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掲載日:2025年3月25日
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この法人は、さまざまな障害により生活のしづらさを抱える人達の自立と社会参加を目指し、福祉に関する支援事業を行うと共に、地域に暮らす不特定多数の人達に支援事業を行い、誰もが住みやすい共生社会・真のノーマライゼーションの実現に寄与することを目的とする。(定款第3条より)
当法人は平成18年に東松山市に設立した法人で、現在は同市の福祉作業所「あんだんて」を中心に法人運営をしています。
主な活動内容は、就労継続支援B型事業や、こころの健康相談講座です。
「あんだんて」では就労継続支援B型事業として木工品作成や各所からの請負業務を中心に行っており、利用者の一般就労を目指しています。市内のNPO(東松山障害者就労支援センター)とも連携し、これまでに25名が一般企業などへ就職を果たしています。
令和7年1月21日、そんな当法人の中心活動拠点である福祉作業所「あんだんて」を見学しました。
「あんだんて」の中は主に、木工品の製作・梱包を行う作業スペースと製作した木工品の販売スペースの二つに分かれています。
取材日はまず、様々な種類の木材や工具がおかれた作業スペースを見学しました。
作業スペースは広々とした空間に加え、各所に照明が配置されており、作業を行う手元が暗くならないような設計がされています。このつくりは「あんだんて」を建てる際に、「利用者のかたがたが快適に作業に取り組めるように」との思いで、非常にこだわって設計をした点なのだそうです。
さらに、作業スペースは運営の面でも、作業に集中できるような環境づくりがされており、例えば、利用者のかたがたの負担軽減のために電子化された、勤怠管理システムなどがあります。実際に、この仕組みを導入したことにより、利用者のかたがたからは継続して利用しやすくなったという声が寄せられているそうです。
このような環境のもと、この日「あんだんて」を利用していた10人ほどのかたは非常に熱心に作業に取り組んでいました。
続いて、事業の中心的な製作物であるである木工用品とその販売スペースを見学しました。
おもちゃからテーブル、本棚まで、バリエーション豊かな木工用品は、利用者のかたがたからの自発的なアイデアによって生まれ、「こんなものを作ってみたい」という利用者のかたがたの気持ちをそのまま作品として作ってもらうことが多いそうです。
木工品はユニークなデザインだけではなく、安全性にも配慮してあり、丁寧にやすりがけを行い角ばった部分をなくしたり、子どもが口に入れても大事に至らないよう、安全な自然由来の塗料を使用したりするなど、細かな配慮が行き届いています。
実際に触らせていただくと、表面はどれもとても滑らかで、多くのかたが安心して使用できるだろうと感じました。
このような数々の特徴もあり、「あんだんて」で作成された木工品は、東松山農産物販売所(いなほてらす)を始めとした東松山市の各所で販売されており、東松山市のふるさと納税の返礼品にもなっています。
法人の代表者である松井さんにお話を伺いました。
ー法人設立の経緯を教えてください
私の家族が心の病を患い、その縁で、心の病により障がいをもったかたがたやそのご家族、病院関係者のかたがたが一同に会する場に出席する機会がありました。
そこで、病に苦しむかたたちから「働ける場所があるなら働きたい」「自分たちは自ら進んでこのような状態になったわけではない」という言葉を聞き、「それならば私が働く場を作ろう」と一念発起したことが、活動そのものを始めたきっかけです。
活動を始めた平成12年当初は、NPO法人ではなく任意団体としてのスタートでしたが、平成18年の障害者自立支援法の施行に伴い、NPO法人に移行しました。
任意団体として活動をしていた時から、大家族のような暖かな空気が流れる笑いに包まれた場所をつくることを目標とし、多くのかたがたとのつながりや支えによって活動を続けてきましたが、NPO法人になった今でもこの目標は変えずに活動を続けています。
ーなぜ、木工品を作成することに着目されたのでしょうか
以前、任意団体として活動していた時に拠点としていた古民家の修繕を依頼した大工さんが、「どんなに小さな木材片でも作り手の夢を表現することができる」と話していたことが、私の心の中に残っていました。
それから後に、ある建築現場で見かけた廃木材を「もったいない」との思いで頂戴したときに、手元にある廃木材と以前の大工さんの言葉が結び付き、木工品の作成を作業所の事業とすることに決めました。
あの言葉がなければ、今この作業所では全く別のことを行っていたかもしれませんね。
ー活動を続けてきて良かったと感じるのはどんなときでしょうか
活動を開始してからこれまで、数えきれないほど楽しかったことがあり、それと同じくらい大変なこともありました。
なので何か一つに絞ることはなかなか難しいのですが、特にこの活動をしていてよかったと思う瞬間は、日々の作業の中で利用者のかたがたが自信や元気を取り戻していくのを目にするときです。
あんだんてに来る前は自信を無くして涙を流していたかたが、自分の能力を信じて、笑顔で前向きに作業をできるようになったのを見ると、そのたびに私も力をもらえます。
ー最後に、法人の今後の展望を教えてください
法人名の「Poco a Poco」とは「少しずつ」、事業所名の「あんだんて」とは「歩く速さで」の意味です。皆さまの力をお借りして、これからも現在の事業を継続していきたいと思っています。
また、助け合いの一環として、倒壊した家屋の廃木材の回収という形で、令和6年に発生した能登半島地震の災害支援ができないかも検討しています。
名称:特定非営利活動法人Poco a Poco
住所:埼玉県東松山市大字西本宿1762番地1
ホームページ:NPO法人PocoaPoco あんだんて(東松山) 木工 木のおもちゃ | 障害者・支援・木工品・木のおもちゃ・あんだんて
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