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掲載日:2023年5月8日

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防災集団移転促進事業(国庫補助事業)

防災集団移転促進事業(以下「防集事業」という。)は、「防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律」(以下「防集法」という。)に基づき、災害が発生した地域又は災害危険区域のうち、住民の居住に適当でないと認められる区域内にある住居の集団的移転を促進するため、当該地方公共団体に対し事業費の一部補助を行い、防災のための集団移転の促進を図るものです。

近年の災害の激甚化・頻発化を踏まえ、災害ハザードエリアからの事前の住居の移転が、災害防止上の観点から有効な手段であることを踏まえ、近年の災害ハザードエリアの指定制度の充実化や、人口減少に伴う集落の小規模化等の経済社会情勢の変化に対応して、防集事業をより使いやすくするための制度改革を令和2年度に行っています。

1 主なポイント

防集事業は、市町村が事業主体となって、災害の危険性から居住に適当でない地域の住居を集団的に移転する際に、市町村が行う移転元地の買取りや、移転先の住宅団地の整備等に要する費用について、国が補助する制度です。

防集のイメージ

【出典:国土交通省 都市局 都市安全課 防災集団移転促進事業の活用に向けた説明資料集(令和2年4月)】

主な事業要件

(1)市町村による移転先の住宅団地の整備

市町村が移転先の住宅団地を整備することが必ず必要で、その住宅団地の規模が、10戸以上(一定の要件を満たす場合は5戸以上)かつ、移転する住居の半数以上が住宅団地に入居することが必要です。

移転者は市町村が整備した住宅団地に自ら住宅を建設することが基本となります。

(2)移転元地の災害危険区域指定

住居が移転した元地については、居住者の生命・財産が危険にさらされるような住宅が再び建設されることがないよう建築基準法に基づき、地方公共団体が条例で災害危険区域を指定することが必要です。

なお、災害危険区域の指定にあたっては、地方公共団体が条例で建築制限の内容を定めますが、必ずしも全ての建築物の建築を禁止する必要はなく、少なくとも、居住者の生命・財産が危険にさらされるような新たな住宅の建築を禁止することが必要です。

(3)事業期間

防集事業には、事業期間の定めがなく、長期の事業実施も可能です。特に、災害前の事前の集団移転にあたっては、住み替えのタイミング等の住民のライフステージに応じて、長期間をかけて実施することも可能です。

国庫補助の主な対象

防集事業の実施にあたり、事業主体である市町村に対し、以下の経費を国が補助します。事業計画等の策定経費以外は、国がその経費の4分の3を補助します(事業計画の策定経費は、2分の1)。

【補助対象経費】

〇住宅団地の用地取得造成費

〇移転者の住宅団地における住宅の建設購入・住宅用地購入に対する補助経費

 (住宅ローンの利子相当額の助成)

〇住宅団地の公共施設整備費

〇移転元地の土地の買取り経費(住宅の移転補償費を含む)

〇移転者の移転に対する補助経費(引っ越し代等の助成)

〇事業計画等の策定経費

2 事業実施に向けた主な流れ

(1)集団移転を行う地域の検討(災害リスクの検討と地域の合意形成)

事業実施にあたっては、どういった地域で集団移転を行うのか、災害リスクの状況を踏まえて対象地域を選定するとともに、集団移転しようとする地域住民の合意形成が重要です。事業主体となる市町村が主体となって、地域住民の意見を十分に尊重し検討することが必要です。

(2)移転先の選定

集団移転を検討する地域が明らかとなれば、移転先の住宅団地をどこに整備するのかを検討することが必要です。移転する住民の新しい生活を営む場所を決める極めて重要なプロセスとなります。

検討にあたっては、地域住民の意向を十分に把握し、災害からの安全性に十分配慮するとともに、利便性や移転者の生活や就労等についても配慮しながら決定することが必要です。なお、移転先の住宅団地は、必ずしも新規に造成する必要はなく、既存の市街地や集落の空地等を活用することも可能です。

(3)事業計画の策定

事業の実施にあたっては、防集法に基づき、集団移転促進事業計画を市町村が策定しなければなりません。詳細な事業計画を策定するために必要な各種の調査・検討、関係者への説明会等を行い、事業計画を策定することが必要です。なお、事業計画区域が大規模な場合や長期間に及ぶ場合など、一時に全体の事業計画を確定させることが困難な場合には、関係者との合意が整った区域から順次事業計画を確定していく等、関係者との合意形成の進捗状況に合わせて段階的に事業計画を確定させていくことも可能です。

(4)事業計画に対する国土交通大臣同意

防集法の規定に基づき、市町村が事業計画を策定するにあたって、都道府県を経由して国土交通大臣に協議し、同意を得なければなりません。協議・同意にあたっては、事前に国土交通省担当まで、十分に相談・協議することが必要です。

なお、事業の進捗等に応じて、事業計画は適宜変更が可能です。事業計画の変更にあたっては、原則、国土交通大臣の同意が必要となります。 


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