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掲載日:2023年7月4日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(宇田川幸夫議員)

プログラミング教育の推進について

Q   宇田川幸夫 議員(自民

小学校は平成32年度、中学校では33年度から新学習指導要領に基づいた教育課程が全面実施されます。この学習指導要領改訂の背景には、1、我が国を取り巻く状況として、我が国の経済力について世界に占める割合が低下していくこと。2、第四次産業革命とも言われる進化した人工知能が様々な判断を行ったり、身近なものの働きがインターネットを経由して最適化されたりする時代の到来が、社会や生活を大きく変えていくこと。3、生産年齢人口が今後50年で半減すること、そして今の子供たちの約65パーセントは、大学卒業後には現在存在しない職業に就くこと、今後10年から20年程度で約半分の仕事が自動化されると予想されることなどが挙げられます。
このような背景を踏まえ、学習指導要領では、何を学ぶか、どのように学ぶか、何ができるようになるか、そして主体的・対話的で深い学びを通して、自ら学び、考える力の育成を今まで以上に深化させることを重視しています。
このような中で、私の目に入ってきましたのは、小学校学習指導要領に示されているプログラミング教育であります。学習指導要領では、総則、算数、理科などでその扱いが示されております。平成28年12月21日の中央教育審議会答申では、各小学校においては各学校における子供の姿や学校教育目標、環境整備や指導体制の実情などに応じて、プログラミング教育を行う単元を位置付けていく学年や評価などを決め、実施していくことを求めております。今後、インターネットで瞬時に世界の情報が手に入る時代が更に加速し、今までの考え方では対応し切れない状況がすぐそこに迫っております。また、将来的には、更に多くのプログラマーやシステムエンジニアといった情報通信技術者の更なる需要拡大が見込まれます。
そのような時代の中で、埼玉の子供たちが受動的に情報を得るだけではなく、その情報を活用し、自らの発想を生かし、活用しやすいプログラミングを作り上げていくなど、能動的に生きていく力を身に付けていくことが肝要であり、将来、コンピュータにしっかり指示できる技術を身につけ、プログラミングのスキルを身に付ける、そうした人材を増やす必要があると思われます。現状では、そのような専門的な技術を身に付け、プログラミングまでできる人の絶対数は不足しています。専門的な技術を身に付けるためには、一定期間の専門教育を体系的に進めていかなければなりません。そのための人材を育成するための教育、つまりプログラミング教育は避けては通れない道だと考えます。
IT立国インドでは、幼稚園で99、就学年齢から3桁の掛け算を教え、数学やプログラミングの基本を公教育で徹底して指導することで、世界のトップクラスの人材を次々と輩出しております。このような国と肩を並べるためにも、プログラミング教育の推進は急務であると捉えております。そのような中、平成29年三月に新学習指導要領が公示され、プログラミング教育の必要性が示されました。具体的には、児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考を身に付けるための学習活動を実施することが明記されています。
しかしながら、国が示した授業実施事例を見ると、例えば小学校の理科の時間については、電気製品にはプログラムが活用され、条件に応じて動作していることに気付く学びを実践するなどを示しています。これを見ると、国のプログラミング教育はようやく端緒についたばかりです。国が言う論理的思考力の形成の観点も理解できますが、将来の就職先が減少していく傾向にある中、しっかりと子供たちが将来、飯を食べていくことができ、世界で日本を支える子供たちを育てるためにも、もっと踏み込んでプログラミングを教える必要があります。プログラミングを学んだ子供たちを全国的なプログラミングコンテストに参加させ、切磋琢磨させることもできます。また、プログラミング教育を積極的に推進するような学校は、全国的にも注目され、地域の魅力が高まることも期待できます。
そこで、まずは県内の複数の市町村で大学や研究所などと連携して、突出したプログラミング教育を行うモデル校を指定するなど、実務レベルの教育を推進してはいかがでしょうか。教育長の御所見を伺います。

A 小松弥生 教育長

県としても、次代を担う子供たちが、これからの社会で活躍できるよう、新学習指導要領に基づき、プログラミング体験などを通して論理的思考力の育成を行うことが重要だと考えております。
さらに、議員お話しのとおり、論理的思考力の育成のみならず、実際にプログラミングを行うことができる人材の育成も必要でございます。
県内でも深谷市や宮代町では、夏休みに地元の工業系大学と連携してプログラミング講座を小学生対象に開催するなどの取組が行われております。
県としては、こうした事例を踏まえ、工業系・情報系の大学や高校などと連携したモデル校を小中学校に委嘱するなど、強い興味関心を示す子供達にも対応できるよう、プログラミング教育について幅広く検討してまいります。
昨年4月には、埼玉県の中学生がプログラミングを駆使してロボットに作業させたり競技させたりする世界大会に出場いたしました。
このような大会で活躍し、将来の日本を支えられる人材を多く輩出できるよう、プログラミング教育の推進に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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