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掲載日:2024年12月11日

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テーブルタップの発熱等に関するテスト

1 目的

テーブルタップはコンセントと使用する電気機器が離れている時などに重宝する一方で、県内の消費生活相談窓口には異常な発熱についての相談が複数寄せられています。そこで、テーブルタップによる事故防止を目的として、電気用品安全法に定める表示及び技術上の基準への適合状況と、製品によって発熱の程度に違いがあるのかなどについてテストしました。

※本テストでは広く使われている名称として「延長コード」、「電源プラグ」、「差込プラグ」等をまとめて「テーブルタップ」と称します。

《詳しいテストの結果はこちらをご覧ください》→テスト結果詳細(PDF:1,492KB)

2 対象品

県内の家電量販店、ホームセンターとオンラインショッピングで購入したテーブルタップ15銘柄を対象にテストを行いました。

差込口数は2口~12口、生産国は日本製2銘柄、中国製11銘柄、ベトナム製1銘柄、不明1銘柄でした。購入価格は380円~3,480円でした。(写真1)

テストに用いた様々な外観のテーブルタップの写真
写真1 テスト品外観

3 テスト内容及び結果

(1)表示事項の目視調査

電気用品安全法に定める表示について確認しました。(写真2)
延長コードセットを表す「コ」の表示について1製品表示漏れがありました。この製品は現在は製造を終了しておりH25年1月の表示義務化より前に製造したと考えられ、その場合は販売することができます。その他の製品はすべての表示項目について適合していることを確認しました。

電気用品安全法に定められている表示項目(7項目)
 (1) 定格電圧及び定格電流
 (2) 最大電力又は定格電流
 (3) 束ねて使用することを禁止する旨
 (4) 延長コードセットの「コ」の文字
 (5) PSEマーク(ひし形)
 (6) 「適合性検査」を行なった国の指定機関の氏名又は名称
 (7) 届出事業者の氏名又は名称


写真2 電気用品安全法に定める表示例

(2)差込プラグの引抜試験 

差し込んだプラグの抜けにくさを確かめるテストとして電気用品安全法に定める差込プラグの保持力について試験を行いました。(写真3)
その結果、すべての製品において適切な保持力を満たしていることを確認しました。

引抜試験装置で差込プラグの保持力を測定している写真
写真3 引抜試験器具

(3)各種寸法測定 

電気用品安全法に定められている差込プラグの寸法について、4か所を選定し測定を行いました。(写真4)
その結果、1製品の栓刃の幅(写真4のDの部分)が規定より0.08mm大きい寸法でした。この結果については、電気用品安全法を所管する関東経済産業局へ情報共有を行いました。 その他の製品は電気用品安全法に適した寸法であることを確認しました。

差込プラグの測定箇所を記載した写真。栓刃の測定箇所としてAからDの4か所を表示しています。
写真4 寸法測定箇所

(4)消費電力と表面温度の関係の調査 

消費電力を変化させ、製品表面の発熱量の違いを確認しました。表面温度は部位で違いがあるため、差込プラグ、コード、マルチタップ2か所の計4か所の測定を行いました。
1製品では90℃を上回る製品があり、消費電力を1850W(※)にした時にほとんどの製品で最も温度の高い部位は50℃以上に上昇しました。
差込プラグにおいて最も高温/低温だった製品、15製品の平均のグラフ を図1に示します。
マルチタップ部分と比較すると差込プラグとコードの部分の温度上昇が大きい傾向があることが分かりました。
※1850Wは定格以上の消費電力です。本テストは安全に配慮し特別な機器を用いましたが、テーブルタップに表示されている定格電力(1500W以下)を守りましょう。


図1 消費電力と表面温度の関係(差込プラグ部分)

(5)軟X線TV検査装置による内部構造の調査 

(4)で温度上昇の大きかった製品と少なかった製品について、軟X線TV検査装置という内部を透過し見ることができる機械を用い内部構造を比較・確認しました。著しくマルチタップのケースが大きかったり、マルチタップ内部の電路が狭かったりした製品があり、それらの製品については温度上昇と関係性があると推測できました。しかし、それ以外のマルチタップやコード、差込プラグ等は内部構造上大きな違いはなく、構造以外に要因があると推測しました。

4 消費者へのアドバイス

(1)用途によって適切なテーブルタップを選びましょう。

  • 現在、様々なタイプのテーブルタップなどの配線器具が多く販売されています。より安全に使用するために、用途によって安全機能、差込口数、大きさ、ケーブル長などの観点で購入するテーブルタップを選択しましょう。安全機能とは難燃性の素材を使用、雷サージ軽減機能(雷による電気的衝撃から接続している電子機器等を故障から守る機能)、差込口にホコリ侵入を防止するシャッター、ブレーカーなどのことで、それらは商品のパッケージに記載されています。

(2)合計消費電力が定格電力を超えないようにしましょう。

  • 接続した電気機器の合計消費電力はテーブルタップに表示された定格(一般的には15アンペア、1,500ワット)を超えないようにしましょう。今回のテストでは1,850Wの使用で50℃~90℃になるテーブルタップがあり、やけど等の危険があります。
  • 壁コンセントの定格電力も1,500ワットであることが多いです。テーブルタップだけでなく、壁コンセントの消費電力にも注意が必要です。
  • 接続する電気機器個々の消費電力をあらかじめ把握しておくことが大切です。これにより複数の電気機器をテーブルタップに繋いだ場合のおおむねの合計消費電力が分かります。例えば電気機器の差込プラグに最大消費電力を記載したラベルを張り付けたり、分かりやすく色で分けたラベルを張り付けたり(赤色同士は同時に使用ができ、赤色と青色は同時に使用できないなどのルール決め。)工夫をすることができます。(図2)


図2 電気機器の定格電力を超えない工夫の例

  • ヒーター(熱器具)やエアコンなど消費電力の大きな電気機器はテーブルタップの使用を禁止しているものもあります。接続する電気機器の取扱い説明書で確認し、直接壁コンセントから電源をとりましょう。説明書等に記載がなく使用する場合も発熱量が大きくなるので、恒常的に繋いで使用することはやめましょう。

(3)発火を引き起こす使用方法を避けましょう。

  • コードは束ねたまま使用しないようにしましょう。コードを束ねたまま使用するとコードが熱を持ち温度が高くなります。
  • 重いものを載せたり、ドアなどに挟み込んだり、負荷をかけないようにしましょう。コード内部の芯線が断線し、発火の原因になることがあります。また、同様の理由で釘や針金などで固定をしないようにしましょう。
  • 差込プラグを引き抜く時はコードを引っ張らず、差込プラグを持ちまっすぐ抜きましょう。また、繰り返し曲げたりねじったり、ペットがかじったりしないよう外的要因を避けるようにしましょう。
  • 水や洗剤、殺虫剤等の液体がかからないようにしましょう。特に台所や洗面所、水槽の周辺などの場所ではできるだけ使用せず、万が一液体がかかってしまった場合は使用を中止してください。(ホコリや液体、異物の侵入がし難い、差込口にシャッターが付いた製品が販売されています。)

(4)定期的な点検と更新を計画しましょう。

  • テスト用に購入した製品パッケージに「テーブルタップは消耗品であり、5年を目安に更新が必要」の旨の記載がありました。使用開始時期の把握(マルチタップに直接使用開始日を記載するなど)と定期的な買い替えを計画しましょう。
  • テーブルタップは1年毎を目安に定期的な清掃と点検を行い、異常がみられた場合は使用をやめましょう。
  • 使用中にコードが部分的に熱くなっていないか
  • コードや差込プラグに変形や変色、焦げがみられないか
  • 差込プラグの抜き差しがゆるくなっていないか
  • マルチタップやコードにひび割れやキズ、元に戻らないねじれがないか
  • 差込プラグの栓刃が曲がっていないか
  • 差込プラグや差込口にホコリがたまっていないか

お問い合わせ

県民生活部 消費生活支援センター 商品安全担当

郵便番号333-0844 埼玉県川口市上青木三丁目12番18号 SKIPシティA1街区2階

ファックス:048-261-0962

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