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掲載日:2023年1月5日
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※住所及び所属は受賞当時のものです。
表具師・山下表具店
塚田さんは、襖、額装、掛け軸、屏風などあらゆる表具の製作に優れた技能を有し、特に土台となる骨組の鉋掛けと下張紙・上張紙の糊付けに卓越しています。骨組と下張紙の接着面を均一に滑らかにする鉋(かんな)掛けと、材質や作業工程の違いに応じた糊付けにより、美しさと耐久性を備えた製品を生み出しています。
また、ものづくりマイスターの活動や技能競技大会出場選手への指導、イベント等での体験教室の開催など、技能伝承や後進技能者育成にも積極的に貢献しています。
かわらふき工・(有)布川瓦工業所
布川さんは、かわらふきの中でも難易度の高い本葺き瓦の施工に長年従事し、瓦の重厚感や荘厳さ、曲線美を最大限に表現する技能に卓越しています。特に、様々な屋根の形状や瓦ごとに最適な方法で施工する技能に優れ、歴史ある寺社から一般住宅まで数多くの建造物を手掛け、本葺き瓦の持つ魅力の発信・普及に貢献しています。
また、布川さんが立ち上げた技能士会の活動や技能検定受検者向け講習会の開催を通じて後進技能者の育成にも積極的に貢献しています。
手込造型工・(有)河村鋳造所
宮地さんは、鋳造方案の策定から注湯までの全工程を担うことができる技能を有し、特に大型バルブ等の各部分の肉厚差を0.5㎜以下に抑えるなど、手作業で厚さをほぼ均一にする技能に卓越しています。また、製品に合った鋳物の温度や材質を設定するなど、品質の維持・向上にも優れた技能を発揮しています。
さらに、技能を伝承するための指導にも幅広く取り組み、社内講習や大学の講師を務めるなど、後進技能者の育成に積極的に貢献しています。
建築大工・宮前工務店(株)
宮前さんは、和風建築に長年従事し、木造建築の伝統的技法である継手・仕口を巧みに活用する技能に優れ、特にその高度な応用を必要とする唐傘天井の施工に卓越した技能を有しています。施工部位ごとに最適な方法で軸組みがなされた木造のドーム型建築は鉄骨造と同等の強度を実現しています。
また、大学の非常勤講師や認定職業訓練校の指導員、技能検定試験の事前講習会の講師を務めるなど、業界内の後進技能者の育成・指導にも積極的に貢献しています。
七宝工・(有)創作七宝 逸
吉田さんは、七宝製品の意匠・図案の作成から研磨・仕上げなどすべての工程に長年従事し、特に文様が崩れないよう細部にまで繊細に焼き付ける技能に卓越し、絶妙な加減で焼き付け方を均等に調整する優れた技能を有しています。また、油絵にも精通していることから絵画的手法を七宝焼に応用し、色彩が際立つ美しい製品を作り出しています。
さらに、ビニール材を使用した特殊な抜き型を考案し、良質な製品を量産する方法を確立しました。
婦人・子供服注文仕立職・創イングパルあきま 令和元年秋黄綬褒章
秋間さんは、婦人服製作に長年従事し、服地の柄を立体的に見せる技能や、体型に合った洋服を短期間で美しく作り上げる技能に卓越しています。また、特殊な染料で布地に直接絵柄を描く技法を開発するなど、オリジナリティ溢れる作品を作り出しています。
さらに、自ら洋裁教室の主宰や業界団体の代表を務め、技能グランプリや全国規模のコンクールの上位入賞者を輩出するなど、実技指導者として後進の育成にも幅広く活躍しています。
婦人・子供服注文仕立職・山本洋裁教室
山本さんは、婦人・子供服仕立職に長年従事し、採寸・作図と柄合わせの技能に卓越しています。顧客の身体的特徴を正確に平面に作図し、顧客の好みに応じて柄を合わせて裁断・縫製し、ミリ単位の狂いもない立体感ある美しいシルエットの服をつくることができます。
また、後進技能者の育成に積極的に取り組み、技能競技大会入賞選手を輩出し、体験教室や小学校の授業でものづくりの素晴らしさを広く伝え、洋裁文化の普及と発展に貢献しています。
畳工・島田畳店 令和元年秋黄綬褒章
島田さんは、一般住宅向けの畳製作や、寺社仏閣で使用され、伝統や格式を重んじる有識畳の製作に優れた技能を有しています。特に有識畳では、畳床を2枚重ねる二畳台や拝敷の製作において、畳の縁の紋の大きさや位置を寸分違わず合わせることができます。
また、埼玉県畳技能士会会長や技能検定の首席検定委員を務めるなど、業界の技能の向上と継承に貢献するとともに、体験教室の活動を通じて小中学生にものづくりの楽しさを伝えています。
理容師・ヘアーサロン シラカワ 浦和店
白川さんは、多様化・複雑化する顧客のニーズに応えるため、理容の基本技術に最新のトレンドを取り入れたファッション性を融合させ、創造性に富んだ新しいヘアデザインを創作し、ヘアスタイルのバリエーションを広げる卓越した技能を有しています。
また、優れた技能と世界大会入賞の経験を生かし、理容業界の発展に尽力し、後進理容師を各種競技大会で上位に導くなど指導・育成に貢献しています。
機械込造型工・株式会社永瀬留十郎工場 平成30年秋黄綬褒章
永瀨さんは、鋳造の難しいセラミック粉末を含む複合材料アルミ合金鋳物をはじめ、炭素含有量が極めて少ない極低熱膨張合金鋳物に関し、製品の不良発生を防ぎながら極めて高い精度を保つ卓越した技能を有しており、半導体露光装置の構造体や石炭火力発電所に使用される集塵装置用薄物鋳物などの製造を行いました。
また、優れた技能、知識をもとに業界団体の講習会の講師を務め、後進の育成にも貢献しています。
造園工等・植鍋 平成30年秋瑞宝単光章
小峯さんは庭園の設計に定評があり、小川の流れに盃を浮かべ和歌を詠む「曲水の宴」開催に際し、堰から水があふれる際わずかな流水が生ずることを利用して、平坦な庭園内に50メートルの流路を生み出す卓越した技能を有しています。また、「水琴窟」や「竹蓑垣」など、失われつつある製作技法を試行錯誤の上に確立、再興し、高いレベルで施工しました。
さらにこれら優れた技能、施工方法を若手技能者に伝承することに努めるなど、業界の発展にも大きく貢献しています。
彫金工(工芸的なもの)・工房 松下喜山 令和元年春黄綬褒章
松下さんは、錫を専門に扱う錫師として水指や茶壺、茶托等のデザインから、その整型、ロクロ加工、溶着、絵付け、漆塗り、彫刻まで全ての工程を一貫して高いレベルで行うことができます。延性の良い錫の特徴を生かし細かな加工を配し、美しい芸術性の高い製品を生み出す技能を有しています。
中でも煎茶道の道具製作を得意としており、講演会等で錫工芸を広めるだけでなく、煎茶道を広め、支える活動も行っています
機械修理工・UDトラックス株式会社 平成29年秋黄綬褒章
遠藤さんは、トラック生産における機械、電気、油空圧設備について、設備診断、予防保全、改良保全における優れた知識・技能を有しています。設備の故障時には速やかに要因を特定し復旧することができるほか、故障前に予知できる装置の開発、生産性向上に資する改善を設計から施工に至るまで行うことができます。
人材育成においては、保全業務全体を統括する立場として後進の育成を積極的に行っています。
画工・ギャラリー弥栄工房 平成29年秋黄綬褒章
渡会さんは、絵筆、器具、用具を一切使わず、日本伝統の手漉き和紙を使った絵画表現技能を試行錯誤の上独自に生み出しました。細川紙を自ら染色し手指のみで糊付けを行うことにより、手漉き和紙の柔らかな紙質と毛足の長さを活かし、これを重ね合わせ色むらなく多様な色調を創り出す優れた技能を有しています。
和紙染色においても単色、多色染と多彩な技能を駆使し、和紙の持つ独自の風合いを引き出して絵画表現の素材としての可能性を切り開きました。
情報配線施工工・株式会社協和エクシオ 中央技術研修センタ 平成29年春黄綬褒章
佐川さんは、情報配線施工(電話工事などの電気通信工事)に永年従事し、特に、通信ケーブル工事における「鉛工」作業、「手ひねりはんだあげ接続」で卓越した技能を有し、通信工事の品質確保に大きく貢献しました。
また、永年の経験と豊富な知識を活かし後進技能者の育成を行うとともに、技能五輪国際大会において四大会連続で金メダリストを輩出するなど指導者育成にも尽力しています。
日本料理調理人・株式会社大宮伊勢錦
渡邉さんは、日本料理の伝統技能を守り、内外の新食材の研究に努め、実用的で多彩なメニューを考案しました。切れ味鋭い庖丁さばきの薄造りは定評があります。
創業130年の老舗、大宮伊勢錦に復帰して匠の技による調理技能と指導力を発揮し、専門学校講師、技能検定試験委員、全技連マイスターなど技能振興と後進の指導育成に尽力しています。
また調理士会の会長、所長を兼任するなど業界団体の役職を担い、次代のリーダーの一人と目されています。
アーク溶接工・東日本旅客鉄道株式会社 大宮支社大宮総合車両センター
田中さんは、多種多様の車両検修において溶接作業に従事して、様々な部品の溶接をスピーディにかつ確実に行う技能を有しています。特に、重要な走り装置である台車の溶接では、他の追随を許しません。これらの技能が見込まれて、蒸気機関車の復元では、鋳物部品の溶接を行える技術を遺憾無く発揮し復元に貢献しました。
また、近年では、社内技能競技会審査委員等を務め、若手社員の技術力の習得・向上に取り組んでいます。
建築板金工・有限会社中里板金工業 平成28年春黄綬褒章
中里さんは、社寺の銅板葺屋根工事などで、伝統工法を生かした手作りの「鬼」や「雨樋の角鮟鱇」等を製作する卓越技能を有しています。鎚起銅器では大物の面を見事な立体感で仕上げ、また彫金レリーフや壺や花器等の多くの工芸品を創作しています。
また、蕨戸田建設高等職業訓練校指導員として20年以上訓練生教育に尽力するなど、後継者育成に大きく貢献しています。
自動車部品組立工・UDトラックス株式会社
根岸さんは、ディーゼルエンジン組立作業に長年従事し、エンジン組立作業のすべての工程にわたり豊富な知識と優れた技能を有しています。特に、エンジンの各部品を締め付ける際に、締め付け専用のツールに頼らず手工具のみで、トルク精度の保証をすることができます。
近年は、後進の育成活動に尽力し、多くの技能士を輩出しています。
広告美術工・有限会社タカラ堂 平成27年秋黄綬褒章
島崎さんは、広告業に長年従事し、文字やイラスト見本を美しく忠実に板面に再現できる「手書き」の優れた技能を有しています。特に、看板独特の毛筆体である「ぶっつけ字」を力強く勢いのある文字に仕上げることができ、文字の大きさでは、ゴシック体で一辺が900ミリ、毛筆体で一辺が600ミリ程度を下書きなしに短時間で書き上げることができます。
また、後進の育成活動を通じて、手書きの技能を後世に伝えようと努力しています。
運道具製造工・梅澤剣道具株式会社 平成27年秋黄綬褒章
梅澤さんは、剣道具製作に長年従事し、伝統的な剣道具一式(面、甲手、胴、垂)を一人で製作できる優れた技能を有しています。特に、手刺し布団の仕込みでは、伝統的な方法、材料で仕込む技能を有する数少ない職人です。一方で、素材の選別や新たな素材の導入などで、デザイン性に富む時代に合った剣道具づくりに取り組んでいます。
また、後進技能者の指導・育成に尽力し、日本の剣道具製作技術の保存・研究・承継に貢献しています。
金属手仕上工・富士電機エフテック株式会社 吹上事業所 平成28年秋黄綬褒章
中山さんは、金型製作に優れた技能・知識を有しており、特に、金型構成部品の調整仕上げ段階で、累積誤差を手仕上げによりミクロンメートルの誤差以内で組み立てる技能に卓越しています。現在では、高難度の金型精密調整作業に従事するとともに、技能五輪指導員として、後進技能者の指導・育成に貢献しています。
刃物製造工・株式会社昌国 平成29年春黄綬褒章
川澄さんは、一貫して盆栽手入れ道具(刃物)の開発、改良に努めつつ、その技能を活かして様々な分野の刃物の開発・製造にも携わっています。また、刃物博物館を運営し、小中学生の体験教室の場として提供するとともに、自ら講演・指導を行うなど、刃物づくりの技法普及・後進の育成に貢献しています。
畳工・石井畳店 平成28年春黄綬褒章
石井さんは、住宅畳から神社仏閣の紋縁畳、特殊畳等の手縫い作業と仕上げに優れた技能を有しています。特に伝統技術に基づいた板入れ縁つき畳製作においては、仕上げ寸法の正確さ、むら(凸凹)の工作技術に独自の工夫を重ね、顧客から高い評価を得ています。また、埼玉県畳技能士会の副会長として後進の指導育成に尽力するなど、技能継承に貢献しています。
日本料理調理人・日本料理よこ川 平成29年春黄綬褒章
横川さんは、郷土色豊かな会席料理の創作技術に卓越し、包丁技術を活かした「むきもの」では、高い評価を得ています。また、技能検定試験の日本料理中央試験委員、職業訓練指導員、全技連マイスター会支部会長、埼玉県調理技能士会会長などを務め、技能振興に尽力し、後進技能者の指導・育成に貢献しています。
手込造型工・株式会社大六鋳造 平成25年秋黄綬褒章
南部さんは、建設機械の油圧バルブ製品の製造に優れた技能を有しています。複雑な中子を正確にセットするだけでなく、油圧が400キログラムのダグタイル鋳鉄の油圧バルブの量産化を可能にしました。後進の育成にあたっては、中国人研修生を毎年受け入れ、指導しています。
婦人・子供服注文仕立職・仲洋裁教室 平成27年春黄綬褒章
仲さんは、婦人服の縫製技術に優れた技能を有しています。顧客のニーズだけでなく、全体のシルエットを女性らしくかつ美しく仕立てた縫製は、業界内で高く評価されています。また、後進の育成にも積極的に取り組んでいます。
和服仕立職・松澤和裁教室 平成26年春黄綬褒章
松澤さんは、創意工夫にあふれた仕立技法により、伝統的な衣装である和服を現代風にアレンジする技能に卓越しています。また、後進の育成にも積極的に取り組んでおり、20年以上にわたり、県立高等技術専門校で講師として活躍しました。
建築板金工・有限会社山田板金工業所
山田さんは、寺社の銅板工事から在来木造住宅の板金工事まで幅広い知識と技能を有しています。金属の特性を見極め、一枚の金属板を塑性(そせい)しながら加工する技能は、業界内でも高く評価されています。また、後継者の育成に尽力しています。
金属塗装工・UDトラックス株式会社
新井さんは、車体塗装全体にわたり優れた技能を有しています。純正カスタムペイント塗装では、作業時間を平準化し、効率的なラインの実現に貢献しました。若手社員の育成にも熱心に取り組んでおり、海外生産拠点においても指導に尽力しています。
畳工・有限会社丸武熊木 平成26年春黄綬褒章
熊木さんは、寺社で使用される二畳台、有職八重畳等に優れた技能を有しています。また、後進の育成に早くから取り組んでおり、認定訓練校で40年にわたり指導員として従事するだけでなく、技能グランプリでも競技委員を務めるなど、技能継承に貢献しています。
石彫工・田河家石材有限会社 平成26年秋黄綬褒章
田中さんは、特に「叩き」で丸みをつくる卓越した技能を有しています。また、若手技能者を対象に各種講習会を実施するなど、指導者として後進の育成に努め、石材業界に貢献しています。
フラワー装飾師・有限会社東武フラワー 平成24年秋黄綬褒章
立川さんは、早くからヨーロッパの数カ国で学び、技能、指導方法について研鑚を重ねてきました。特に、ヨーロッパデザインを用いた作品づくりにおいて優れた技能を有しています。また、多くの場で後進の指導にあたるなど、指導者としても貢献しています。
手込造型工・富和鋳造株式会社 平成25年春黄綬褒章
吉田さんは、鋳造一筋に技術・技能を極め、高品質の大物鋳造の安定製造は、高い評価を受けています。また、精力的に技術・技能の継承のため、後進者の育成に尽力しています。
中華料理調理人・埼玉グランドホテル株式会社 平成24年春黄綬褒章
山下さんは、中国宴席料理調理において卓越した技能を有し、作業時間短縮のため、独自に調理器具を考案するなど、中国料理の発展に大きく貢献しました。また、後進調理師の技術指導にも尽力しています。
表具師・有限会社小林表具内装 平成24年春黄綬褒章
小林さんは、表具全般に幅広い技能を習得し、特に襖を美しく仕上げる技能や掛軸の補修技能などに卓越しています。また、技能検定委員や職業訓練校における講師を務めるなど、後進者の育成に貢献しています。
ブロック積工・株式会社エコ・グリーン設計 平成25年秋黄綬褒章
小林さんは、ブロック建築に卓越した技能を有し、ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞をはじめ、多数の表彰を受けています。また、ものつくり大学の講師や技能検定委員を務めるなど、後進者の育成に尽力しています。
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