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掲載日:2024年11月27日

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彩の国優秀技能者表彰  被表彰者一覧

彩の国優秀技能者表彰とは

県内に就業する技能者のうち、極めて優れた技能を有する者で、後継者の育成に寄与するとともに、労働者の福祉の増進及び産業の発展に貢献し、他の技能者の模範と認められる者を知事が表彰する制度です。昭和43年度に11人が表彰されて以来、令和6年度までに910人が表彰されています。

彩の国優秀技能者表彰  被表彰者一覧

令和6年度の被表彰者

瀬野 義明(左官)

左官工事に従事し、戸建て住宅において培った知識や経験を生かして工法の提案や検証に取り組んでいる。基礎部分の左官に関する技能においては、ネットや繊維材を埋め込むなどの方法を提案することにより、ひび割れが発生し難い技術を確立した。また、近年好まれることも多い珪藻土を使って土壁を仕上げる技術も磨いており、デザイン性の高い施工にも取り組んだ。この技術が認められ、ポラスグループの新製品のモデル製作を任されるなど製品開発にも寄与した。そのほか、左官職業訓練校において技能五輪全国大会出場選手や若手職人への指導も行い、後進育成にも尽力している。

木村 一郎(鋳物工)

鋳物工として長年従事し、アルミ鋳物の第一人者である。鋳物の工程の多くが機械化される中、砂の配合、造型、中子挿げ、湯入れ等の一連の作業をすべて手作業で対応できる優れた技能を持つ。その技術を用いて、粘土鉱物が含まれる素材である粘結剤と呼ばれるベントナイトと適切な量でないと強度が下がる新砂のそれぞれの特徴を活かすことができる配合と、水分量とのバランスを独自で編み出した。また、アルミ溶湯に含まれている酸化物等を抜く処理についても、撹拌や掻きとりに熟練しており、燃料費の削減や時間短縮に貢献している。そのほか、川口市たたら祭りや市内小学校のものづくり教室などに積極的に参加し、鋳物の魅力発信にも尽力している。

野口 育男(建築板金工)

建築板金工に長年従事し、建築板金作業の基盤である金属薄板の塑性(そせい)加工において優れた技能を有している。長い1枚の屋根材を組み合わせる工法を工夫し、併せて屋根の自重で丸みを帯びるよう加工した。これにより雨水を誘導するほか、工期短期化、施工コスト抑制を図ることが可能となった。また、建築現場における安定的な施工について大手ゼネコンから表彰されるなど、その技能は高く評価されている。そのほか、埼玉県板金工業組合では理事長、埼玉県板金工業組合技能士会では会長を務めるなど業界の発展に多大な貢献をしている。

岡部 真之(自動車検査工)

自動車検査工として従事し、外注・外部委託製品の検査に長く携わってきた。高い検査技能のほか、各部品メーカーの製造工程や輸送工程まで幅広く知識がある。そのため、不具合があった際などは部品特有の工法・工程から原因を推定・調査し迅速に対応する能力を持つ。また、外製品質担当のチーフリーダーとして約100名に及ぶ部下の指導、育成に当たるとともに、協力企業の社員も含めた社内研修講師としても後進の教育に尽力している。そのほか、機械検査の技能検定委員として長きにわたり尽力しており、令和4年から現在まで首席検定委員を担っている。

中原 和弥(印章彫刻工)

印章彫刻工として長年従事し、手彫りならではの微細な差異を持たせ唯一無二の安心・安全で美しい印章を作り出す技術を持つ。印章によく用いられる篆書よりも古い書体である金文・甲骨文字を木板に彫り付ける「刻字」により、立体的・個性的な表現にも取り組んでいる。このような高い技術が認められ、全国規模の競技大会で数多くの入賞歴を持つ。そのほか、陸前高田市長印贈呈、復興大臣印贈呈、世界一大きな木製スタンプ作成など、機会を捉えて印章業界と技能の発信に努めている。また、県内で業界初となる職業訓練指導員免許を取得するなど後進育成へも尽力しており、業界に多大な貢献をしている。

大谷 真悟(建築板金工)

建築板金工として、屋根・外壁・雨どいをはじめ、厨房用の金物・内壁など多様な部位の製造に従事している。主に薄い金属板を用い、金属板を切断する・折る・貼り合わせる・変形させるなど様々な加工において高い技能を有している。その技術を用い、寺社など歴史ある国指定文化財等の施工も担った。また、技能まつり技能競技大会において多数の入賞歴を持ち、全国建築板金競技大会に出場するなど、その技能は高く評価されている。そのほか、蕨戸田建設高等職業訓練校指導員として、後進指導に励み、訓練生の育成に尽力している。現在では講師陣の中核として、訓練校の運営に貢献している。

萩原 陽一(建築大工)

建築大工として木造建築工事に長年従事し、日本古来の伝統技術である「規矩術(きくじゅつ)」を得意としている。その技能は木造住宅の建設にとどまらず、寺の山門改修工事も手掛けるなど、伝統的な建築物の保存にも尽力している。また、精度の高い要求にも手刻みで応えており、業界・施主からの信頼は厚い。そのほか、埼玉土建技能士会では幹事を務め、技能後継者への指導を積極的に行うとともに、技能士の社会的地位と技能水準の向上に貢献している。また、ものつくり大学の非常勤講師、規矩術や競技大会の学習会で講師としても指導に当たっており、後進育成にも尽力している。

中村 圭一(錫器製造工)

錫器の製造に従事し、ロクロ挽きにおいて優れた技術を有する。錫工芸のロクロでは、横軸の回転に正対し、時計回りと反時計回りの回転を利用して削るため高度で熟練を要するが、手技を遺憾なく発揮している。近年はロクロ挽きによる製作従事者が少なくなってきている現状であるが、昔ながらの手法の保存・継承のために尽力している。また、埼玉県民栄誉章記念品や彩の国功労賞記念品の作成、埼玉県新商品AWARDでの大賞・金賞・入賞の獲得などその技能は高く評価されている。そのほか、錫職人養成のためのカリキュラムを備えた講座や昭和女子大学での講義のサポートを実施し、錫に携わる人材の裾野を広げ後継者育成につなげている。

工藤 元晴(鉄道車両組立工)

鉄道車両組立工として台車組立に従事している。検査を行う台車は旧国鉄時代に製造された形式から、最新の形式まで多種多様であり、それぞれ入場時の状態が異なるほか、取り扱う部品点数も多いが、高い精度で業務を行うことができる優れた技能を有する。近年検査対象車両はJR東日本発足後に開発された新系列車両が中心であり、台車の構造やメンテナンス方法が異なるところ、台車検修ラインの最適化に取り組み、現在のライン体制を構築した。また、社内車両技能競技会の審査員として活躍するほか、技能検定員補佐員を務めるなど、技能向上に向けた取り組みを精力的に行っている。加えて台車検修のインストラクターとして後進の指導を熱心に行うなど、後輩社員の良き目標ともなっている。

若林 匠吾(鉄道車両修理工)

鉄道車両修理工として従事している。通勤型車両や特急型車両等の定期検査や改造工事で大宮総合車両センターに入場する鉄道車両全般の車体修繕業務を担当している。配管部品や主制御器内基板取付作業、空気ホース取付作業等を限られた時間の中で安全面に考慮し、完遂できる優れた技能を有する。また、社内車両技能競技会の点検整備部門で優秀賞を受賞するなど、社内でも有数の技能者と認められている。そのほか、後進育成や技能継承を実現するため、職業訓練指導員免許も取得するとともに技能検定受検者や車両競技大会出場者に対しても技術指導に尽力している。

茂木 康長(かわらふき工)

かわらふき工として従事し、特に元の古い瓦を再使用する建物の葺き替え作業に優れている。1枚ずつ瓦を取り外し、全体の出来栄えを考えながら相対的に刻み直し再度取り付ける必要があるが、当時の古い瓦のくせや古い屋根木材の狂いを見ながら施工する技術が高く評価されている。その技術を用いて寺社仏閣や市指定文化財等の施工も行っている。そのほか、埼玉県かわらぶき技能士会の役員として、日本の伝統的な瓦屋根の技能を継承するため、技能検定合格者の向上に繋がるための講習会の実施や日本古来の瓦屋根のメリットや新工法について発信するなど、後進の指導育成や業界発展のために尽力している。

歴代の被表彰者(平成元年度~令和5年度)

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