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掲載日:2022年3月30日

令和4年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(田並尚明議員)

新型コロナウイルス感染症対策について - 新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動の両立について

Q  田並尚明 議員(民主フォーラム)

2020年1月に、国内で初の感染者が出てから、新型コロナウイルスと向き合う生活も既に2年を超えました。2年前は、このウイルスに対する知見もワクチンや治療薬もなく、社会経済活動を止めてでも感染防止を徹底すべきという状況もありました。その後、現在の第6波に至るまで、ウイルスのたび重なる変異や感染拡大と、本当に目まぐるしくその時々の状況が変わり、その都度、国の基本的対処方針などに基づき、本県は様々な対策や各施策を講じてきました。
この第6波の対応については、国、本県においても、これまでの知見や経験を基に、医療提供体制など事前に十分に備えたはずでしたが、新たなオミクロン株は、従来株より重症化リスクは低いものの感染力が強いという特性があり、事前の想定をはるかに超えた新規感染者数が発生しています。感染者数の絶対数が増えることで保健所業務等もひっ迫し、高齢者への感染も増えることで、病床使用率の増加や死者の増加にもつながっています。感染状況はいまだ厳しい状況ではありますが、国も本県も、現在、感染拡大防止と社会経済活動の両立という方針の下、各施策を講じております。
本県においては、全国で唯一、ワクチン検査パッケージを導入しました。本日もお越しいただいておりますが、浦和社交飲食業組合の役員さんたちは、「国や県の支援があったおかげでここまでやってこれた。本当に感謝しています」とした上で、「今回も『せっかく大野知事が頑張ってくれたからお店をやる』と言ってパッケージに登録し、協力してくださっておりますが、パッケージの意味が伝わっていないようで、お客さんが感染を心配して来ないし、来てくれたとしても『ワクチン接種証明を見せてほしい』と言うと、怒って帰ってしまう人もいるんだよ」とおっしゃっていました。
知事は、現状において考えられる、より高い感染防止対策をする中で、安心して経済活動を行う手段として導入したものと捉えています。しかし、結果として、酒類を提供する要件が1都3県で最も厳しく、また、県民への周知不足から店頭でのトラブルもあるなど、知事の思いが伝わらず、パッケージに対する疑問の声も少なからずあるのも事実です。この感染拡大防止と社会経済活動の両立についての考え方は、マスコミの世論調査を見ても、感染対策を強化すべきか、緩和すべきか、世論が二分していますし、政府の分科会などでも、感染症の有識者と経済の有識者では意見が異なります。
そもそも、3回目のワクチン接種も諸外国と比べ大幅に遅れているということと、また、検査キットの不足から、いつでもどこでも検査ができる体制にないというのが今一番の課題で、ここを進めていくことが、まず、感染拡大防止と社会経済活動の両立の土台になる部分であり、対処が急がれます。
そこで、お伺いいたします。先ほども述べたとおり、第6波の主流となっているオミクロン株は、従来のウイルスよりも重症化率は低下しているものの、感染力は強く、感染者数は爆発的に増えており、保健所はひっ迫し、医療機関も厳しい状況です。その反面、オミクロン株の重症化率は低いことから、社会経済活動を回していくために、新型コロナウイルス対策を緩和すべきとの声もあります。
新型コロナ対策については、従来の対策の延長でいくのか、新たな段階に入っていくのか、そのはざまにあり、判断が非常に難しい局面に来ていると考えます。基本的対処方針など国の方針という枠組みの中での県の対応施策という一定の制約はありますが、埼玉県として県民や県内事業者などが実感できる形での感染拡大防止と社会経済活動の両立について、このバランスを現状ではどのように考えているのか。また、今後も新たな変異株の発生や感染拡大の懸念がある中で、戦略的にこの両立をどのように進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。
また、先ほど述べたとおり、ワクチン検査パッケージなど県が講じる施策などに対し、知事の考え、施策の真意が県民や関係者に十分伝わっていない状況があると感じます。施策を進めていく上では、県民や関係者らへの理解、共通認識を持つことが最低限必要と考えますが、その点について知事の御認識と今後の対応についてお伺いいたします。

A   大野元裕   知事

県民や県内事業者などが実感できる形での「感染拡大防止と社会経済活動の両立」についてのバランスを現状ではどう考えているのかについてであります。
新型コロナウイルスの特性については、この2年間で様々な知見が積み重なってまいりました。
感染防止対策と社会経済活動をゼロサムの関係に置くのではなく、両立させていくことが重要で、例えば、現在感染が拡大しているオミクロン株については、その特性を踏まえ、ウイルスに感染した方の重症化や命にかかわるケースを最小限にとどめることを戦略目標として感染拡大防止に取り組むとともに、いかにして経済活動を担保していくかが重要であると考えました。
一方、長期に及ぶ感染防止対策をいつまで継続するか終わりが見えない中、大変に事業者や県民の皆様にはご協力をいただいているものの、自粛要請に対する疲労感は高まり、体力が低下する事業者も出てきております。
また、飲食店からは、専ら飲食事業者を対象にした自粛要請に対し疑問の声も上がっております。
多くの県民、事業者の協力が不可欠な中、重症化や命にかかわる事例をできる限り最小限にとどめるための感染防止対策と、社会活動の正常化、活発化に向けた取組との両立を図るためには、事業者の協力をいただけるような、メリハリのある要請が必要たと思います。
そこで、ウィズコロナの社会、経済を構築するため、産官学金労で構成する「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」を日本で初めて構成をさせていただき、感染防止対策と社会経済活動の両立を目指し、皆様のご意見をいただき、社会実装すべき取組を取りまとめ、実践してまいりました。
この取組の一つとして導入したのが、国と共同で国内最大規模の技術実証を行ったワクチン・検査パッケージ制度です。
前提として、本県では他県に先駆けて導入した彩の国「新しい生活様式」安心宣言飲食店+(プラス)の認証制度により、飲食店の感染防止対策が徹底されることとなりました。
また、感染力の強いオミクロン株では、いわゆるブレークスルー感染が生じるなどワクチン接種による発生予防効果は低減はしたものの、2回接種であっても、季節性のインフルエンザワクチンと同程度かそれ以上の高い効果が認められており、重症化防止効果には依然として高い期待が寄せられています。
このような組み合わせによる、ワクチン・検査パッケージは、店舗の感染防止対策とワクチン効果の相乗効果で、感染防止対策を講じる飲食店が安全に営業を継続していることをしっかりと訴えることができるとともに、お客様やそこで働く方にも、安心して御利用をいただける制度でございます。
午後8時までの営業時間短縮と酒類提供自粛という厳しい措置が埼玉県では原則です。しかしながらその一方で、高いレベルの感染防止対策に取り組む事業者の経済活動の制限を緩和することによって、事業者の意欲の継続と感染防止対策の維持を目指したところであります。
また、オミクロン株の特性として、新規陽性者数がこれまで経験したことのないスピードで急増し、濃厚接触者を含む欠勤など新たな課題も明らかになりました。
県としては戦略会議において事業継続に取り組んでまいりましたが、このような傾向が顕著であったため、国に対し、感染者の療養解除期間、濃厚接触者の待機期間の見直しや、検査キットの十分な供給量の確保などを要望し、社会経済活動が停滞しないよう取り組んでまいりました。
次に、今後、戦略的にこの両立をどのように進めていくのかでございます。
新型コロナウイルスについては、科学的知見が蓄積されてきてはいるものの、まだまだ分からないことも多いのが現実であります。
ウイルスが変異を繰り返し、現在のオミクロン株よりも更に感染力が強まったり、強毒化した新たな変異株が発生する可能性も否定できませんが、引き続き、ウイルスに感染した方の重症化や命にかかわるケースを最小限にとどめることを戦略目標として、感染拡大防止に取り組んでまいります。
本県の「埼玉県新型感染症専門家会議」では、県内外の医療の専門家にのみならず、昨年の5月から4名の経済委員に参画をしていただいております。
既存の戦略会議に加え、経済団体や労働者の観点からの御意見も専門家会議に反映することで時宜を逃さない「感染拡大防止と社会経済活動の両立」を目指してまいります。
次に、施策を進めていく上では、県民や関係者らへの理解、共通認識を持つことが最低限必要と考えるが、その点についての認識と今後の対応についてでございます。
議員御指摘のとおり、県の施策を進めていく上では、県民や事業者、関係者の皆様などの御理解と共通認識を持っていただくことが重要だと認識しています。
そのため、私は、県民に協力をお願いする際には、記者会見やSNSなどを使うだけではなく、できる限り現場に足を運び、一人でも多くの県民の皆様に御協力をいただけるよう、自らの言葉で直接県民に語り掛けるようにしております。
相手に思いを伝え、理解していただくことは容易ではありません。
あらゆる媒体を使い、工夫を凝らしながら、私の思い、県の施策についての県民の御理解や共感を得ることができるよう努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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