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掲載日:2025年3月12日

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令和6年度埼玉版スーパー・シティプロジェクトに係るまちづくり先行事例セミナー 講演資料・動画・テキストデータ

講演資料

動画

講演内容

  1. 埼玉版スーパー・シティプロジェクト概要説明
  2. 北本市の事例『「北本団地」における新たな交流機会の創出』
  3. 小鹿野町の事例『道の駅「両神温泉薬師の湯」の魅力向上』

1.埼玉版スーパー・シティプロジェクト概要説明

モデレーター 晝田 浩⼀郎

それでは時間になりましたので、開始してまいります。

「まちづくり先行事例セミナー」に御参加いただきまして、皆さんありがとうございます。 本日、モデレーターを務めます、株式会社官民連携事業研究所 晝田(ひるた) 浩⼀郎です。よろしくお願いいたします。

今回、このさいたまスーパーアリーナ(で開催している「彩の国ビジネスアリーナ2025」)において埼玉県が埼玉版スーパー・シティプロジェクトのブースも出しておられます。是非、この後ブースもお立ち寄りいただければと存じますが、今、埼玉県として、埼玉版スーパー・シティプロジェクトを進めております。これについて、皆さんの理解もより深めていただければなと考えておりますので、まずは埼玉県庁の方から、埼玉版スーパー・シティプロジェクトについて御説明いただきます。その後、このプロジェクトを促進している北本市、そして一緒にやっている街活性室、小鹿野町とNECネッツエスアイ。それぞれの取組について、どんなまちづくりをやっていこうとしているのか、どんな事例が起こっているのかといったことを皆さんにシェアしながら、一人一人自治体の方、企業の方に持ち帰っていただける、そのような場を1時間で作っていければと考えております。是非皆さん、「Slido」(リアルタイムで質問事項等を共有できるウェブサービス)を使っていただきながら、感想や質問をどんどん、どんどんいただければなと思いますので、1時間よろしくお願いいたします。

では早速、埼玉県庁エネルギー環境課の小林健太郎さんから、埼玉版スーパー・シティプロジェクトについて御説明いただきます。小林さん、よろしくお願いします。

埼玉県 エネルギー環境課 小林 健太郎

埼玉県環境部エネルギー環境課の小林と申します。

 本日は、セミナーに先立ちまして、まず私の方から埼玉版スーパー・シティプロジェクトの概要について、皆さんに御紹介させていただこうと思います。 よろしくお願いいたします。

まず初めに、埼玉県のことをあまりよく知らない方もいらっしゃるかと思いますので、まず埼玉県そのものの概要からお話をします。 埼玉県は東京都のすぐ北側に位置しておりまして、このようなお芋のような形をしております。県の西部の方から山地が広がっていまして、だんだん東に進むにつれて土地が低くなってきております。このような地形の中に県内63の市町村がありまして、今いるさいたまスーパーアリーナはさいたま市なんですけれども、県の北部には郊外型のまちがあったりとか、あと自然豊かな中山間地域があったりとか、いろいろな地域性を持っている県ということが言えます。なので、よく日本の縮図なんていう言い方もされます。

県の人口は国勢調査によりますと、734万人で全国5位。平均年齢も46.8歳と比較的若い県となっております。企業の状況を見てみますと、県内の企業数は16万262社があって、これも全国5位。県内総生産も23. 7兆円で、これも全国5位と、比較的企業も元気のある県だということが言えるかなと思います。また、交通面を見てみますと、新幹線で東日本の主要な都市と直結していたりですとか、高速道路で東北道、関越道、常磐道、あと外環道と圏央道がつながっていて、非常に交通網も発達しています。日本一の交通の要衝ともなっております。埼玉県、こういう結構いい数字が並んでいるんですけれども、実はですね、人口減少というものがもう進んでいるんですね。だんだん人口が下がってきている状況に入ってきております。少子化や急速な高齢化に伴う本格的な人口減少社会の到来というのが予想されておりまして、そうするとどうなるか。 まず、商業と交通の衰退や空き家の増加などによって、都市がスポンジ化していく、スカスカになってしまうという状況が見込まれています。また、医療とか福祉の費用も増加していき、財政運営がなかなか厳しくなっていく状況になる。そうすると行政サービスの維持とかインフラの更新も困難になってきますし、また近年では激甚化とか、頻発化する災害ですよね。そういったところの対応も行政としては迫られてきております。こうした状況にある中で、将来を見据えて取り組んでいこうというのが、この埼玉版スーパー・シティプロジェクトになります。埼玉版スーパー・シティプロジェクトは、市町村の「コンパクト」「スマート」「レジリエント」、この3つの要素を兼ね備えたまちづくりを埼玉県が支援していくというものです。今日お集まりの皆様には、とりあえずこの「コンパクト」「スマート」「レジリエント」、この3 つのコンセプトだけでも覚えて帰っていただければありがたいかなと思います。埼玉版スーパー・シティプロジェクトは繰り返しになりますけれど、「コンパクト」「スマート」「レジリエント」なまちづくり。では、どういうまちづくりかと申しますと、「コンパクト」で言えば、例えば、複合拠点とかですね、医療、福祉、交流等複合拠点を整備して、歩いて暮らせるようなまちを作りましょうとか。また、「スマート」は今日もいろんな企業さんの展示がありますが、スマート技術がどんどん発達してきています。そういったスマート技術を活用しながら利便性の高いまちづくりをしていこうと。また、災害時でも、エネルギーが途絶えないような仕組みを構築するような、再エネを使ったりだとか、蓄電池を導入したりとか、そういったところで「レジリエント」、持続可能なまちづくりを進めていこう。こういったところをコンセプトとしてやっているまちづくりが埼玉版スーパー・シティプロジェクトになります。

市町村の皆さんが主体となって頑張っているまちづくりなので、県ではこのような支援をいろいろ行っています。

 まず、1つ目は市町村事業化支援チームと書いてありますが、県の関係課が各市町村の取組に応じてチームを作って、全庁一丸となって支えています。また、プロジェクトの推進補助金という財政支援のメニューも設けております。あと、まちづくりに関しては、技術的な支援、専門的な分野ですので技術的な支援をしたりだとか、あとは行政だけではまちづくりができない時代になってきています。ですので、企業の皆様のお力添えも借りたいなということで、市町村と企業等の皆様をマッチングするような機会を設けようという支援もやっています。またこれも5番目は財政支援になるんですが、プロジェクトを加速させる取組につきましては、県の補助金に上乗せを設けたりですとか、また県の直接やっている事業で市町村の事業と連携することで非常に効果的に見込まれるものとか、そういったものも積極的に県の方でも展開したりしていて、このような支援を市町村に対して行いながら、埼玉県のまちづくりを進めているところでございます。

最後にですね、県内の今取り組んでいる市町村の数になります。冒頭に埼玉県は63市町村あるということをお伝えしたんですが、そのうちの46団体が今エントリーをしておりまして、実はですね、もう間もなく、今年度分のエントリーの内容が発表になるという段階なんですけれども、いずれにしても、エントリーする自治体というのが増えてきていまして、令和8年度までには県内の63市町村、全ての自治体がこちらのプロジェクトにエントリーしていただいて、取組を進めていこうという意向を示してくれています。

こういった市町村の皆様と一丸となって、県も支援をしながら皆さん、日本一暮らしやすい埼玉を作るべく取り組んでおりますので、企業の皆様方におかれましても、御協力をいただければと思っております。

本日このセミナーでは、先行して取り組んでいただいている、北本市と小鹿野町、この1市1町の取組について御紹介をさせていただきますので、是非、皆様に参考にしていただければと思っております。それでは説明は以上になります。 では今日、短い時間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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2.北本市の事例『「北本団地」における新たな交流機会の創出』

【講演】

モデレーター 晝田 浩⼀郎

小林さんありがとうございます。今日ですね、埼玉県庁の埼玉版スーパー・シティプロジェクト、先ほど言っていました「コンパクト」「スマート」「レジリエント」とこの3つのキーワードがありますが、出ていただいて左側のところにブースが出展されております。是非、先ほどの小林さんをはじめ、県庁の方がいらっしゃいますので、「もう少し聞いてみたいんだよね」「もうちょっとこういうこと一緒にやっていきたいんだ」という、自治体の方、企業の方は是非、お立ち寄りいただければと存じます。

それでは早速、先行して進められている、北本市と街活性室の皆さんの取組について簡単にシェアさせていただければと思います。北本市の皆さんよろしくお願いいたします。

北本市 政策推進課 國友 裕太

皆さんこんにちは、北本市役所政策推進課の國友と申します。

私たちからは、北本市、街活性室の連携の取組として、北本団地における新たな交流機会の創出について発表させていただければと思います。まず初めになんですけれども、北本市と北本団地について簡単に紹介させていただきます。 北本市は人口が約6.5万人、面積は20キロ平米に満たないような比較的コンパクトな街と言えると思います。JR高崎線で新宿・東京まで直通で約50分程度、割と都心近郊にある街となっています。北本団地は、市の南部、駅からバスで7分程度の場所に位置しており、築50年を迎える比較的大型の団地です。この団地を取り巻く状況としては、この日本の高度成長期に建設されたということもありまして、一斉入居がされたこともあって、従来からの地域課題としては、市内でも群を抜いて高い高齢化率だったりとか、独居高齢者の増加、商店街のシャッター街化などがありました。一方で、こうした北本団地なんですけれども、何とかしたいという熱い思いを持ったキーマンの方がいらっしゃいました。こうしたキーマンの方が主導して、数年前に「北本団地活性化プロジェクト」というものが開始されました。この「北本団地活性化プロジェクト」を皮切りに、シャッター街化した団地内商店街に、コミュニティ機能を持つ店舗が入ったりですとか、その後続々とですね、空き店舗が埋まっていって、結果として団地の人口が、社会増に転じるような状況となってきています。

ガバメントピッチでは、この北本団地を、市の20年後の姿として捉えて、団地のファンを増やしていくということを目指す姿として強調してきました。というのも、北本団地の人口構成を見ていくと、市全体と比較すると、高齢化率が10パーセントほど高くなっています。20年後に予想される市全体の人口構成ととても似ている状況というのがあったためです。こうした団地に若い世代の人が興味を持って住んでもらったりとか、イベントに参加したりとか、自分事として北本団地に関わってもらうことを目指して、ライフステージの変化で北本団地から転出をしたとしても、周りの人に北本団地のことを勧めたりとか、イベントの時には戻ってくる、そういった姿を目指していて、市全体に置き換えても、それは基本的に考え方が同じなんじゃないかなと思っています。

ガバメントピッチで発信したニーズというのが盛り上がってきつつある団地でも、まだまだ無関心な住民の方というのは多くいらっしゃいます。そういった方をうまく巻き込んで、団地住民の方だったりとか、団地に関わる人たちのつながりを促進することで、「挨拶+一言」こういった関係が、自然と生まれるようなものを作っていけたらという話をさせていただきました。団地で行われている様々な活動だったりとか取組を、住民の皆さんに知っていただいて、参加してもらって、広げてもらう。こうしたことでうまく住民に関わってもらうことで、北本団地のファンを増やしていきたいというふうに考えています。

北本市 市⻑公室 益⼦ 恭輔

 同じく北本市でプロジェクトを担当している市長公室の益子と申します。ただいま國友からお話があったようにガバメントピッチでそういった発表させていただいた後に、街活性室からはこんな提案をいただいております。「ヒト・モノ・バショ・コト つながるプラットフォームで地域活性化を目指す」、こういった内容で、いただいた提案全体は団地ニュースの発行だったりですとか、ポータルサイト、それから自治会支援、生涯学習事業の実施など、多岐にわたってかなり充実したものでした。そんな充実した提案の中でも、どんなことができるかなって考えたときに、人と団地をつなげる「マチカツ」というプラットフォーム、これに惹かれました。これを活用して、住民向けの居場所や取組が持続的かつ発展的に生み出されるような仕組みが模索できないだろうか、それと団地で活動する人たちと連携しながら、このプラットフォームを活用して、住民に開けた居場所や取組作りの実践ができないだろうか、こういったことを考えました。 イメージとしては、団地で活動するグループが他のグループと連携して、いつもと違うコンテンツで住民の関わりを増やしていく、こういったような団地の熱い人たちを後押しして、住民の交流機会を作っていくことで、団地エリアの魅力向上につなげられたらいいなと、このように考えました。 というのも、今回は埼玉版スーパー・シティプロジェクトの「コンパクト」ということで取組を進めておりますので、北本団地と周辺エリアの近年の変化について、もう少しお話をさせていただければと思います。

実は近年この地域は、市全体で見ても類を見ないほどアツい地域と言えます。 団地の商店街を見ると、ガバメントクラウドファンディングといった、ふるさと納税の枠組みを活用した市の支援で、近年、空き店舗に続々とコミュニティ機能を持った店舗がオープンしています。北本団地活性化プロジェクトによりオープンしたシェアキッチン・シェアスペース・ジャズ喫茶「中庭」を始め、街の工作室といったクラフトワークなどが行われるアトリエ、それからダンススタジオなど、ガバメントクラウドファンディングの支援で5店舗ほどオープンしています。また、市とURとの連携がきっかけとなって、リニューアルした団地の管理事務所に住民の生活を支援するアドバイザーが配置されました。その他にも、昨年、団地内の集会所の隣に新たに防音スタジオ、これURが作ってくれたものなんですけれども、そういったものがオープンしたりと、「中庭」のオープン後に団地内の商店街施設がかなり充実してきたと言えます。それと周辺エリアの方に目を向けますと、団地の北側の閉校した小学校跡地、こちらに一昨年新たな公設保育所がオープンし、今年の6月には市内、施設再編の市内初の複合施設となる市民活動交流センター、こちらがオープンします。さらには、団地の東側ですね、「デーノタメ遺跡」という縄文遺跡があるんですけれども、これが昨年の秋に正式に国の史跡として指定されました。少し先の話にはなるんですけれども、今後雑木林を生かした史跡公園として整備をしていく方針です。その「デーノタメ遺跡」と団地を挟む道路、こちらについては、今後、都市計画道路として広くて綺麗な道路を整備していく予定です。見ていただくと分かるとおり、かなり変わってきますので、やっぱりそこで暮らしている人には、是非、北本団地のファンになっちゃってほしいなというふうに思っています。

そういった中で魅力的な地域づくり、これを考えていきますと、是非とも団地で暮らす皆さん自身に周辺を含む地域の魅力を実感してもらいたいなと思っています。ハード面の施設の整備関係、先ほどご覧いただきましたが、ソフト面で考えると、団地で暮らす皆さんが日頃の暮らしの中でいかに地域と関わりを持つか、こういったことがポイントになると考えています。施設を利用する、イベントに参加する、それと人と緩く交流する、自らが主体となって活動する。こういった度合いはそれぞれ違うと思うんですけれども、団地内では住民に開かれた活動というのが様々あって、それらの活動主体間での連携を促して、住民が関与する裾野を広げていけたらなというように考えています。

具体的にどんな取組を行ってきたかということをお話ししますと、当初は街活性室のプラットフォーム「マチカツ」、これを活用して、団地内の資源、基本的には活動グループがメインになるかなと思うんですけれども、そういったものを整理して、それぞれの活動主体間での連携した取組をモデル的に生み出せたらなと考えていたんですけれども、地域に出るとなかなかそんな簡単にはいかずというのが実際のところでして、なので、まずは団地で活動するキーマンへのヒアリングだったり、ネットワーク作りといった連携体制の構築に向けた素地作りというんですかね、地域の会議に参加したりとか、打ち合わせに顔を出したりとか、訪問させていただいたりだとか、そういったことでこまめにコミュニケーションをとることから始めました。そういった中で自治会が主催する秋祭りであったりだとか、商店会が主体的に行うクリスマスマーケット、こういった交流イベントをマイルストーンにして、それぞれのニーズを聞きながら、うまくプラスアルファの連携要素、これを注入して、住民参加の裾野を広げるような仕掛けにチャレンジをしてきました。3月には社会福祉協議会、それから生活支援アドバイザーを担うURコミュニティ、この辺りと連携を密にして、団地で活動する様々なグループ、自治会から商店街店舗、それから住民主体のサークル、こんなところに声掛けをして、それぞれが連携して住民の皆さんがそういった取組を知ってもらったりだとか、あとは体験してもらったりだとか、それからその後参加につなげてもらう、こういったきっかけとなるような交流イベントを現在調整しているところです。活動団体のつなぎというところは人的に行いつつ、プラットフォームの方は市全域で見て、地域資源の収集、整理を行っているところで、これからどのように公開していくかというのは検討しているところです。ここからは街活性室さんから取組を進める中での課題や展望等を交えてお話いただけたらと思います。

街活性室株式会社 代表取締役 斎藤 徹

改めまして、街活性室の斎藤でございます。簡単に私どもの会社概要を説明しますと、地域課題解決と持続可能なまちづくりを目指す社会的企業ということで、収益の3分の1は地域還元としまして株主還元はしない会社でございます。

私どもは公共施設運営を軸としていまして、御覧のとおりの図になっておりますが、NPO支援施設、コミュニティ施設、子育て施設、男女共同参画施設など、いわゆる中間支援を行う施設を運営している他に、4自治体でエリアマネジメント支援の実績がございます。こちらは事例としまして、新白岡、それから桶川ですね。新白岡は都市再生推進法人に向けて、今、市民主体の団体が法人化している段階まで至っております。桶川の方は、PFIで事業者として大和リースさんと一緒になって、商業と連携したエリアマネジメント、こういった形を展開してございます。先ほど北本市の方から御説明がありました、実は「北本団地における課題とは何か」と考えたときに、すごく主体的に動く方はたくさんいらっしゃいます。店舗・事業者ですね。地域のまちづくり会社、暮らしの編集室さんとか、いろいろ頑張って、シャッター商店街には全然なっていないという素晴らしい取組。それから団地・住民もですね、実は北本団地の自治会、高齢化はしてはいるんですが、とても活発に動いてらっしゃいます。そこにURやURコミュニティが支援していく。 そして中間支援としまして、北本市、それから我々街活性室、それから社会福祉協議会も積極的にやっていただいております。 実は担い手それぞれはですね、尽力、すごく活躍されているんですね。ただ、一方でそれぞれの方々が課題、資源不足に悩んでいる。私どもが入ったとき、1年前は「これをつなぎ合わせて連携しながらやっていけばいいよね、そこにデータベースを組み込んでいこう」と考えたんですが、なかなか各皆さん、思いが強いだけにヒストリーとかがあって、「いやいやいや、我々は自分でやるよ」みたいな思いの方も多く、それをゆっくりと溶かしていく必要があるんだなというのを、ここで感じました。

ここ(資料)にも書かせていただきましたが、相互理解、これをまずは支援し、時間をかけてお互いを連携していく。これが1年、2年ではなくて、おそらく5年、10年スパンでやっていく必要があるんではないかなというのを北本市で、課題として感じた次第でございます。

では、北本団地の課題解決に向けてどのようにやっていくかというのを図示したのがこの図でございます。下の方から見ていただきまして、いわゆる北本市における中間支援者、北本市、街活性室、社会福祉協議会と。この方々が連携しながらやっていくのですが、特にこの北本団地、先ほど北本市からも御説明ありました「栄市民活動交流センター」という小学校を廃校したものを市民活動支援の施設とコミュニティの施設にしていく。私ども、これを事業体で指定管理を受ける形でやらせていただくことになりますが、こういったように、公共施設の運営主体が、この地域の課題解決に向かって持続的に取り組んでいくような仕組みが一番いいのではないかなというふうに、私どもは考えております。 この指定管理運営の中で、先ほど言っていたマッチングシステム、それから地縁団体の支援システム、地域情報サイト、それから様々な事業を行っていく。マッチングシステムを入れただけで機能するものではなくて、やはりマンパワーでずっと地域の人たちとこういうシステムをやっていきましょうという長い時間が必要だと考えております。こういった仕組みを使いながら、(資料の)上に書いてあります、いろんな関連主体と団地自治会の賑わい創出、担い手創出などに取り組んでいく、こういうふうに考えてございます。

最後のスライドになります。私見ではございますが、地域を持続可能にしていくためにはどうしたらいいか。おそらく、地域の担い手不足・高齢化というのは、どこの自治体、どこの地域でも共通の悩みだと思います。この担い手不足の解消、そして地域を持続可能にしていくためにはどうしたらいいか。 私どもは、これは私見ではございますが、継続的に担い手発掘、そして連携・支援していく中間支援のようなシステムが必要ではないかなと考えています。この中間支援を誰がやっていくかというのが一番の課題ですが、ここ(資料)に行政・コンサル・地元企業が厳しいよと書かせていただいたのは、当然人口減少の中では予算も職員数も増やすというわけにはいかないので、これ以上行政の職員の方々がこの中間支援にマンパワーを割くというのは厳しいのではないかな、当然コンサルも1年限り、2年限り、地元企業も自分の商売で忙しい。中間支援というのはやはりですね、ボランティアで行っていくというのは非常に厳しい、この中間支援を何とか運営する資金を継続的に捻出していくような仕組みが必要ではないかなというふうに個人的には思っております。そのための中間支援をなるべく行政の予算を増やさずにやっていく仕組みの一つとして、今回、北本団地では、指定管理者制度、いわゆる公共施設の運営の中で、地域を持続可能にして担い手を育成していく。先ほど紹介した桶川坂田ではPFI事業者、この場合大和リースさんですけれども、と一緒になってエリアマネジメントをやっていく。 新白岡では中間支援法人を組成して、そこにやはり公共施設運営などの仕組みをしていく。こんなような、例えば、指定管理者制度みたいな制度を活用しながら、なるべく行政予算を大きく出さずにやっていくような仕組みづくり、これを継続的にやっていくことが、地域持続化のためには必要ではないかなというふうに思っております。私からは以上でございます。ありがとうございました。

【質疑応答】

モデレーター 晝田 浩⼀郎

ありがとうございます。ここから少し前に出ていただいて座っていただきながら、10分弱ぐらい、5、6分になっちゃうかもしれないんですが、この北本市、街活性室の取組について、深掘りをしていければなと考えております。皆さん、お手元の2つ目のQRコード、「Slido」を使っていただいて、是非、質問を。いっぱい来ていますね。「説明わかりやすかったです」とかですね、いろんな質問・感想をお気軽に書いていただければなと思います。 益子さん、そして國友さん、斎藤さん、ありがとうございました。

早速なんですけど、今回この埼玉版スーパー・シティプロジェクトのこの仕組みの中で、ガバメントピッチといった形で、北本市がこういうことをやっていきたい、今回の場合でいえば、北本団地をもっとファン作りの一環にしたいってことだったと思います。いろんな企業さんからの提案もあったりだとか、(事業化に向けた協議を)進めていく中でいろんな話があったと思いますが、自治体から見て、「やっぱりここが企業と一緒にやっていくときのポイントだったな」というようなことがあれば、簡単にシェアしていただければと思いますが、いかがですか。

北本市 政策推進課 國友 裕太

ありがとうございます。企業の方と一緒にやっていく上でのポイントというのは、やっぱり共創というところで始まったものでもありまして、自治体だけでも解決できないし、企業さんだけでも解決できないようなことを一緒にやっていこうというところではありましたので、一緒に、もう同じチームメイトとして一緒のところでですね、課題解決に取り組んでくれる、そういった温度感を持ったところを大事にしていきました。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

「大企業だから」とか「地元だから」とかではなく、そこの思いが一緒だったかどうかってことですよね。これ、逆に斎藤さんにお伺いできればと思いますけど、北本市とやっていく中で行政と、こういった共に創る共創事業をやっていく上で、企業として意識したことなどがあれば、シェアしていただきたいです。

街活性室株式会社 代表取締役 斎藤 徹

はい。企業としては、ガバメントピッチの場合は、行政と対等な立場でというか、お互い協力し合いながらということで、どちらかがやるという形ではなくて、両方やりながら、相互に協力しながら共同でやっていくというところを心がけました。特に北本市はそういった思いがすごく強かったので、とてもやりやすかったかなというふうに思っております。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

単に受発注とか、「企業だから行政の言うとおりにやれよ」ではなくて、「一緒になって考えていきましょう」ということをすごく意識されたってことですね。

街活性室株式会社 代表取締役 斎藤 徹

おっしゃるとおりです。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

その中でも、質問にも少しありましたけど、とはいえ「やっぱりここが大変だったんだよね」というのが、まずスタートしようという段階であったり、今プロジェクトが進み始めた段階だと、去年からスタートしている形ですよね。

北本市 市⻑公室 益⼦ 恭輔

去年の6月ぐらいから正式にはスタートしています。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

という中で、進めていく中でいろんな御苦労もあったかと思うんですけど、そうした御苦労、どんなことがあったかとか、どう乗り越えていったかみたいなことをシェアいただけると嬉しいです。

北本市 市⻑公室 益⼦ 恭輔

私から少しお話をさせていただくと、共創ということで、「一緒にやっていきましょうね」ということなんですけれども、地域の課題としっかり向き合っていくというところに主眼を置いていましたので、何て言うんでしょうね、一概に仕様みたいな形で「こういった形でやってください」っていう投げ方ではなくて、「こういった形でやってみたらどうでしょうか」っていうような仮説を立てながら、一緒に取組を進めていくっていうようなやり方をしていました。なので、「こういった形でやってみたらどうでしょうか」って、もうスタートの段階でポシャったといいますか、地元で活躍しているキーマンの方々に話をしたら、「ちょっと難しいんじゃないかな」とかっていうふうに言われて、もう最初から構想が崩れてしまったとかっていうのもありましたし、実際地域の中に入ってみると、なかなか我々がやろうとしているものがうまく伝わらなかったりとか、そういったところも直面してますので、ただもうトライアンドエラーの繰り返しということで、「違ったな」と思っても、「じゃあ、こうやってみようか」って、「やっぱり、そうだったね」とかって、そういうのを繰り返してやってきたっていうのが今の状況、苦労したところですかね。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

「Slido」でも来ていますけど、「どう変化がありましたか」とかっていう質問もあったり、「補助金を活用されましたか」ってあるんですけど、まだ1年も経っていない取組なので、大きな変化はないとは思っています。とはいえ、外部への情報発信であったり、内部の方々、協力者の方への情報発信、協力依頼という形があったかと思いますが、そのあたり、対話を通していったとか、内部向け、外部向けでの打ち出し方、「私たち、こんなことやろうと思っています」っていうのは、どういうふうにして発信していっているんですか。

北本市 市⻑公室 益⼦ 恭輔

対話は結構常に行っていまして、特に街活性室には動いていただいて、もうそれぞれのキーマンの方に個別にアタックしていただいて、「今こういう状況なんです。例えば自治会の方で、今、こういうのやろうと思っているんだよねとかって話があるんです」とかっていうのを、適宜、伝令じゃないですけど、調整役で動いていただいてとかっていう、そういった形での情報共有っていうのは街活性室にはかなりフットワーク軽く動いていただけたので、少し連携の兆しが浸透しつつある状況なんじゃないかなっていうのは個人的には感じています。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

なので、この外向けっていうよりは、まずは土台を作っていく内部の仲間作りっていうところを、この1年弱、力を入れてきたっていう取組なんですかね。

北本市 市⻑公室 益⼦ 恭輔

そうですね、おっしゃるとおりです。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

今後、これを、自治体側・民間側、両方聞ければと思いますけど、この北本団地を通した北本市の今後の展望であったり、将来のまちづくりへの想いみたいなことを教えていただければと思いますが。

北本市 市⻑公室 益⼦ 恭輔

先に自治体目線でお話をさせていただきますと、先ほどもお話させていただきましたが、北本団地周辺含めて、かなり景色が変わってきますので、ただハードが変わってきたからといって、中で暮らしている人たちがその地域を魅力的だなと感じてもらわないと意味がないかなと思いますので、そのために何ができるかなっていうのを、引き続き考えていきたいなと思っています。

街活性室株式会社 代表取締役 斎藤 徹

私どもとしてはやはり、住民主体のまちづくりというところに力を入れていますので、北本市に限らず、どんな自治体でも必ず「まちを良くしたい」「こういうことをやりたい」って方が多いので、そういった方々が持続的に活動できるように支援していく、こういった形で考えております。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

このキーマンとの出会い方っていうのは、もう本当に足で稼ぐっていうようなことを斎藤さん、益子さん、國友さんたちはやられてきたっていう形なんですよね。紹介されたってことも、もちろんあると思うんですけど。先ほどの「マチカツ」の仕組みで、将来的にはその仕組みを使って、いろんなキーマンとつながれるっていうことを目指しているんでしょうけど、まずはその土台は、言い方はあれかもしれないですけど、泥臭いというか、アナログチックな形で進められたっていうことなんですかね。

北本市 市⻑公室 益⼦ 恭輔

おっしゃるとおりで、我々も一緒に行ったりとかしていましたけど、街活性室には特に動いていただいて、「プラットフォームを使って自動的に皆さんでつながっていただくといいのかな」なんて思ってたんですけど、まずは人的にそれをやるっていうようなやり方を、これまでしてきたっていうことですね。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

大事ですね。あっという間にですね。ちょっと時間が短くて申し訳ないですね、1時間しかないので。いろんな質問、「Slido」でいただいています。 この後、北本市の皆さん、そして街活性室の方、埼玉版スーパー・シティプロジェクトのブースが出ていただいて左側にあります。あと少し、このブースも使えるよっていうことなので、後ほど細かなところですね、「補助金使ったんですか」とか、「団地の指標ってどういうふうに測るんですか」とか、すごく興味深い質問もたくさん「Slido」にいただいていますので、是非興味がある方は、この御三方を見つけていただいて、声をかけていただければなと思います。最後に一言ずつ、今日来てくださっている皆さんに、この埼玉版スーパー・シティプロジェクトを活用していくことであったり、まちづくりであったり、北本市の宣伝でもいいんですけど、一言ずつちょっと皆さんにエールをお願いしたいです。

北本市 政策推進課 國友 裕太

じゃあ、私から。こういった官民連携の取組っていうのは、結構、今、話題になってきているところですけども、実際にやってみるとですね、自治体目線で言うと自治体の課題を企業の皆さんにどうやって分かりやすく伝えるのか、例えば自治体用語だったりそういったことはなかなか伝わらなかったりとか、予算要求の時期にはちょっと遅いっていう面もあったりするので、そういった面のハードル、これをどうやって乗り越えていくかとか、そういったことは自治体の皆さんには参考にしていただけるかなと思います。これから、こういった連携というのはますます多くなってくると思いますので、企業の皆さんもどうぞよろしくお願いいたします。

北本市 市⻑公室 益⼦ 恭輔

私からは埼玉県(の担当者)、それから晝田さん、それから斎藤社長、皆さんに出会えて本当に地域の方に対して真剣に考えることができました。ですので、皆さんも是非、一歩を踏み出していただけたらなと思っています。

街活性室株式会社 代表取締役 斎藤 徹

私からは、どんなまちでも本当にまちを良くしたいという方々がいる、 ただ、その方って結構厄介な方も多いんですが、是非そういう方々と末永く、忍耐を持ちながらお付き合いをすると、どんなまちも活性化するのではないかなと思うので、是非、動いていただければと思います。ありがとうございます。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

北本市の皆さん、街活性室の斎藤さん、ありがとうございます。

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3.小鹿野町の事例『道の駅「両神温泉薬師の湯」の魅力向上』

【講演】

モデレーター 晝田 浩⼀郎

続いては、小鹿野町とNECネッツエスアイの皆さんに御登壇をお願いしたいと考えております。ありがとうございます。それでは小鹿野町の皆さん、準備できましたら。いいですね、法被(はっぴ)でやる気がある。小鹿野町の皆さんよろしくお願いします。

⼩⿅野町 地域商社推進室 ⼭下 雄⼀

それでは、小鹿野町まちづくり観光課の地域商社推進室から来ました山下より、本日発表させていただきたいと思います。今、服に触れていただいたんですけれども、小鹿野町は秩父地域の盆地の中にありまして、365日どこかで、結構お祭りをやっている地域であるというイメージをお伝えしたくて、服装から。言葉じゃなくて、服装でお伝えしている感じです。よろしくお願いします。ちょっと時間も限られておりますので、本日、私主導でこのスライドの発表の方は進めさせていただいて、一緒に本日登壇いただいているNECネッツエスアイの林田様、高橋様とは、この後の質問の方で交流させていただければと思います。よろしくお願いします。

それでは、改めて小鹿野町の御紹介をさせていただきたいと思います。 小鹿野町は、場所をあまり認知されていないところがありまして、改めてちょっと、さっきの埼玉県さんのお話のとおり、さつまいもの形から御説明できればと思うんですが、秩父地域の方に秩父市に囲まれた形で小鹿野町があります。池袋駅から特急で約80分、そこから、西武秩父駅の方からバスで30分、山を越えてたどり着ける場所にあります。町全体の82パーセントが森林で、自然豊かな町となっております。主な産業は製造業、建設業、観光業で構成されています。この盆地の地形に守られて豊かな自然や伝統文化が現代まで残っています。その中でお祭りもあるわけです。これらを活かして、小鹿野町は観光産業に力を入れていきたいなと考えて動いております。観光産業に力を入れる目的の一つは、これらの魅力を日帰りや宿泊で知っていただき、それをきっかけに町の名前や情報を知り、住んでいただける可能性の向上につなげていきたいという思いを込めて、取組を進めているということです。 さっきの埼玉県さんの話にもあったんですけれども、小鹿野町も例に漏れずに、人口減少が加速度的に進んでいます。直近の1年間では、1万人の人口に対して200人の人口減がありました。大体2パーセントの減少率です。人口が減ると、町の体力が落ちて、インフラの維持とかもだんだんできなくなってくるという問題が出てきます。このままだと、未来に豊かな自然と文化を残すことが難しいことが容易に想定できる、ということから、今から対応をしていかなければと、動くことにしました。

対策を考える上で、未来がどのようになると良いか、ありたい姿を考えました。 人口流出を止めたり、人口増加をさせることができるなどすれば理想ですが、県内だけで見ても魅力的な土地は多く、現実問題として、これらをすぐに達成することは難しいと考えました。

そこで、まずは関係人口と交流人口を増加させ、小鹿野町に気がついてもらう、来てもらうことから生まれる地域経済の活性化から取り組んでいこうと考えました。秩父の名前は有名ですが、先ほども言いましたけれども、小鹿野町はまだまだ知られていないと今でも実感しています。 関係人口、交流人口が生まれるきっかけは名前を知り、その地に興味を持ち、出かけようという人たちから始まると個人的には思っています。その人たちは日帰りの利用が多いという仮説を立てた結果、道の駅を題材に取組をやってみようと思いました。そのタイミングで、令和5年度のガバメントピッチがありまして、同タイミングで小鹿野町としても100パーセントを町で出資して作った「株式会社地域商社おがの」という会社に道の駅を指定管理させるという動きをとったことも合わさり、ガバメントピッチに参加し、地域商社の指定管理の取組、運営の改善等を含めた認知度の向上等々を、加速度的に進めていけるのではと思って、参加させていただきました。

少し古いデータで申し訳ありませんが、全国的な人口減少や多様化する需要の分散により、観光入込客数も年々減少する傾向にあり、苦境に立たされている状況にあります。この状況を改善し、来場者数を増加させるために、道の駅をきっかけに、様々な改善の取組をしていこうと考えました。

その題材とする道の駅について御説明できればと思います。「道の駅 両神温泉薬師の湯」という名前なんですけれども、こちらは山に囲まれ、食や地場産野菜の直売等を行っております。また名前のとおり温泉も付いており、日本百名山の一つの両神山の麓にありますので、登山帰りやドライブの目的地として、主に日頃は高齢層に来ていただいております。 町内の行事なども掲示板などでお知らせしておりまして、情報ステーション機能も備えており、とりあえずここに来ればいろいろ分かるという道の駅らしい作りになっています。令和5年度のガバメントピッチの時は、道の駅は町中をつなげるハブになるという切り口で現状を説明し、ここを核として地域経済・観光再生をしたいと発表しました。

その中で解決したい課題については、このスライドに映っている3点を挙げさせていただきました。本日、一緒に登壇していただいているNECネッツエスアイとは、一番目の未来のお客様が来ていないという点について、深掘りしていく方向性で共創をスタートさせることが決まりました。思い出に残る施設となり、子供が来るようにするにも、現状はどの曜日、どういう属性の人たちが来ているのか、そういった情報がしっかり積み上げられておりませんでした。入館者数のレジ管理の方から、町内、町外、ざっくり大人、子供が1日全体でどのぐらい来ていたかを後で知ることができる程度にとどまっておりました。これでは、今後どのように進めていけばいいのかの土台がありませんでしたので、まずは、こういうデータをしっかり検証する力というのをつけていく。その後に、必要に応じてしっかりとしたデータ収集用の基盤インフラみたいなものを整備、そういうステップアップの御提案をいただいたということです。

その、データ分析をする力をまず備えるという点で、従業員教育を行っていただいたというのがありまして、次のスライドなんですけれども。令和6年の3月13日にNECネッツエスアイ様の日本橋にあるイノベーションブースの方に御招待いただきまして、デジタル活用の先駆的事例を有する事務所でしたので、そういった設備面の御説明から考え方・捉え方の勉強というものを、指定管理に入っている会社の方も巻き込んで一緒に学ばせていただきました。これをきっかけに、1年間以上継続して現場では改善を行っています。まだ具体的な、何か設備を導入したとかはないんですけれども、そういった理解を深めるというステップを今、慎重に一緒に、考えながら進めているという段階となっております。自然と文化豊かな町を、未来に残していきたいということで引き続き動いていければと思っております。小鹿野町からの発表は以上で終わりとなります。ありがとうございました。

【質疑応答】

モデレーター 晝田 浩⼀郎

ありがとうございます。山下さん、林田さん、高橋さん、前の方に出ていただいて座っていただいて、質疑応答で深掘りできればと思います。先ほどと同じような形で「Slido」も活用して、質問等と北本団地の北本市の取組の質問も残っておりますが、あえて残しておきますので、是非、上書きしていただきながら、どんどん質問・感想も含めて、書いていただけると幸いです。

先ほどの北本市っていうのは住民の、団地からまちを盛り上げていこうという形でしたし、今回の小鹿野町は観光施設、観光の側面からまちを盛り上げていこうっていう話でした。いろんなまちの盛り上げ方があるんだなっていうことの切り口として、まずお伺いできればと思いますけど、この道の駅であったり、先ほどの、これから取組をしていくに当たって、すごく対処療法的にいろんな小手先のやり方はいっぱいあったかなと思うんですけど、すごく本質的な、まずはデータ分析だとか、どういう属性かっていうことを研修も含めてやられたっていうことですけど、対処療法ではなく、本質的なところからやっていこうとしたところはやっぱり小鹿野町としても、そこら辺の思いも聞かせていただければと思いますが。

⼩⿅野町 地域商社推進室 ⼭下 雄⼀

そうですね、やっぱり勘と経験に基づくアクションっていうのは、結構これまでも多く取り組まれてたかと思うんですけれども、成功する確率っていうのはどうも読めないっていうところで、財源が限られている、人口減少しているというところの中で、なかなか失敗というのが許されない背景があるので、慎重に行っていくにはそれなりの根拠が必要というところから詳しいデータを、というところに着目したという流れですね。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

なかなか行政からすると、「データ分析が大事だ」とかEBPMって言葉とかもあったりするんですけど、なかなかデータ分析・データの利活用って難しかったかと思います。このあたり、林田さん、高橋さん、民間の立場から、行政になかなかデータ分析やったことない人たちに大事なのは分かっているけど、どうすればいいか分からないっていう方々に、教えていくというか、学びをシェアしていくっていうのはなかなか御苦労された部分もあるんじゃないかなと思いますが、いかがでしたか。

NECネッツエスアイ株式会社 林⽥ 達也

おっしゃるとおりですね、元々我々の提案としてはカメラを仕掛けて、AIで分析をして、車の車番とか、あと先ほど山下さんがおっしゃられたとおり来場者の性別とか年齢というのを分析して、まずは現状を知りましょうというような提案をさせていただきました。我々もそういった設備を入れてやってしまえば一番簡単ではあるんですが、お話をしていく中で、山下さんは理解されていたんですけど、他の職員の方がなかなかそういったデータっていうところがあんまり分かっていらっしゃらなかったってところがあったので、まずはこれをやる意味というのをやっぱり周知いただく必要があるのかなっていうところで、先ほどの弊社のオフィスにお招きして、本当に恥ずかしながら我々が持っているノウハウを、1日かけてレクチャーさせていただいたっていうような形ですね。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

先ほど「Slido」の質問でも会場からいただいていましたけども、「この研修をやって良かったな」みたいな、印象的に良かったと思うんですよ。何を得ましたかっていうことなんですけど。この研修に参加された方々の印象に残った言葉であったり、こうしたことを持ち帰ってもらったなっていうことがあれば、これは山下さんにお伺いできればと思うんですけど。

⼩⿅野町 地域商社推進室 ⼭下 雄⼀

主に変化があったなというのは、株式会社地域商社おがのっていう町が出資した会社の社員の動きなんですけれども、ちょっとネガティブな発言なんですけど、コミュニケーション障害というか、なかなか隣の社員とお話が、恥ずかしいんだか分からないんですけど、できないっていうのがあって、本当デジタル分析の前段階の話ではあるんですが、そもそもその現状を知るのに隣の社員の現状を知らなきゃいけないっていうのがあって、そこで申し送りノート、基礎的な話なんですけれども、そういったところなんかの御提案もちょっとですね、いろんな考え方を深掘りしていく前の前の前の前の段階から、結構丁寧にNECネッツエスアイさんがすごく考えてくれて、御提案いただくんですね。そういうのを拾って自分の方から現場にフィードバックしていくと確かな変化があって、今まで口頭で言葉を交わせていなかったところが、紙だと交わせることがこれでわかったと、すごいなと思いまして、そういう積み上げで変化っていうのはわかるし、今のが一番大きな変化ですね。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

いいですね。やっぱりそこの、そのシステムを入れてすぐ効果が出るどうこうじゃなくて、そこの手前の段階、グラウンド整備の段階っていう部分。土台の段階っていうのをすごく力を入れて、自治体としても、企業さんとしても力を入れられたのかなと思うんですが、この取組を進めていく前にガバメントピッチで「小鹿野町はこんなまちを作っていきたいんです」っていう話がされて、NECネッツエスアイが「うちだったら、こういうことが一緒にできるかもしれませんね」って御提案をされました。先ほどの質問とちょっと重複するかもしれませんが、小鹿野町として「この企業と一緒にやってみたい」「林田さん、高橋さんたちと一緒にやってみたい」って思ったポイントであったり、逆にNECネッツエスアイとして「この自治体と御一緒したい」とか「山下さんと一緒にやっていて、ここが良かった」っていうことがあれば、教えていただきたいです。

⼩⿅野町 地域商社推進室 ⼭下 雄⼀

実はですね、一番最初の流れとしてはNECネッツエスアイは選んでなかったところがありまして。ちょっとAIの利活用について想像ができなかったっていうのがあって、御迷惑をおかけしちゃうかなと思って1回外してたんですけれども、熱心にですね、なぜ外れたのかを内部で協議を重ねた結果、現場に来て、小鹿野町に来てくれて、なぜ選ばれなかったのか自分らなりに分析したということで、逆プレゼンテーションをいただいて、「なるほどですね」みたいな、すごい熱意と、改革するお気持ちと、熱い気持ちを受け取りまして、共創が始まったというのがあって、そこでもガッツリですね、心をつかまれてしまったっていうのが正直なところです。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

いや、めちゃくちゃいいですね。それは、多分、営業ベースじゃなかったと思うんですよ。「うちのシステム入れたらこうなりますよ」だけではなくて、「一緒になってこういうことをやりましょうよ」っていうことを言われたと思うんですけど、なかなかそこまでやれる、やったとしても営業ベースの企業さんはたくさんあると思うんですが、共創、共に作るの共創ベースでそうした提案を持って行くっていうのは、なかなか企業が大きい、小さい、関係なくできるところが少ないと思うんですけど、林田さん、高橋さん、このあたりのこと、「いや、やったんですよ、俺ら」みたいなことをシェアしていただければと思うんですけど。

NECネッツエスアイ株式会社 ⾼橋 政嗣

NECネッツエスアイの高橋です。そうですね、最初訪問した時も山下さんにはあれこれ買わないでくださいと。買ってから考えるのではなくて、「買う前に考えるところを、僕たちは一緒になってやりたいんだ」ということで、伴走というか、これをさせていただいています。伴走する上で、山下さんからもさっきあったんですけれども、やっぱり、自治体職員のペースっていうのが、それぞれかなと思います。非常に小鹿野町さんはゆっくりなペースだったので、データ利活用とかいう大きな文脈の前の前の前ぐらいのところからメニューを用意させていただきました。データをどう活用するにはみたいな本当の初歩のところから、今、入りながら伴走させていただいていますので。何かこう、この先もずっとこのような形で町の成長を一緒になって体験できていったらいいのかなと思っています。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

ありがとうございます。やっぱりこの自治体がこうしたいって言っても、実はその自治体がそのレベルに達していなかったりだとか、専門家、プロの民間からすると、「いやいや、その前にこういうことやっていかないと、いきなりそのレベルはいけないですよ」っていうことがあったりだとか、それをしっかりと行政としても受け入れるっていう体制があったからこそうまくいって、うまくというか、一緒になって進めていけるのかなと思っています。今後の展望と聞いちゃうとあれですが、今、先ほどの地域商社さんや、NECネッツエスアイさんであったりだとか、いろんな方々を巻き込みながら一緒になってやられているかと思います。今後、先ほど質問でもありましたけど、「こんな民間企業を巻き込んでいきたいんだよね」だとか、「もっともっとこんな展望を実は持っているんだよね」みたいなことがあると思いますので、是非、小鹿野町の展望をお聞かせください。

⼩⿅野町 地域商社推進室 ⼭下 雄⼀

はい。今時点で、県内の他の自治体より10年ぐらい先の高齢化比率かなと思っていて、まず先に人が少なくなるエリアかなと確信しているところなんですね。 今後のことを話すと、やはり働く人もそもそも減ってくると思うので、そのデジタル、AI、DXみたいな形で人じゃなくてもいいところっていうのは、やっぱり機械化っていうのは、もう着実に進めていかなきゃいけない。 ただ、それを説明する相手の課長・管理職、偉い人ですね、その 理解の土台も築いていかないとなかなか稟議が通らないみたいな悩みもあって、そういったところに共に考えてくれる仲間がいれば嬉しいなと、その一つがNECネッツエスアイなんですけれども、こういった形で一緒に考えていける方々を大募集みたいな形でございます。よろしくお願いします。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

今日もね、この法被(はっぴ)を着ているんで、皆さん分かりやすいと思います。この後、「うちと、もしかしたら一緒にできるかもね」とか、実はこれ以外でもいろんな連携も小鹿野町はやられている、観光の分野以外においてもやられているかと思いますので、そうした事例も含めて、「ちょっと教えてよ」っていうことがあれば、「是非、声をかけてね」ってことですよね。そのために目立つ法被(はっぴ)着られているってことですよね。はい。 あっという間にですね、時間になってしまったのであれなんですけど、ここの会場にいる皆さんに、改めて先ほどの北本市さんと同じような形なんですが、官民連携であったり、この埼玉版スーパー・シティプロジェクトへの参画・連携みたいなことも含めて、是非、皆さんに「ちょっと迷っているんだよね」とか「うちで大丈夫かな」とか思っている自治体の皆さん、企業の皆さんがいらっしゃるかと思います。そうした方々に一人ずつエールをお願いいたします。

⼩⿅野町 地域商社推進室 ⼭下 雄⼀

はい、僕はですね、自治体職員さん向けにちょっとエールを送りたいんですけれども、結構1人で抱える悩みがあるかもしれないんですけれども、民間企業さんとお話していると、結構ポジティブな話もかなり聞けまして、その話をした後、かなり気分が上向くというかですね、自分でパソコンをカタカタってやっているだけだとだんだん下向いてくるんですけど、打ち合わせの後は上を向いて、なんかちょっと楽しい気分になるっていうのが副産物的にありますので、是非、ガバメントピッチに参加してみていただければと思います。よろしくお願いします。

NECネッツエスアイ株式会社 林⽥ 達也

我々はデジタルの会社なんですけど、民間企業向けにはたくさん提供しているんですけど、自治体の、特に地域課題っていうところの深掘りをなかなかするチャンスがなかったもので、半分我々の勉強みたいな感じなんですけど、山下さんの方から課題をいろいろ聞かせていただいて、当初の提案とは違った課題とかも出てきて、それをどうしようかみたいなところ、我々が持っている商材以外のところも出てくるんですが、そこもまずは地域課題をどう解決するか、その上で我々の商材が充てられれば充てるし、そうでなければ他と協力してみたいな、そういった考えが出てきたっていうところがございますので。是非、こういった機会を、チャンスをものにしていただければなっていうような感じがしました。

NECネッツエスアイ株式会社 ⾼橋 政嗣

私から、自治体の皆様、企業の皆様もですね、小鹿野町さんとの関係の中から、めちゃくちゃ楽しい活動だなというのが分かってきました。いつしか何かを売るということを忘れて、ただ単に小鹿野町さんと楽しんでいるみたいなところがございます。ただ、私たちだけでは町を良くすることができないかもしれないので、是非、ここにいる企業の皆様とも共に手を取り合って、町を良くするみたいな活動ができたらいいなと思っておりますので、我々とだけではなく、企業同士も手を取り合うみたいなことができたらいいんじゃないかなと思っております。そんなところで、もし何かあればお声掛けいただけたら幸いでございます。

モデレーター 晝田 浩⼀郎

小鹿野町、NECネッツエスアイの皆さんありがとうございました。これで本日この講演会場B「まちづくり先行事例セミナー」の内容は全て終わりになります。登壇いただきました北本市の皆さん、そして街活性室の皆さん、小鹿野町の皆さん、NECネッツエスアイの皆さんありがとうございました。そして御参加いただきました皆さんもありがとうございます。

最後にお願いが2つあります。1つが、一番最後QRコードの下にある、下段にあるアンケート、2分で終わります。2分で終わりますんで、是非、アンケートへの回答をお願いいたします。帰りの電車を待つ間でもいいです。ちょっと休憩室で書くでもいいんですけど、アンケートだけ回答をお願いいたします。それが1つ目。2点目として、この後、この会場内も含めてですが、小鹿野町の皆さん、NECの皆さん、北本市の皆さん、街活性室の皆さんがいらっしゃいます。是非、名刺交換等々をしていただいたり、また講演会場を出ていただいて左手、埼玉県の埼玉版スーパー・シティプロジェクトのブースがあります。是非、そちらもお立ち寄りいただいて、「なるほど小林さんが言ってたのはこういうことか」「他にもこんな事例があるのか」ということをですね、是非、知っていただければと思いますので、お立ち寄りください。アンケートとお立ち寄り、よろしくお願いいたします。

本日のモデレーター、株式会社官民連携事業研究所 晝田浩⼀郎でした。皆さん、ありがとうございました。

お問い合わせ

環境部 エネルギー環境課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第三庁舎3階

ファックス:048-830-4770

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