3月30日

令和4年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(高橋政雄議員)

自殺防止対策「気付き」

Q   高橋政雄 議員(自民)

私は最近、人の死について考えるんです。病死、事故死、そして自死など。本人が望まぬ死もあれば、自ら絶つ命もある。私の人生を見るんです。生まれてほぼ10年に一度やってくる苦しみの体験。6歳から始まり、前回は3年4か月前、苦しみを乗り越えてどうにか生きています。
新聞に載っていたコロナ禍と生活についての論考を聞いてくださいね。前回コロナウイルスがもたらした新しい生活様式、無駄な会議がなくなった、つまらない飲み会に参加しないでもよくなった。コロナによって無駄とむちゃと無理強いがあぶり出された。病院へのお見舞い、制限した。人間はできる限り楽をしたい生き物である。コロナ禍は、楽をしたいという本音を感染予防の大義名分で覆い隠すことに成功した。だが、ある煩わしさがなくなると、次の煩わしさが顔を出す。そのうち、私たちは生きることすらも面倒くさいと思うようになるかもしれない。正に的を射た深層心理かもしれない。私自身、ふと、もういいかと思うこともある。
埼玉県の自殺者の状況から始めます。
先日、岡議員の質問でもありましたが、県内の自殺者数は、平成21年をピークに令和元年まで減少傾向であった。令和2年6月から増加傾向に転じ、令和2年10月には急増した。厚生労働省の資料から自殺者が多い世代が見えてくる。20代の若年層、40代、50代の働き盛り、そして70歳以上の高齢者、男性は女性の2倍の自殺者。自殺原因は圧倒的に健康問題という。私、思うに、心の病が多いと感じております。
自分の周りに多くの不幸がある。親しくしている友人家族の自殺者を知ったときの悲しみ。そんな友人たちが一応に口にするのが、「気付かなかった」。自分で自分の命を絶つという、決してあってはならない決断。たとえ自殺でなくても、残された家族にとって耐え難いことです。働き盛りの親を失い残された家族。その悲しみを、苦しみを、私は6歳のときに体験しています。自殺の場合にはもっと悲惨なことです。
そんな悲惨なことを少しでも減らすように、私たち社会全体で自殺対策に取り組まなければなりません。その対策には経済、教育、医療等、様々な環境改善が必要です。特に私たち大人は常にしっかりと家族と向き合っているか、気付きのアンテナを高くしているか、5年前と2年前の質問にて自殺対策について質問してきました。あえて、あえて2年前と同じ質問をします。
県では、これまでどのように自殺対策に取り組んできたのでしょうか。今後はどのように対策を進めていくのでしょうか。さらに、「気付き」について、保健医療部長にお伺いいたします。64年前、父の交通事故による家庭崩壊、3年4か月前、息子死去による家庭崩壊。家庭崩壊の代表と言える私、心に響く本気の御答弁をお願いいたします。

A   関本建二 保健医療部長

「県ではこれまでどのように自殺対策に取り組んできたか」についてお答えを申し上げます。
県は、これまで、相談体制を整備するとともに、自殺に遭遇する機会が多い鉄道事業者などへの研修や市町村、民間支援団体などへの財政支援に取り組んでまいりました。
議員御指摘のとおり、減少傾向にあった県内の自殺者数は、若年層と女性を中心に令和2年は増加に転じました。
このため、県では、令和2年7月から、経済問題と心の問題を併せて相談できる「暮らしとこころの総合相談会」をそれまでの2倍の月4回の開催に拡充いたしました。
11月からは、平日日中のみ対応していた「こころの健康相談統一ダイヤル」を24時間365日体制とし、相談体制を強化いたしました。
さらに、令和3年7月からは、若者の多くが日常的なコミュニケーション手段として用いるSNSによる相談を開始し、若年層に向けた相談窓口をも拡充し、さまざまな世代の県民の相談に対応しています。
次に、「今後はどのように対策を進めていくのか」についてでございます。
令和3年の県内自殺者数につきましては、警察庁自殺統計の暫定値によりますと、1,104人と前年に比べ82人の減少となりました。
しかし、コロナ禍が長期化する中で、経済、生活問題や心の問題などが懸念され、さらに自殺対策を強化していく必要があると考えます。
このため、先月、埼玉県医師会に委託して実施している自殺対策従事者人材養成研修会においては「コロナ禍における自殺対策」をテーマといたしました。
この研修会では、コロナ禍における自殺問題の実情とコロナ禍における自殺予防対策について学び、関係者間で情報を共有したところです。
また、県では、経済・教育・医療分野の学識経験者や民間団体から構成される自殺対策連絡協議会を開催し、自殺対策について検証し、今後の施策について協議しています。
令和3年度の協議会においては、社会的なリスクが高まっており、心の健康問題や経済的な問題など、様々なリスクに対する支援をそれぞれの機関が連携しながら、自殺予防対策を推進することなどを協議しました。 
県としましては、こうした研修会や協議会などを通じて、自殺対策が進むよう、取り組んでまいります。
次に、「気付き」についてでございます。
当事者は、家族や親しい人だからこそ悩みや辛さを隠してしまうということがあります。
しかし、自殺に追い込まれるという危機は誰にでも起こりうる問題であり、その場合には援助を求めることが適切であるという共通認識を持てるよう啓発を進める必要があると考えます。
また、自殺を考えている人の存在に気づき、声をかけ、話を聞き、必要に応じて専門家につなぎ、見守る人材、いわゆるゲートキーパーが、「気付き」のためには必要です。
このため、ホームページやSNSでの発信、自殺予防週間や自殺対策強化月間での広報、市町村の取組を支援し、ゲートキーパー研修の対象を一般の県民に拡大するなど、県民が周囲の人の変化に気付いて、声をかけられるような「気付き」につながる取組を進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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