トップページ > 県政情報・統計 > 県概要 > 組織案内 > 企画財政部 > 企画財政部の地域機関 > 川越比企地域振興センター東松山事務所 > 県民生活 > 管内NPO法人の活動紹介 > 特定非営利活動法人ウィズ・ザ・スモールを訪問しました。(令和6年度)
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掲載日:2025年3月10日
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この法人は、難民申請者や仮放免者など外国にルーツを持つ方、社会的に排除され孤立させられているマイノリティの方など、社会の中で弱い立場に置かれている人々の暮らしと学びを支えることによって、だれもが安心して明日を迎えることができる社会を作ることを目的に活動しています。(定款第3条より)
当法人は令和4年に小川町に設立した法人で、同町での活動を中心に法人運営をしています。
主な活動内容は、社会の中で弱い立場におかれているかたに向けた住居支援・食糧支援事業や難民・仮放免のかたを題材にした自主製作映画の上映会などの理解促進事業です。
令和6年10月29日、小川町民会館(リリックおがわ)で実施している日本語教室の様子を見学させてもらいました。
この教室では、外国にルーツを持つ方などに対して毎週火曜日に、無料で日本語教室を提供しています。もともとは小川町が隔週で開催していた日本語教室ですが、受講生が途切れることなく日本語を学べるよう毎週開催に変更するにあたり、法人として協力することになり、現在は小川町と隔週交代で開催をしています。
教室に学びに来る方の目的は、日本語検定の受験勉強や日常生活で使用する日本語を学ぶことなど人によりさまざまで、法人のスタッフがそうした一人ひとりの目標に合わせたレッスンを行っています。
そのため、教材も画一的なものは使用せず、時には受講生のかたが持ち込んだ日本語の資料をそのまま学習に使用することもあるそうです。
また開催時刻に関しては、日中働いていたり学校に通っているかたでも通えるように、夜間に設定されています。
これらの多くの配慮もあり、日本語教室には様々な年代や国籍のかたが集まります。
取材日の授業では前回の宿題の確認から始まり、その一つ一つの問題に対し確認が行われるなど、とても丁寧なレッスンが行われていました。
受講生の皆さんは机を囲んで熱心に日本語を学びつつ、時には笑顔で楽しそうに会話をしていました。
現在に至るまで、町の広報誌や役場での口コミなどを通じて、徐々に受講生の輪が広がってきたそうで、今後は「やさしい日本語」(日本語に不慣れなかたにもわかりやすいよう、配慮した簡単な日本語)を記事に活用しながら、新たな広報媒体でも日本語教室の開催の発信をしてきたいとのことです。
法人の代表である中野さんにお話を伺いました
ー法人設立の経緯を教えてください。
これまでの経験から、海外で働きたいという思いがあったため、6、7年前からNPOやNGOのセミナーや研修会を受講していました。その中で、国内の難民の支援をしているNPOの講座を受講したことが出発点になります。講座で国内にも難民申請をしているかたや仮放免中のかたが多くいることを知り、そういった方に対して何かできることをしたいと考え、まずはNPO法人の活動ではなく自分一人でボランティア活動を開始しました。
ボランティア活動は住居支援から始めました。当時は、コロナの感染が広がっていたこともあり、波及的に家を失ってしまう難民のかたが少なくなかったのですが、小川町にある空き家を借りれば、自分一人の力でも支援ができると考えたからです。しかし、支援を開始してから、住居の確保は実施できたのですが、活動そのものへ周囲の反対を受けることが多く、この活動に対する理解を得ることの難しさを痛感しました。
このような現状を受け、活動に共感してくれる仲間を増やし活動の規模を広げることが、周囲の信頼を得ることにつながるのではないかと思い、NPO法人ウィズザスモールを設立しました。
実際にNPO法人を設立したことで、理解してくださるかたが増え、活動の幅も広がり、現在は難民のかたや仮放免中のかたに限らず、社会の中で弱い立場に置かれた方に向けた活動も行えるようになりました。
ー多くの事業を実施されていますが、事業内容はどのように決定しているのでしょうか。
私から発案をすることも多いですが、役員から提案を受けることもあります。提案についてはLINEグループなどで話し合いを行い、困っているかたの支援につながる事業になるよう模索しています。
また、案によっては人手が必要な時もあるため、法人会員限定のニュースレター内でボランティア募集を行うなどして、事業をなるべく実現できるようにしています。
ー今後の法人の展望を教えてください。
住まいの支援、食(職)の支援と学びの支援を合わせた3つの支援を柱とした活動を計画しているほか、柱となる事業以外にも、外国にルーツを持つかたを含む出店希望者とともに運用する、地域の余剰生産物を使用したキッチンカー事業や、「まちのキャンパスUECHU」(旧上野台中学校)を使用した活動拠点づくりにも力を入れていく予定です。
また、日本語教室などでの参加者の笑顔を見ると、この笑顔が生まれる環境をこれからも維持したいなと思っています。
私たちは、難民申請中の方を含めた外国をルーツに持つ方や、親を頼れない若者など、社会で弱い立場に置かれている方々の暮らしを支えるために活動しています。興味を持っていただいた方は、お気軽にご連絡ください。よろしくお願いいたします。
名称:特定非営利活動法人ウィズザスモール
住所:埼玉県比企郡小川町大字角山580番地8
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