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掲載日:2023年7月4日
Q 宮崎栄治郎議員(自民)
現在、産業や文化などあらゆる分野において、目まぐるしいスピードでグローバル化が進んでおります。こうした状況の中で、国際的視野をしっかりと持って国の内外で活躍できる人材を育成することは、今後の我が国の発展を図る上で正に必要不可欠です。自らの見識や可能性を広げるよう積極的に世界へ飛び立つ、そのような若者を一人でも多く育てる取組が強く求められております。
我が県においては、平成28年度に10億円を拠出して埼玉県グローバル人材育成基金を設置し、この基金を活用した「埼玉発世界行き」奨学金により、全国の自治体の中でトップクラスともいえる約1,600人もの若者の留学を支援してきたとお聞きしました。昨年で基金の最終年度を迎えましたが、これまでに基金事業を実施してきた6年間の具体的な成果について、県民生活部長の御所見をお伺いします。
また、今年度から公益行財団法人埼玉県国際交流協会に埼玉グローバル人材活躍基金を設置し、新たな奨学基金により若者の留学を支援していきます。この基金の設置に当たっては、県も補助金として3億円を拠出しておりますが、従来の基金よりも小規模であるため、海外へ送り出す奨学生の数は当然大きく減少するものと危惧しております。奨学生が減らないように、寄附者の名前を冠した奨学基金を設置し、募集要項も原則任意に設定できるようにしています。寄附の受付額が50万円からとなっていますが、これまで集まった企業等が合わせてわずか3件と聞いています。新たに取り組んだ制度ですが、成果が上がっているとは思えません。
例えば、寄附額をもっと少額にして寄附しやすくして、広く薄く県内の企業、個人に呼び掛けるなどの工夫はできないものなのか。冠奨学金について、これまでの募集の取組と今後の改善策について、県民生活部長にお伺いします。
さらに、グローバル人材の育成は、そもそも本来県が主体性を持って取り組むべき重要な課題ではないでしょうか。単に奨学金の支給にとどまることなく、様々な観点から効果的に取り組んでいくことが必要と考えます。そこで、今後グローバル人材の育成に県がどのように取り組んでいくのか、併せて県民生活部長の御所見をお伺いします。
A 稲葉尚子 県民生活部長
まず、「この6年間の具体的な成果について」でございます。
県では、グローバル人材育成基金を活用し、6年間で約1,600人の留学生を53か国に送り出しました。
この中にはカルソニックカンセイなど県内のグローバル企業をはじめ、世界銀行やハーバード大学付属病院などへ就職した方もいらっしゃいます。
国では、この6年間に新たに官民協働で留学を支援する「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」を創設したほか、文部科学省の海外留学支援制度の予算が約11倍になりました。
本県の取組が刺激となり、グローバル人材を育成する全国的な流れを起こせたことも大きな成果だと考えております。
次に、「冠奨学金のこれまでの募集への取組と今後の改善策について」でございます。
議員お話のとおり、多くの留学生を支援するためには、いかに企業や県民から幅広く寄附を募るかが重要となります。
そこで、より多くの寄附が集まるよう、寄附者の意向が反映できる冠奨学金の制度を新設いたしました。
基金を設置して3か月ほどですが、個別の企業訪問や経済団体を通じた働きかけのほか、金融機関を通じて個人の方にも寄附をお願いしてまいりました。
その結果、現在、年額50万円から135万円の奨学金を12人の留学生に支給できることとなりました。
今後、福祉や医療をはじめ様々な団体にも広く冠奨学金を周知し、新たに寄附をいただける方をさらに増やしてまいります。
また、冠奨学金の要件を満たさない少額の寄附につきましても、ホームページに寄附者の名前を掲載したり、感謝状をお渡しするなど、少しでも寄附いただけるような工夫を図ってまいります。
次に、「今後のグローバル人材の育成に県がどのように取り組んでいくのかについて」でございます。
グローバル人材の育成は、県の重要な課題であると認識しております。
そこで、県内で疑似留学を体験できる「グローバルキャンプ埼玉」や、各国大使館による高校生への講義を実施することにより、将来のグローバル人材の裾野を広げております。
また、奨学金の支給にとどまることなく、留学を終えた若者を対象に、県内のグローバル企業でのインターンシップや、就職面接会を行うなど留学の経験を生かし実社会で活躍するための支援も行ってまいります。
県といたしましては、留学支援や国際理解教育など総合的に行うことで、国の内外で活躍できるグローバル人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。
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