トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和4年2月定例会 > 令和4年2月定例会 代表質問・一般質問 質疑質問・答弁全文 > 3月1日(火曜日) > 塩野正行(公明) > 令和4年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(塩野正行議員)
ここから本文です。
ページ番号:213586
掲載日:2022年3月30日
Q 塩野正行 議員(公明)
私たち公明党県議団の下に、介護事業所を運営する方から居宅ケアマネの不足感がある。近い将来、深刻な人材不足に陥るおそれがあるとの話がありました。
居宅ケアマネとは、在宅で介護サービスを受ける利用者のため、居宅介護支援事業所で働く介護支援専門員、ケアマネジャーさんのことであります。自宅で暮らす利用者に対し、ケアプランを作成し、介護事業所や医療機関、市町村職員などと連携し、利用者一人ひとりに最適な介護サービスが提供されるようマネージメントしておられます。在宅介護における中心的な存在であり、重要な役割を担っております。不足すれば、在宅介護は成り立たなくなってしまいます。
本県は、令和2年2月、居宅介護支援事業所向けにアンケートを実施いたしました。介護支援専門員に不足感があるかとの問いに対し、「感じていない」が56.6%、662施設、「感じる」が43.4%、507施設でした。半数以上は「感じていない」との回答になっていますが、一方で介護支援専門員の現状の配置において地域の介護ニーズに対応できているかとの問いに対しては61.7%、721施設が「十分対応できていない」と答えています。
私たち公明党県議団は、大いに危機感を持っております。介護支援専門員試験の受験資格が厳格化された平成30年度以降、受験者数及び合格者数が激減しています。また、地域の介護ニーズに十分対応できていない理由として挙げられているのが複雑かつ困難な事例が増加をしている。1件当たりに必要となる手続が煩雑化しているとの回答が多かったように、現状でもかなりの負担が生じておりますが、今後更に負担が増える可能性が大いにあると考えるからであります。
介護支援専門員さんに話を伺いました。私たちには処遇改善加算がありません。加算される介護職と収入が逆転しました。あるいは、あまりにも作成書類が多く、工程研修も課されます。仕事をしながらの定期的な研修は時間的にも費用の面でも負担が大きいです、などの声が寄せられました。
こうした声にしっかりと向き合わなければならないと思います。現状でも大変に大きな負担を抱えながら利用者や家族に寄り添い、在宅での介護サービスの中核を担っている居宅介護支援事業所の介護支援専門員の負担軽減を図っていく必要があるというふうに考えております。
そこで伺いますが、居宅介護支援事業所における介護支援専門員の不足について県は危機感を持っているのか、現状と課題をどのように認識しているのか、お答えください。また、負担軽減についてどのように対応していくのかについてもお答え願います。
A 山崎達也 福祉部長
介護支援専門員は介護保険制度の中核を担い、高い専門性が求められることから、国は、平成30年度から介護支援専門員試験の受験資格を見直し、介護福祉士の国家資格の保有者などに限定しました。
その結果、本県の介護支援専門員の令和3年度の受験者数は2,346人と見直し前の平成29年度の5,782人から約半数に減少しています。
現時点では、需給の面で介護支援専門員が不足し、サービスの提供に支障が生じているという状況には至っておりませんが、さらなる高齢化の進展により、2040年には介護サービスを必要とする方が現在の約1.5倍に増加すると見込まれております。
こうしたことを踏まえると、将来的には介護支援専門員が不足する恐れがあるとの危機感を持っているところでございます。
介護支援専門員は、利用者の意向や生活状況などを確認してケアプランを作成し、サービス利用開始後も毎月家庭を訪問し、状況を確認します。
利用者の心身の状況によって、医療機関とのやり取り、老々介護や8050問題など複雑かつ困難なケースに対応することもあります。
また、適正な介護給付の根拠となるアセスメントの記録や関係機関との情報共有の記録などの作成も不可欠な業務となっています。
さらに介護支援専門員には、高い専門性はもとより幅広い知識や調整能力が求められることから、資格取得後においても数日間にわたる研修の受講が義務付けられています。
今後、必要な数の介護支援専門員を確保していくためには、このような介護支援専門員が抱える様々な負担をできるだけ軽減するとともに、その業務の重要性に見合った処遇改善を図っていくことが課題であると認識しています。
介護支援専門員の負担を軽減するためには、一人で負担を抱えないようにすることが何よりも大切です。
そこで、県では、介護支援専門員が業務で悩んだ時には電話やメールなどで気軽に相談できる専用の窓口を設置し、経験豊富な介護支援専門員が丁寧に指導や助言を行っています。
特に、複雑かつ困難なケースについては、地域の関係機関で構成されるケア会議を活用して情報の共有を図るとともに、医療の専門職や民生委員などと連携して対応することが必要なことから、多職種連携を進めるための研修会なども行っております。
書類の作成については、国において簡素化を検討しておりますが、ICTを活用し効率的に処理している事業所もありますので、会議などの場を通じて好事例を横展開してまいります。
また、介護支援専門員の資格更新に必要な研修については、受講費用を補助するとともに、今年度からオンラインで実施することで受講者の負担軽減を図っているところです。
さらに、介護支援専門員の仕事を魅力的なものとし、安定的に質の高い人員を確保していくためには、専門性や業務負担に見合った賃金としていく必要がございます。
これまで県は国に対して、介護支援専門員をはじめとした介護現場で働く職員の処遇改善を図るよう要望してまいりましたが、他の都道府県との連携も図りながら、様々な機会を通じて強く要望してまいります。
今後ともこうした施策を進めることにより、介護支援専門員の負担軽減と処遇改善を図り、将来にわたって介護支援専門員が不足することのないよう取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください