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掲載日:2021年2月12日

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定例記者会見の知事発言内容(2月12日)(テキスト版)※抜粋

知事

   お疲れさまでございます。
   それでは、本日は「令和3年度2月定例会付議予定議案」と「令和3年度組織・定数改正」など、何点かご報告をさせていただきます。
   まず、令和3年2月の定例会ですけれども、来たる2月19日金曜日に招集をすることといたしました。今定例会におきましては議案として予算が22件、そして条例が18件、専決処分の承認が1件、事件議決が9件、基本的な計画の策定が2件となっており、合計で52件の議案であります。
   2月14日から始まる大河ドラマのタイトルにもなっていますけれども、令和3年度の当初予算は「新たな社会へ 青天を衝け」と名付けさせていただきました。本県も、新型コロナウイルス感染症対策については最重要課題として、引き続き強い危機感と緊張感をもって対応していかなければなりません。まさに逆境の中に立たされているわけでありまして、新たな年度はウィズコロナばかりではなくアフターコロナも見据えた上で、新しい社会を明るいものに力強く切り開いていく年度にしなければなりません。多くの困難にも負けず高い志を持ち、さらに未来を見据えた、そして切り開いていくという意思を示された若き渋沢栄一翁の意思の強さはあの漢詩の中にある「青天を衝け」にあると感じています。だからこそこれをキャッチフレーズとして「安心安全の強化」、「 DX の推進と県経済の回復成長」、さらには「持続可能で豊かな未来への投資」、この三本の柱で本県は新年度新たな社会の実現を目指してまいります。
   予算額でありますが一般会計で過去最高となる2兆1,198億4,300万円、全会計合計で3兆5,026億9,833万9,000円。さらに、国の総合経済対策に合わせた13カ月予算として、切れ目のない公共事業を実現していくために、一般会計で444億2,360万6千円の補正予算を同時提案を致します。こちらは急施の議案として議会に早期の議決をお願いするものとなります。次のパネルお願いします。
   まず、1つ目の柱、「安心・安全の強化」のうち、「感染拡大防止と医療提供体制の強化」についてであります。新型コロナウイルス感染症対策については来年度も引き続き感染動向を踏まえ、更なる医療提供体制の強化、検査体制の確保、さらにはクラスター対策など万全を期してまいります。これに加えて、令和3年度には重症病床などの医療提供体制強化のために、入院医療機関への協力金について、新たに平日夜間等の加算や重症患者の受入負担を踏まえた単価を新たに設定をさせていただきます。また、医療従事者手当の支援については、これまでは看護師が対象でありましたけれども、今後は入院患者の療養に携わる医師や放射線技師などもこの中に含めさせていただきます。必要な検査体制や病床・宿泊療養施設についても引き続き確保をしてまいります。
   ワクチンにつきましては大変いま話題になってますけれども、この接種体制の整備が急務であります。ワクチンは国が確保し市町村がこの主体となっていきますけれども、県としては広域的な観点から医師や看護師による専門の相談体制の確立、あるいは市町村事務の調整、医療事業者への優先接種などを進めてまいります。
   次に感染拡大防止対策として、県民にしっかりと情報が届くよう、若者を対象とした啓発動画のSNS発信やテレビ・ラジオのスポットCMなど多様な媒体により広報を強化いたします。
   また、介護施設などの個室化改修や陰圧・換気設備の設置支援を継続することに加えて、新たに飲食店など中小の飲食店などの換気設備を作る際の工事費等を支援をいたします。また、コロナの影響により経営悪化が懸念される医療機関に対し、コロナ以降をも見据えたサスティナブルな支援を経営支援に力を入れて参ります。具体的には病院の職員を対象とし、診療情報の全国統一データであるDPCデータの分析手法などを学ぶ研修会の開催など、経営に通じた職員を育成します。この他、医療資源の乏しい地域の中核病院に対する病院経営のプロフェッショナルの派遣や、あるいは医療機関に対する新たな経営モデルの作成提示などを通じ、社会インフラである県内の医療機関の強化を図ってまいります。
   次に「危機や災害に強い埼玉の構築」についてであります。令和3年度当初予算と国補正予算に対応した令和2年度の2月補正予算を合わせた13カ月予算として切れ目ない対応を行わさせて頂きますが、対前年度比で19.5%という大幅な増となる1,396億円を確保し、防災・減災対策を強力に推進をしてまいります。流域治水対策の加速化としては、「氾濫をできるだけ防ぐ、減らす」観点から、調節池の整備や河道拡張の対策を推進します。
   また、都県境をまたぐ幹線道路につきましては、未だ未接続となっているミッシングリンクあと数マイルのうちのひとつですけれども、これらの箇所の重点整備を推進するほか、「橋りょうの耐震整備」や「無電柱化」を引き続き推進してまいります。
   次のパネルですが、大規模災害発生時には多くの患者が災害拠点病院に集中するため、受け入れを円滑に行う必要があります。そこで災害拠点病院と連携をし、容態が安定をした重症患者などを積極的に受け入れる「災害時連携病院」と、県内で活動する地域DMATを県独自に整備を致します。あわせて、DMATの養成研修の企画や指導などを担うインストラクターは増員をいたします。災害対応力を強化するFEMAの取り組みの一環として危機や災害ごとに対処すべき具体的なシナリオの充実をこれまでも進めてまいりましたが、より強力に図ります。そしてその中に「災害対応工程管理システム」を導入することによってFEMAの主目的である関係機関同士でのシナリオの共有を円滑化させることになります。また家畜保健衛生所の新設や設備改修などによって業務効率化と施設のバイオセキュリティの向上を図ってまいります。
   次に「県民の暮らしを守る」です。まず、増加する児童虐待通告に対応するため熊谷児童相談所を建て替えをし、新たに一時保護所を併設いたします。また所沢と川越の両児童相談所の負担が極めて重くなっており軽減を図るため、南西部地域に新たに一時保護所を併設した児童相談所を新設するための設計に着手をいたします。
   次に、ケアラーやヤングケアラーの支援として、「ケアラー月間」を創設し、普及啓発を行います。またコロナ禍においてドメスティックバイオレンスの増加や深刻化が懸念される中、DVの被害者やあるいは困難な状況にある女性を支援する「自立支援サポーター」の養成・登録制度を構築するなどDV被害者などの自立を支援します。さらに、警察業務の効率化による警察力の強化として捜査管理システムやAI-OCR、RPA等を導入することにより、警察官約40人も増強したのと同様の効果をもたらします。
   次に、2つ目の柱である「デジタルトランスフォーメーションの推進と県経済の回復・成長」のうち「DXの推進」についてであります。まず、県庁において引き続きテレワーク環境の整備、業務のペーパーレス化などを進めてまいります。企業のデジタル化の取組支援としては県商工会議所連合などにDX推進員を配置をし経営支援を充実させるとともに、セミナー開催やデジタル化導入先先進事例などの発信を行ってまいります。また、i-Constructionの推進については、県が管理する道路や河川を対象に3Dで測量をし、これをデータ化し建設生産プロセスにおいてこのデータを活用するというCIM(シム)を推進することで建設現場の生産性の向上を図ってまいります。
   次に「県内経済を支える企業支援」です。まず、感染症の流行や災害発生時に経済活動を継続できるよう中小企業庁の「事業継続力強化計画」認定に向けた支援を行います。また、中小企業の資金調達の支援については、制度融資枠を6,500億円確保をするとともに、融資要件の緩和を図ります。一方、「渋沢栄一創業プロジェクト」として、新たに子育てや環境問題などの社会課題の解決を目指す起業希望者に対しビジネスマッチングや資金調達などを伴走型の創業支援を行います。
   また、県内企業の海外ビジネス展開については新たな支援として県内企業が海外の消費者向けにオンラインで販売を行うEコマースの活用を支援するとともに、海外ECサイトに埼玉県特設コーナーを設置をし県内企業の商品をPRしていきます。
   次に「農林業の生産基盤・販売力強化」であります。まず、生産基盤の強化として、米から野菜などへの作付け転換に関し、高収益の農業を推進するため、水田の排水改良を中心とした基盤整備や野菜生産に適したほ場を整備し、実証を行ってまいります。
   また、持続可能な農林業の確立に向けて、農業法人等の事業継続計画策定支援を行うほか、県産米の競争力強化、花きのオンライン商談システムの導入など、あるいは狭山茶レシピコンテストなどを開催することを通じて、コロナ禍で落ち込んだ需要回復を図ってまいります。
   次に「魅力がある埼玉の発信」についてです。先ほど申し上げましたが、渋沢栄一翁が主人公の大河ドラマ「青天を衝け」が、いよいよ2月14日に放送開始となります。この好機を捉え、渋沢栄一、塙保己一、そして荻野吟子の「埼玉三偉人」のPRと誘客に取り組みます。加えて、バーチャルなYouTuber、いわゆるVTuberを登場させた動画の配信によって本県観光の魅力を発信し、幅広い層の誘客を目指します。
   次に、東京2020オリンピック・パラリンピックでありますけれども、全ての人の安心安全が第一です。そのために簡素化と感染症対策を徹底をし、コロナ禍を乗り越えた新しい時代にふさわしい大会を実現をいたします。開催イベントでも本県の魅力をしっかりとPRし、あわせてテロ対策などもしっかりと講じ、円滑な大会運営に努めてまいります。
   令和3年は埼玉県が誕生し150周年となります。この記念すべき節目の年に県民や市町村、企業などと連携をして、記念式典やイベントを開催するとともに、県民参加型の広報や記念商品の開発などによって埼玉を盛り上げていきます。
   次に3つ目の柱でありますけれども、「持続可能で豊かな未来への投資」のうち、「埼玉版SDGs の推進」についてです。県民をはじめ企業やNPOなど多様なステークホルダーが官民連携プラットフォームを通じて、ワンチームとなって連携協働できる環境を整えてまいります。県民の皆様にもSDGsに積極的にご参加をいただけるよう新たにSDGs推進アプリを準備をさせていただきましたので、活用し御参画をいただくと共にイベント等による普及啓発を県として行ってまいります。
   次のパネルですが「埼玉の豊かな水とみどりを守り育む」というSDGsの重点テーマでありますけれども新たに「Next川の再生」として民間事業者と連携した水辺空間の利活用を促進し、豊かな自然と共生しながら持続的に発展する埼玉県の実現を目指します。そして、県営こども動物自然公園においては園内にある谷戸の再生や絶滅危惧種の繁殖を通じ、生態系の保全に取り組んでまいります。
   また、もう1つの重点項目である「未来を創る人材への投資」についてでありますが、まずは子供達の生きる、EQを高めるため、子ども食堂における体験活動や学習支援を推進をし、単なる食堂だけではない活動に努めてまいります。また、子供たちが県内の様々な「しごと」を知り、将来の目標を具体的に持つことができるよう、県内企業を舞台とした動画を作成し、授業で活用いただきます。さらに児童生徒1人1台端末環境の下において、新たに ICT 支援員を配置し、授業でのICTの効果的な活用を支援するなど学びの充実を図ってまいります。
   次に「誰もが活躍できる埼玉」であります。共生社会プロジェクトの推進として、女性のキャリアアップのための支援をワンストップで行なっていくほか、LGBTQなど性の多様性について、県民や女性の理解促進のための啓発や、いわゆるアライの見える化に取り組んでまいります。また、引き続き「世界のSAITAMAプロジェクト」を推進し、グローバル化など時代の変化に対応できる教育を進めてまいります。
   次に「未来を見据えた基盤づくり」であります。「埼玉版スーパーシティプロジェクト」では超少子高齢社会の課題に対応した「コンパクト、スマート、レジリエント」の3つを要素とするまちづくりに取り組む市町村を支援をしてまいります。来年度は地域経済の要である既存の工業団地に対し、BCPや環境負荷軽減等に資するエネルギーの活用の可能性に関する調査を行うなどして、持続可能なまちづくりにつなげていきます。また、「あと数マイルプロジェクト」は先ほどの道路の話もありましたが、それだけではなく東京12号線などの鉄道の延伸に向けた調査等を実施してまいります。埼玉高速鉄道線、いわゆる地下鉄7号線の浦和美園以北、岩槻までのとりあえずの延伸につきましては、さいたま市と連携をして調査検討を進めてまいります。
   さらに新たに国が施行する直轄国道の整備などと連携をし、関連する県管理道路の整備を重点的に行ってまいります。最後に「安全で快適な学習環境の整備、充実」についてであります。適切適正な学校規模の維持による活性化や社会のニーズに応える特色ある高校づくりのため県立高校の再編整備を行います。第1期として令和5年度開校予定の児玉新校、そして飯能新校の2校について校舎改修等の設計を行います。また、児童生徒の増加に対応して特別支援学校の整備を進めるとともに、児童生徒の通学負担軽減やコロナ対策の車内の過密緩和を図るため、特別支援学校のスクールバスについては増便を行います。以上で令和3年度当初予算案の説明を終わりといたします。当面は新型コロナウイルス感染症対策が優先とはなるものの、あらゆる人に居場所があり、自分らしく生きることができる「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現に向けて、県民の皆様と一歩一歩着実に取り組んでまいります。
   次に「令和3年4月1日付けの組織、定数改正」についてご説明いたします。改正にあたっては日本一暮らしやすい埼玉の実現に向けた施策に重点的に取り組む体制を確保しました。組織改正ですが、まずは広報機能を強化するため、広報課を新設いたします。またシニア活躍推進課とウーマノミクス課を人材活躍支援課と多様な働き方推進課に再編をいたします。この結果、組織は現行の100課123所から101課123所ということとなります。定数の改正の方ですけれども、新型コロナウイルス感染症対応体制の強化のため、全ての保健所に保健師を合計38人増強するほか、医療体制やワクチン接種体制の確保、高齢者施設への感染予防対策強化のため保健医療部と福祉部に12人の増員をいたします。また児童虐待対策の体制強化のため、全ての児童相談所に対し合計で57人の増員を行います。次に、行政のデジタルなどDXを推進するため、デジタル政策幹を新設するなど、企画財政部は7名増員。さらに、経済の回復、成長や雇用の確保に向けたポストコロナ、ウィズコロナの対策を推進するため、経済対策幹を新設するなど産業労働部は5名の増員とします。また災害復旧やSDGsの推進などのため、定数を重点的に配分をし、これらの結果、定数は現行の6,857名から119名増員し6,976名といたしました。以上が、令和3年度組織定数改正の概要です。
   次に、新型コロナ対策解説動画の発信です。県民の皆さんからの新型コロナに対する様々な疑問にわかりやすくお答えをする動画を作成をいたしました。県のホームページやYouTube 、SNS などで発信をしていきます。第1弾として「変異株について」を2月10日に公開をしたところであります。例えば「変異株はどのようにして見つけるのか」、「感染予防はどうしたらいいのか」、あるいは「発生した施設名などは公表しないのか」、こういった疑問に対し丁寧に答えているつもりであります。県ホームページのトップページから「やさしく解説!大野知事の新型コロナ対策」のバナーをクリックをしていただきたいと思います。今後も、県民の皆様の関心度の高いテーマについて、深掘りしてわかりやすくお伝えをしていきたいと思います。
   次に、埼玉県感染症防止対策協力金第4期について御説明を申し上げます。この4期というのは緊急事態宣言下の1月12日からついこないだの2月7日まで時間短縮要請にご協力いただいた事業者に対する協力金としてこれまでも表明してまいりましたが、去る2月8日から申請の受付を他の都県と比較していち早く申請を受け付けを開始をし、そして支給についてもいち早く行うということで本日から支払いを開始をさせていただきました。初日はちなみに4,005件の申請があり、昨日までの4日間で7,846件の申請を受けています。3月26日までこの申請を受け付けますが、審査終了後迅速に協力金がお手元に届くよう努めてまいります。なお営業時間短縮要請の期間は2月8日から3月7日までに延長をされていますが、2月7日までの分については一旦ここで申請を受ける、そして3月8日までその前に解除されることを希望していますけれども、そこについても我々としてもしっかりと対応してまいりますので是非感染拡大を防止し、一刻も早い経済活動を可能にするためのご協力、大切な人の命を守るためのご協力に是非ともご参加いただきたいと思います。
   次に、12市における高齢者施設職員を対象としたPCR検査を行ってまいりましたが、中間報告をさせていただきます。今月から感染が多く確認をされている12市の施設職員を対象に検査を実施しましたが、2月11日時点で検査を希望される施設の従業員13,601人中、11,506人の検査を終えております。陽性者はそのうち3人であり、陽性率は0.03%でありました。施設職員の方々が健康管理に留意をしていただいたおかげもあり、陽性率は低く留まっていますが、引き続き高齢者施設に対する対応を継続強化させていきたいと思います。その一環として今後国の基本的対処方針に基づく高齢者施設職員に対する集中的検査を実施してまいります。県と政令市、中核市が足並みをそろえて実施し、特別養護老人ホームなどに加え認知症グループホームや障害者施設の従業者及び新規入所者を対象といたします。約129,000人を対象とし2月から3月までに検査を実施し感染者の早期発見、早期対応、現状の把握に努めてまいります。私からの説明は以上でありますがこの後、学校における感染症防止対策について教育長より説明をさせます。

教育長

   教育局でございます。緊急事態宣言の期間が延長されたことに伴いまして改めて学校における感染防止対策を強化したいと考えております。1点目といたしまして感染防止のポイントに係るチェックリストを策定いたしまして感染防止対策のさらなる徹底を図ってまいります。県立学校ではこの点検結果を基に指導助言を行ってまいります。
   次に2点目として公立学校での集団感染の事例を取りまとめて感染防止のポイントを整理し、学校にフィードバックいたします。各学校においてはこの事例集を参考に感染防止対策を強化することといたします。最後に3点目。緊急事態宣言中は県立学校で原則部活動を中止しておりますけれども、これを中学校にも拡大することといたします。市町村教育委員会並びに私立学校の所管課にも速やかに情報提供させていただきまして協力をお願いするものでございます。以上でございます。

お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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