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掲載日:2024年8月15日
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歯を失う原因の第1位は歯周病ということを御存じですか?特に成人期では、むし歯と並んで歯周病が歯を失う主な原因となっています。
生涯を通して自分の歯で過ごし、健康長寿を目指すために、歯周病について理解を深め、適切な予防を行うよう心がけましょう。そのためにここでは歯周病に関する情報をお届けします。
歯を支える組織(歯周組織(ししゅうそしき))は、歯肉や骨などから構成されています。この組織が細菌(歯周病菌)に侵されることにより発症するのが歯周病です。
例えば、新築の家を作るとき、建物が立派でも、土台が崩れてしまっては、家が傾いて、場合によっては倒れてしまうのと同じように、歯を支える土台(歯周組織)が細菌による炎症によって骨が溶けてしまうと歯を支えることができなくなるのです。
歯周病は「歯肉炎(しにくえん)」から「歯周炎(ししゅうえん)」へと進行していきます。歯肉炎は歯肉(歯ぐき)に炎症が起きるものですが、歯周炎は歯と歯肉の間のみぞ(歯周ポケット)に細菌が溜まって、歯を支える組織を破壊していきます。
歯と歯肉の境目にある溝(歯周ポケット)に歯垢が溜まることで起きる。
〈症状〉
歯周ポケットが深くなり、ここに歯垢や歯石※が溜まって歯周組織を破壊していく。進行度により軽度・中等度・重度に分類される。
〈症状〉
歯肉炎でみられる症状のほか
※歯石について
歯垢を除去せずに、そのままにしていると一部は唾液に含まれるカルシウムによって石灰化し、歯の表面に付着します。歯石が付着すると細菌がさらに溜まりやすくなると言われています。歯垢はブラッシングで落とすことが可能ですが、歯石は固まっているので、歯科医療機関で取り除いてもらう必要があります。
歯周病は進行してもほとんど痛みを伴わないため、気づくことが困難な病気です。一般に年齢が進むと(おおむね40歳くらい)から歯周病にかかりやすいと言われているので、口の中の変化(歯みがきをすると出血がある、歯肉の赤みが強くなるなど)には気を付けましょう。
歯周病は、お口の健康に影響を及ぼすだけでなく、全身の健康に影響することがあります。
歯周病によって歯を失うと、食べ物をよく噛むことが難しくので、栄養摂取がうまくいかなくなることがあります。また歯周病菌が気道や血液などを通じて他の臓器に広がることにより、誤嚥性(ごえんせい)肺炎(はいえん)や心臓疾患などを起こすことがあります。
歯周病が全身に及ぼす影響の中で、最近特に糖尿病との関係が注目されています。
歯周病と糖尿病を並行して治療することで、相互の改善が期待できます。チェックリストに1つでも当てはまる方は、糖尿病の検査と歯科検診を受けてみてはいかがでしょうか。
このポスターは、埼玉県歯科医師会に委託して実施している「埼玉県医科歯科連携推進会議」が作成したものです。
歯周病も生活習慣病のひとつです。規則正しい生活リズムを心がけ、適切な食生活を送りましょう。
どの程度歯周病が進んでいるのかを理解するためには、健康な歯肉の状態を知っておくとよいでしょう。
健康な歯肉は、ピンク色をして、固く引きしまっており、歯と歯の間はとんがっています。また通常のブラッシングを行っていれば、出血は見られません。
洗顔時などに鏡で自分の歯肉の状態をチェックしてみましょう。
歯周病を予防するにはあなた自身の歯のお手入れ(プラークコントロール)が何よりも大切です。正しいブラッシングを身に付けてプラークを確実に落とすようにしましょう。また糸ようじや歯間ブラシを併せて使うことも有効です。ブラッシング方法については、歯科医師・歯科衛生士からアドバイスをもらうとよいでしょう。
歯周病を防ぐには、毎日のブラッシングによるお家でのケアとともに、定期的な検診や歯石除去などの、専門家によるケアが必要です。
かかりつけ歯科医を持ち、定期的な検診や予防処置を受けるよう心がけましょう。
県では、誰もが毎日健康で、医療費が少なく生き生きと暮らすことができる、健康長寿社会の実現を目指し、「健康長寿埼玉プロジェクト」を推進しています。
歯周病を予防して、生涯を通じて自分の歯で食事や会話を楽しむことは、健康で豊かな人生を送るための基本であり、健康長寿を実現する上でも大変重要です。このホームページを参考に、御自身の歯と口の健康づくりを進めていきましょう。
《歯周病予防のための4つのポイント》 1.規則正しい生活を送ろう 2.健康な歯肉の状態を知ろう 3.正しいブラッシングを身に付けて実践しよう 4.かかりつけ歯科医による定期検診や予防処置を受けよう |
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