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掲載日:2025年7月24日

Vol.2 ときがわ山椒 

たかみさん【生産者から生活者まで笑顔に】

ときがわ町の「手づくりハムとパンの店 こぶたのしっぽ」は豚肉のうまみを凝縮した自家製ハムやソーセージ、組み合わせの面白いサンドウィッチなどが楽しめるお店です。

「生産者から生活者まで全ての人の笑顔が見られるように」という理念を掲げるのは店主の高見謙一さん。坂戸市出身の高見さんは筑波大付属坂戸高校、埼玉県農業大学校で畜産業を学び、日高市に本社を構える株式会社サイボクの牧場で13年間働いた御経験をお持ちです。

牧場で働いているときに「農産物や畜産物を作るだけ作って、それを売るところは自分たちでできないという点に疑問を持ち始めました」という高見さん。牧場で働いた後は、都内にあるハム・ソーセージ専門店で修行し、平成28年に現在の「こぶたのしっぽ」をオープンしました。

 

 

【ピリッとした刺激が癖になる山椒メニュー】 

タルタル  ゆずみそ

こぶたのしっぽで味わえる山椒メニューは2つ。「山椒のローストビーフタルタルサンド」と、桂木ゆずを使用した「柚子山椒味噌のソーセージ」です。

サンドウィッチは、令和6年10月、坂戸市にキャンパスのある女子栄養大学の学生と共に考案したコラボ商品。学生が醤油に青実山椒(あおみざんしょう)を加えてパンに塗りこんでいるのを見て、高見さんは驚愕したと話します。「最初は、パンが水分を吸ってびしゃびしゃになってしまうと思っていたのですが、意外とこれが良くて。山椒と醤油の味もパキっと出て面白くて。直接パンに塗るなんてびっくりだったけれど面白かったんです」。

当初は学生との一過性のイベントになってしまうかもしれないと危惧していたコラボは大成功。通年の大人気メニューへと成長しました。

「学生さんには、遊びでやっているんじゃないんだぞ、と大分厳しくしてしまいました」と笑い、「でも、大学生たちもよく考えてくれて、本当に良かったです」と高見さんは振り返ります。

  いわたさん10   やまぐちさん10

【山椒をときがわの名産へ】

平成28年、「ときがわ活性会特産品部会」が、町おこしの一環として山椒栽培を行うことを決定しました。平成29年には個人栽培の推進と活性会による共同栽培が始まり、平成30年には「ときがわ山椒栽培協議会」が結成されました。

同協議会の岩田泰治会長は「ときがわは自然が豊かで空気も綺麗。朝霧が出て直射日光が強く当たらないので、柔らかい実が育つのです」と、町の山椒の特徴を語ります。ときがわ町では昔から各家庭の庭先や、裏山などに山椒の木が自然と育ち、なじみのある農産物だったといいます。

そして、同協議会から山椒を使用したメニューの考案を託されたのが、こぶたのしっぽの店主・高見さんでした。「それまでは、ときがわで育つ山椒の存在も知らなかったくらいでした」。とはいえ、山椒はソーセージとの相性が悪いというわけではなく、高見さんが修行を重ねた都内のハム・ソーセージ専門店でも鴨肉と山椒のソーセージを販売していました。鴨肉と山椒のソーセージは癖の強い者同士の組み合わせにより良さが引き立っていたため、高見さんがメニューの考案に悩んでいた時、たまたま口にした山椒味噌が良きアイデアとなり、現在のソーセージが生まれたそうです。

山椒

【フレッシュで香りのよい山椒】

現在、共同栽培園では、とげがなく辛みが穏やかでさわやかな風味の「朝倉山椒」と、粒が大きく香りやしびれ感の強い「ぶどう山椒」の2種類が計200本ほど育てられています。

今回、御紹介する「青実山椒」について、同協議会の山口富士生事務局長は、「うなぎにかけるだけが山椒じゃない。春に採れる青実山椒は種まで食べられます」と、あまり知られていない青実山椒の魅力を語ります。うなぎのかば焼きなどにかける粉山椒の原料「干山椒(ひざんしょう)」が夏に採れるのに対し、種がまだ柔らかく、そのまま食べられる青実山椒は5月中旬頃に収穫されます。

こぶたのしっぽでは、山椒メニューは6月頃から10月頃(材料がなくなり次第終了)まで提供されます。「地元でとれた新鮮な山椒。やっぱり色と香りが良いのはフレッシュな時期です」と高見さん。サンドウィッチは1日4つほどしか店頭に並ばず、朝一番に売り切れてしまうほどの人気メニューです。

 

【家庭で楽しめる青実山椒】

家庭で楽しむ青実山椒の食べ方について、「一番ポピュラーなのはちりめん山椒。おにぎりにするとおいしいです」と話すのは山口さん。また、ピリッとしたインパクトのある味が魅力の青実山椒はドレッシングやソースにぴったりで、「よだれ鶏」のタレとして、花椒(ホアジャオ)の代わりに使用するのもおすすめ。高見さんによると、最近はフレンチでも「ジャパニーズペッパー」といって山椒を使う料理人が増えてきたそうで、海外でも注目の食材だと教えてくれました。

高見さんは「県内で山椒を作っていることを知ってもらい、これを機に家庭の料理に取り入れてもらえたらすごく嬉しいです」と期待を寄せます。

青実山椒は、旬の時期である5月中旬から6月初旬ごろまで、ときがわ町の「木のむら物産館」、「建具会館」、「ふれあいの里たまがわ」、「大野特産物販売所」などの農産物直売所で購入することができます。ちょっぴり刺激的なときがわ名物を、料理のアクセントに一味加えてみてはいかがでしょうか?

※青実山椒の販売期間は5月中旬~6月初旬までです。現在は販売しておりません。


【今回御紹介した店舗はこちら】

店舗名:手づくりハムとパンの店 こぶたのしっぽ
所在地:比企郡ときがわ町日影903-1
営業時間:10時~18時
定休日:月曜日・火曜日

 

新聞掲載記事はこちら(PDF:3,277KB)

 

お問い合わせ

農林部 農業ビジネス支援課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎5階

ファックス:048-830-4830

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