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掲載日:2024年12月11日
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コードレスフードプロセッサー(以下、「フードプロセッサー」と呼ぶ。)はコンセントに接続し使用する固定式のものと比べ、持ち運びが簡単で、使用中コードが邪魔にならないため場所を選ばず使用でき便利な点から近年注目されています。
一方で県内の消費生活相談において、フードプロセッサーの誤使用等により手指にケガを負ってしまったという相談が寄せられています。
そこで、フードプロセッサー購入時や使用時の注意点の周知を目的として、製品の安全性についてテストしました。
※フードプロセッサーはフードチョッパーと呼ばれることもあり、本報告書ではひとまとめにフードプロセッサーとしてテストを行いました。また、フードプロセッサーと似た製品に「ミキサー」や「ブレンダー」がありますが、これらは用途や形状が異なるためテストは行いませんでした。
《詳しいテストの結果はこちらをご覧ください》→テスト結果詳細(PDF:446KB)
テストに供したフードプロセッサー(以下、「テスト品」と呼ぶ。)は3銘柄で、いずれもオンラインショッピングで販売されていたものです。販売価格は2000円台から7000円台で、容量は150~300ml程度でした。
テスト品の構造は、(1)本体、(2)軸、(3)容器、(4)内蓋の4つのパーツから構成され、モーターを内蔵した(1)本体の運転ボタンを入れると、本体及び容器と接続した(2)軸の周りにある刃が高速回転し、(4)内蓋により本体と仕切られた(3)容器に入った食品をカットする仕組みとなっていました。(図1)
図1 テスト品構造例
すべてのテスト品の取扱説明書において、分解や水にぬれた手での扱い、USBケーブルの扱いなど禁止すべき作業についての説明がありました。また、使用上特に注意すべき点については取扱説明書だけでなく直接テスト品本体や容器にも記載がありました。
連続運転による製品の過熱等を防止するための「連続運転防止機能」についてテストしました。
テストの結果、連続運転防止機能は取扱説明書に記載されたとおり働くことが分かりましたが、機能により停止した後すぐに再運転することで冷却時間を無視した運転を行うことが可能でした。
これらの結果から、運転時間の管理や冷却時間の確保は使用者で実施する必要があることが分かりました。使用者が連続運転を適切に管理せずに使用した場合、モーターに負担がかかり耐久性に影響を及ぼすものと考えられます。
テスト品の誤動作防止機能には大きく分けて2種類ありました。それぞれの機能のイメージを図2に示します。
図2 誤動作防止機能イメージ
それぞれの機能について、取扱説明書に記載のとおり機能するか、あらゆる想定での組立てをおこなった際に使用者を保護できる機能かの確認を行いました。
テスト結果より、取扱説明書のとおりの機能があることが分かりました。また、誤った組立方法によって安全機能が働かない場合があり、回転した刃に接触する可能性があることが分かりました。
テスト品の本体には様々な状態を表すためのLEDが付いており、様々な製品の状態を表しています。そこで、LEDの位置や、方法(色など)、状態表示の種類について確認及びテストをしました。
テストの結果、一部のテスト品のLEDは本体上部の運転ボタンの付近に位置し、ボタンを押している間、手で覆ってしまい視認しにくい可能性がありました。すべてのテスト品でLEDの表示方法については、LEDの色や、点灯・点滅により視認がしやすくなっていることを確認しました。使用者の安全のためのロックに関する表示や製品の保護のための表示についてはテスト品ごとに表示の有無にばらつきがあることが分かりました。
フードプロセッサー運転中の滑りによる転倒などは機械の故障や事故につながる恐れがあり、大変危険です。そこで、滑り止め加工の有無の確認と床面を傾斜させた時の挙動についてテストを行いました。
テストの結果、すべてのテスト品において底面に滑り止めを目的とした加工が施されていました。また、木材の床面の傾斜15度による転倒試験を行いましたが、転倒するテスト品はありませんでした。すべてのテスト品において、安定性があることを確認しました。
騒音計を用い、テスト品の作動音の騒音テストを行いました。
テストの結果、すべてのテスト品の騒音レベルは60dB程度で、JIS規格で定められた基準値である75dBを下回ることが分かりました。なお、60dBは目安として銀行の窓口周辺や博物館の館内の騒音レベルとなります。
テスト結果、安全機能や製品保護機能があり、正しく使うことで、使用者にとっても製品にとっても安全に使用できる製品であることを確認しました。
しかし、使用方法をよく理解しないまま製品を取り扱うことで事故につながる可能性があることが分かりました。
テストを通して感じた点を、(1)購入時、(2)使用前、(3)使用中に分けて紹介します。
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