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掲載日:2023年4月27日
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西部地域振興センターでは、管内のNPO法人の事業所などを訪問して取材を行っています。
ここではNPO法人の活動などを掲載し紹介します。
エクアドルの子どものための友人の会(通称:SANE・サネ)は、飯能に住んでいたエクアドル人のホセ・アルメイダさんが母国の教育支援活動を行なったことをきっかけに、1989年から任意団体として活動を始め、2007年にNPO法人になりました。
アジアで唯一のエクアドル政府公認の国際NGOとして活動しており、現地NGOのSOJAE(ソハエ)と協力し、エクアドルの若者への奨学金事業と、学校施設建設・改修や農業教育などの教育環境改善事業を実施しています。活動の詳細は、法人のホームページをご覧ください。
2019年2月には、世界を意識した将来性のある活動等を行う個人や団体に贈られる、埼玉グローバル賞「未来への投資」分野において埼玉県から表彰されました。
4年ぶりに訪問し、代表理事の杉田優子さんに最近の活動状況や今後の展望などについてお話を伺いました。
サネは、エクアドルの現地組織ソハエと協力しあって、学校や、児童・生徒に対し、教育そのものを提供するのではなく、子どもが学校に行けるようにするなど、教育環境を整備するための支援に力を入れています。その一環として、現在、経済的に恵まれない学業成績優秀な中学生・高校生36人に対して月30ドルの奨学金を提供しています。
奨学生たちは支援するサネの会員と毎月文通を行っており、奨学生に選ばれることを誇りに感じるとともに、「地球の裏側の人たちが自分を支援してくれている」と感謝しています。一人に対して長い場合は6年間という時間をかけ、これまで33年間で300人余りの支援をしました。その多くが医師や教師をはじめとした専門家になって社会で活躍し、何人かはソハエのスタッフやボランティアになって活動を支えています。
公益財団法人埼玉県国際交流協会の「彩の国さいたま国際協力基金」の助成金を活用し、ピチンチャ県カヤンベ市にある小学校に対し、学校菜園の持続化のための活動を行いました。菜園で収穫した野菜等は学校給食の食材として使われています。
子ども達の栄養不足は国の大きな問題であり、給食実施はこれを解決する鍵となっています。サネは現地栄養士と共に教師や保護者の意識を変えるために講習会を実施し、実際により良い献立を考え、同じサイズの食器を揃えて調理実習を行いました。多くの保護者が積極的に参加し、給食の大切さについて理解が深まりました。
4年前に「多くのNPO法人が、後継者がおらず活動の継続が難しいという状況にあり、サネも不安を感じていた。しかし、日本で唯一のエクアドルに窓を開く法人の存在意義が再確認できたため、活動を次世代に引き継いでいけるよう努力していきたい」との思いを抱いていました。
次世代に引き継ぐため、JICAに提案して委託事業の実施に挑戦し、国内基盤の強化のための助成金を得てNGO等を対象とする研修を行ったり、事務局長を若手に交代したりといった人材育成・組織体制の整備を行いました。
2020年3月コロナ感染症によって現地の活動や国内の活動、海外出張ができなくなり、大変な時期が続きましたが、現地も国内も多くの方々のご協力と粘り強い努力でJ I C Aの事業も基盤強化の事業も新しいスタッフも参加して成果を上げて終えることができました。2023年2月には、若手スタッフが事業視察及び現地の協力団体「教育のための日本とエクアドル連帯ソハエ(SOJAE)」との打ち合わせのため、現地を訪れました。こうした活動を、若いスタッフに委ねることで、次世代を担う人材を育てる取り組みを行っています。
JICA「学校菜園と学校給食の実施を通した子ども達の学校生活改善プロジェクト」や彩の国さいたま国際協力基金事業が一区切りついたため、これまでの事業を継承・発展させていくための、新たなファンドからの採択を目指しています。
エクアドル大使館を始めとした多くの日本の関連組織や、現地の国際協力組織と繋がって事業を進めると共に、事務所のある埼玉県飯能市では地域の方々のご協力のもと、イベントへの出店やSNSの活用に力をいれ、サネの活動を多くの人々に知ってもらい活動の輪を広げていきたいと思います。
飯能銀座商店街にあるシェアスペース「Bookmark(ブックマーク)」には、法人代表のデスクやミニショップが入っています。
店内の一角には、エクアドルで作られた色鮮やかな衣服や、Salt(岩塩)、Aji(唐辛子)など個性豊かなチョコレートや森林栽培のコーヒーが並んでいました。チョコレートは、カカオ栽培から製造に至るまでエクアドルで行われたフェアトレード製品であり、人気No.1の商品だそうです。
もともと、ホセ・アルメイダさんと親交がありましたが、実際にエクアドルで熱心に活動している人たちに出会い、自分も活動に加わりました。
団体は活動を始めて30周年になりますが、節目節目で不思議なくらいよき縁に恵まれ、今日まで活動を続けることができました。
初期の奨学生を始めとした元奨学生たちが、現地NGOの中心メンバーとして、支える側に回ってくれていることです。
また、SANEを通して多くの日本人が実際にエクアドルを知り、この活動に参加することで、自らの人生をより豊かにしている様子を見て嬉しく思います。私もその一人です。
定期的なインターネットを使った会議や情報交換だけではなく、年に1回以上は必ずエクアドルに行って、現地の人と直接話をし、顔が見える関係を続けています。また、地道な活動を見返りを期待せずに私たちが継続していることを現地の人は知っています。
日本は、宗教のこだわりがなく、戦争をしない国だと認識されており、日本のNGOは利害関係なく自分たちのために働いていると思ってもらえ、心を開いてくれているように感じます。
JICA(国際協力機構)の委託を受け、2019年3月から「学校菜園と学校給食を通して子どもたちの学校生活を改善する事業」を始めます。
エクアドルでは、政府から給食の代わりにシリアルバーと栄養剤入りのポタージュの粉が配られますが、子どもたちには足りません。お金のある子は購買で食べ物を買えますが、栄養が偏ってしまい、一方、お金のない子は空腹に耐えるしかありません。
この事業では、学校菜園で育てた野菜や地元の野菜を使った手作りの食事を定期的に提供できるようにすることを目標にしています。
ゆくゆくは行政が主導して学校給食を始められるようにと考えています。
NPO法人によっては後継者がおらず活動を継続できないことがあると聞きました。私たちも、今の主要メンバーがいなくなってしまったらどうなるのか、と法人の将来を案じていました。
ですが、災害時の情報提供や国交100周年の活動など、様々な機会を通して、日本とエクアドルをつなぐ重要な役割を担う中で、法人の存在意義を再確認することができ、法人を次世代に引き継いでいきたいという思いが強くなりました。
皆さまには、今後とも我々の活動を支えていって欲しいと思います。
住所:飯能市大字中山493番地の10
電話番号:042-973-0781
アドレス:info@sanejapan.org
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