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掲載日:2022年3月30日
Q 高橋政雄 議員(自民)
以前お話ししたことがある、私が幼稚園のとき、お父ちゃんが交通事故で高次脳機能障害になった。以来、家庭は地獄となってしまった。俺は4人兄弟の末っ子。上の3人は優秀な高校に行ったが、次々に中退して家を出ていった。俺も高校を中退したよ。高校中退後、働きながら夜間建築科に学んだんだ。今でも言えないことをいっぱい持っているよ。今、俺が元気に働けているのは、結果的にお父ちゃんの交通事故の衝撃と家庭環境の激変があったからと思う。若年性認知症になり、若くして死んだよ。お母ちゃんも1年後に死んだんだ。お父ちゃんは障害者になるまでは代々続く立派な大工の棟梁だった。だが、一瞬にして交通事故による脳の損傷で終わってしまった。今では格段の進歩により、その障害については大分解明されてきて治療も進んできているが、当時は頭部の外科治療のみであった。
県の総合リハビリテーションセンターは、昭和57年に設置された。高度な医療とリハビリにより社会復帰することは、本人や家族にとって大きな希望であり、大きな期待に応える存在だ。現在では、高齢化により脳梗塞などの疾患が多くを占めるようになったと聞いております。医療環境は大きく変化しています。
今、リハセンでは高次脳機能障害など、ほかの医療機関では対応が困難な患者を受け入れているという。県立病院として変化に対応して県民ニーズに応えることが重要だとこのように思いますが、県立総合リハビリテーションセンターは十分に対応できているのか心配もしております。そのリハセンが、今後も県民が必要とする医療にどう取り組んでいくのか伺います。
また、現在のコロナ禍にあって陽性患者の受入れを積極的に行うなど、県民の安心・安全を提供することも県立病院としての使命であります。これまでと今後のコロナ対応も含めお聞かせください。福祉部長にお願いいたします。
A 山崎達也 福祉部長
今後も県民が必要としている医療にどう取り組むのかについてでございます。
総合リハビリテーションセンターは、リハビリテーションに関する県内の中核的医療機関として、民間医療機関で対応が困難な整形外科系疾患や神経難病、高次脳機能障害に対する医療やリハビリを政策的医療として提供してまいりました。
議員お話しのとおり、高齢化の進展など医療環境の変化は大きいものがあり、総合リハビリテーションセンターも変化に的確に対応していかなければなりません。
このため、今年度、医師会・障害者団体の代表、大学教授など9名の専門家で構成する総合リハビリテーションセンター病院部門在り方検討委員会を設置し、検討していただいております。
委員からは、民間の医療機関では対応が困難な、パーキンソン病などの神経難病患者に対する医療、高次脳機能障害者に対する医療、障害者の日常生活を改善するための医療、を提供するべき、また、その提供する医療を積極的にPRするべきとの御意見をいただいております。
委員会での意見を参考とし、今後、これら3つに重点化した医療サービスの展開を図ってまいりたいと考えております。
また、提供する医療を県内の医療機関や県民に対し、ホームページなどを通じて、分かりやすく情報発信する取組を始めたところです。
さらに、地域の医療機関や在宅医療連携拠点などとの連携が重要であることから、医師会の御協力もいただき、関係機関への訪問や、医師、リハビリ職などを対象としたセミナーも実施をしております。
このような取組を積極的に進め、総合リハビリテーションセンターにおける医療サービスを必要とする県民の期待に応えてまいります。
次に、これまでと今後のコロナ対応についてでございます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、総合リハビリテーションセンターも、令和2年8月に3つの病棟のうちの1つの病棟を10床のコロナ専用病棟に転換し対応を開始しました。
オミクロン株による感染が拡大している現在は、専用病床24床体制に移行しセンターが一丸となって対応しております。
これまでに323人の陽性患者を受け入れており、受入患者の約7割が他の医療機関では受入れが困難な、障害者や認知症患者などの常時介助が必要な方、意思疎通が困難な外国籍の方などという状況です。
コロナ専用病棟以外の病棟においても、重症患者の回復後の受入先となり後方支援病院として機能しております。
さらに、センターの感染管理認定看護師が中心となり、障害者施設におけるクラスター発生時の初期対応などの指導を実施しております。
今後も、県立病院として新型コロナウイルス感染症への対応にしっかりと取り組み、県民の安心安全を提供してまいります。
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