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掲載日:2020年3月31日
Q 田並尚明 議員(民主フォーラム)
今回、大野知事が就任されて初めての予算編成となりました。言うまでもなく、これから日本は本格的に少子高齢化社会を迎え、特に埼玉県は日本一のスピードで高齢化が進むといわれております。もちろん高齢化自体は悪いことではなく、日本一の高齢化であるならば、日本一高齢者が生き生きと暮らせる埼玉県にしていけば良いことだと思います。
話がそれましたが、現在の埼玉県の財政を健全化判断比率で見ますと、実質赤字比率、公営企業も含む連結実質赤字比率とも黒字、また実質公債費比率は全国21位、将来負担比率は全国23位となっており、飛び抜けて良いというわけではありませんが、様々な事業を行ってきたことを考えれば、健全な財政運営がされてきたのではないでしょうか。
しかし、これからの時代を考えると少子高齢化により個人消費は減り、経済停滞が予想される一方、介護費や医療費といった社会保障に関する自治体の負担は増大していくことが予想されます。反面、道路や橋、又は建物の補修をはじめ、社会保障費や県民生活の安心・安全を守るために必要な事業費は削ることはできません。
実際に平成4年度以降の一般会計款別歳出決算を見てみますと、土木費は最大である平成8年度の4,026億円と比べますと、ここ数年微増はしているとはいえ、平成30年度では1,155億円と3分の1以下に、逆に民生費は最小の平成4年度の830億円から平成30年度は3,269億円と約4倍に、公債費はやはり最小の平成4年度の910億円から平成30年度は2,737億円と約3倍になっております。
今後厳しくなるであろう財政状況の中、限りある予算をどのように、何を優先して振り分けていくのかが重要となってきます。そして、気を付けていかなければならないのは、我々が体験してきた昭和の成功事例がこれからも通用するのかということです。もちろん大切なことは守っていかなければなりません。ただ、その守り方は、これからの時代に沿ったものでなければならないと思います。
そこで、質問いたします。令和2年度予算案は、災害対応のための経費や社会保障関係経費の伸びが反映されたことにより、過去最大となる1兆9,603億1,500万円、前年度比3.8%増となっております。現在の課題を解決しながらも将来を見据えた財政運営を期待するところですが、今回の予算編成においてどのような点を重視されたのか、知事のお考えをお聞かせください。
A 大野元裕 知事
私は初めて編成した令和2年度当初予算案に「安心・元気のスタートアップ予算」と名付けました。
キーワードは、安心と元気です。
私が知事に就任して間もなく、本県は令和元年東日本台風によって大きな被害を受けました。
私自身も現地において被害を目の当たりにしたところで、県民の皆様の安心・安全の確保が最重要であると改めて強く感じたところであります。
そこでまず、安心の観点から、特に甚大な被害を受けた入間川流域などにおいて、河川インフラの強靭化など治水対策に取り組みます。
また、災害ごとの被害や事態を想定したシナリオを作成し、図上訓練を繰り返すことで関係機関と協力体制を構築する「埼玉版FEMA」など危機管理の体制を強化してまいります。
あわせて、県民の皆様が安心して健やかに暮らせるよう、地域の医療体制の整備や福祉サービスの更なる充実を図ってまいります。
一方、今年開催される東京2020オリンピック・パラリンピックは本県が未来に向けて大きな一歩を踏み出していく絶好の機会です。
そこで、元気の観点から、大会期間中に開催するイベントなどにより、埼玉の魅力を世界にしっかりと発信してまいります。
昨年、日本中を熱狂させたラグビーワールドカップ2019において、熊谷での心のこもったおもてなしが「熊谷の神対応」と評価されたのは記憶に新しいところであります。
この成果を受け継ぎ、「ワンチーム埼玉」でのおもてなしにより、県民の皆様とともにオリンピック・パラリンピックを成功に導いてまいります。
また、新一万円札の肖像に決定し、来年の大河ドラマの主人公にもなった渋沢栄一翁や本県ゆかりの偉人にちなんだ観光振興など、地域活性化にも取り組んで、荻野吟子、塙保己一ともども県北の三偉人として発信してまいります。
さらに、産業分野では、農林業のスマート化やビジネスマッチングなど伴走型の企業支援、海外市場の開拓など稼げる力を更に強化し、本県経済の活性化を促進いたします。
さて、議員御指摘のとおり、本県は介護保険や後期高齢者医療費をはじめとした社会保障関連経費が増大するなど、厳しい財政状況にあります。
予算編成に当たっては、全ての歳出を総点検し、スクラップアンドビルドを徹底することにより、財源を成長分野や新たな行政課題への対応に重点化して配分しました。
こうした状況にあっては、限りある財源を効果的に生かすため、職員が知恵や創造力を働かせ、投資した以上の効果を生み出す、言わば「プリズム効果」を発揮することが重要です。
例えば、これまで各所属で対応していた定型業務などを集約化して処理する「スマートステーションflat」は、業務を効率化するとともに、職員が創造的な業務に専念する時間を創出し、障害のある方の活躍の場も生み出すもので、正にプリズム効果の代表例であります。
さらに、不断の行財政改革の一環として、部局連携によるICTの活用や知事室から率先して取り組んでいる全庁的なペーパーレス化などを着実に進めてまいります。
また、部局の垣根に捉われず全庁が一体となる部局連携や、市町村や民間企業なども巻き込んだ「ワンチーム埼玉」で施策を推進するという点にも意を用いました。
「誰一人取り残さない、持続可能な発展・成長」を目指し、部局横断による庁内推進体制を構築するとともに、県内の企業・団体と連携しながら「埼玉版SDGs」に取り組んでまいります。
こうした取組により、私が目指す「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現に向け、力強く最初の一歩を踏み出してまいります。
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