With You さいたま > センターの概要 > 広報紙 > With You さいたま Vol.58(平成31年3月) > 特集 Happy! Women's Day
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掲載日:2019年3月10日
3月8日は「国際女性デー」。女性へ感謝を伝える日として、ミモザの花を贈る習慣があることから、別名「ミモザの日」としても知られています。女性が政治・社会において平等に参加できるように呼びかける日でもある国際女性デーを機に、世界のジェンダー平等の動きと日本の女性の状況を比較しながら見てみましょう。
国連では、国際婦人年(1975年)に初めて「国際女性デー」が実施され、1977年に国連総会で3月8日の「国際女性デー」が決議されました。様々な苦難を乗り越え、権利を勝ち取ってきた女性を讃える日です。同時にこの日は、様々な差別と闘っている女性が、声を上げる日でもあるのです。
国連の決議の前から、3月8日は女性の権利と世界平和を目指す日とされ、世界のあちこちで様々な催しが行われてきました。20世紀初頭のアメリカで、女性労働者が参政権を求め行ったデモが最初と言われています。当時のアメリカでは参政権は一部の男性のみ。それに不満を持った女性たちの行動でした。その後、女性問題にかかわる要求を国際連帯のもとに取り組んでいこうと「国際女性デー」が提唱され、多数の賛同を得、世界的に広がっていきました。
世界ではよく知られている国際女性デーですが、日本では1923年、初の国際婦人デーの集会が開かれ、婦人参政権獲得の運動が行われています。あまり馴染みがないと思われるかもしれませんが、日本でも、各地で、国際女性デーに関わるイベントが行われています。
2017年、アメリカで行われた「ウィメンズ・マーチ」では、国際女性デーには「女性がいない日“A DAY Without a Woman”」として女性たちが労働を放棄することを呼びかけました。有給の仕事も料理や掃除、子育てなどの賃金が支払われない仕事もやらないことで、女性たちがいかに大切なことを日々、担っているのかを示そうと。日本でも、賛同した人たちによりデモが行われ、それぞれの立場から「しんどさ」「モヤモヤ」を共有し、声を上げました。
ここで、日本の女性の政治参画の状況を振り返ってみましょう。
第二次世界大戦後、衆議院議員選挙法が改正され、婦人参政権が実現しました。1946年改正後初の選挙では、女性の衆議院議員が39名(当選者数に占める割合8.4%)誕生しています。しかし、その39名をピークに、女性議員の数は減っていきます。その数を上回るのは、2005 年の43名(8.9%)、実に60年後のことでした。
1946年の選挙では、有権者1人につき2人又は3人に投票することができたので、女性にも票を入れやすかったのですが、次の選挙からは、投票できるのは1票に変更されました。また選挙区も、複数の人を選出する大選挙区制から、1人を選出する小選挙区制に変わっていきました。女性が立候補しにくく、当選しにくい現在の選挙制度も、女性の活躍を妨げている原因の一つかもしれません。
女性議員の数は2009年の11.3%をピークに、10%辺りで低迷を続けています。世界経済フォーラムが発表した2018年のジェンダーギャップ指数(男女格差の国別順位付け)では、日本は149か国中110位。114位だった前年より順位は上がっているものの、主要7か国(G7)では、今年も最下位です。経済、政治、教育、健康の4分野で指数化するものですが、政治分野は125位と、前年よりさらに後退しています。評価対象となる閣僚、国会議員の女性比率を上げる抜本的な改革が求められています。経済分野ではスコアは改善したものの順位は落ち、女性の社会進出や格差縮小が進む世界の動きに日本が追いついていない状況が見えてきます。
諸外国の国会議員に占める女性割合の推移を見てみましょう。(下グラフ参照)日本と先進諸外国との格差が大きいことがわかります。フランスに注目して比較をしてみます。1995年フランスは6.4%、日本は2.0%。ところが2018年フランスは39.6%、日本は10.1%と格段の差が生まれてしまいました。この間、フランスに何が起こったのでしょうか。
フランスでは、1999年「女性と男性の平等に関する憲法の改正」が行われました。翌年には公職等への男女共同参画促進法(パリテ法)を制定し、その後も民間の雇用分野でもパリテを強制できるように憲法を改正しています。このように、フランスでは国が主導し、男女共同参画を進める法制度を整備し、強力に女性登用政策を進め、飛躍的な女性の参画を実現させました。
日本でも、1999年に「男女共同参画社会基本法」が公布・施行されました。しかし、その後の推移を見る限り、女性の参画はあまり進んでいません。そうした中で、2018年5月、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が公布・施行されました。この法律は、男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指すものです。法律成立までの道のりは険しいものでしたが、与野党や男女といった枠を超えた動きが起こり、ようやく成立にこぎつけました。
現代の多様なニーズに応えるためには、男性中心の政治ではなく、多様な人たちの力が必要です。この法律で理念は示されましたが、罰則規定はありません。女性を増やすかどうかは、候補者を立てる政党にかかっています。次の選挙で、各党がどのような候補者名簿を作成するか、私たちも関心をもって見ていきましょう。
「私はみなさんを一歩前へと誘います。声をあげるために。そして、みなさんが"私でなければ―誰が?" "今でなければ―いつ?"と問いかけられるように。」2014年、国連のUN Women親善大使を務める、映画ハリーポッターで有名な女優のエマ・ワトソンが、国連本部で開催された He For She キャンペーン発表会でスピーチを行いました。
女性や少女への差別をなくし、ジェンダー平等を達成することはすべての人に恩恵をもたらします。しかし、そのためには男性の積極的な参加が不可欠ということで始まったキャンペーンです。今では性別や階層に関わらず、賛同する人は誰でも署名できるようになっています。
2019年1月現在、世界中で約200万人がHeForSheに署名しています。
ジェンダー平等への取組みは、かつては、女性だけによる女性のための取り組みとして認識されていました。しかし、最近では、このように女性や少女が直面する不平等や差別に対して、女性以外の人々も立ち上がり始めています。
参考)UN Women HPより
【興味のある方はこちらへ!!】
UN Womenの日本事務所ホームページ
(http://japan.unwomen.org/ja/news-and-events/in-focus/heforshe)にて「HeForSheへの署名方法」が案内されています。
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