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掲載日:2023年7月18日

令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(森伊久磨議員)

市街化区域と市街化調整区域の積極的活用について

Q 森伊久磨 議員(自民)

市街化区域と市街化調整区域との区分、いわゆる区域区分制度については無秩序な市街地の拡大による環境悪化の防止、計画的な公共施設整備による良好な市街地の形成、都市近郊の優良な農地との健全な調和、市街地における良好な環境の確保等、地域の実情に即した都市計画を樹立していく上で根幹をなすものとされております。
埼玉県では、昭和45年に区域区分を都市計画決定し、これまで7回の定期的な見直しを行い、既定の市街化区域及び新たに拡大した市街化区域の計画的な市街地整備とスプロールの防止に努め、県土の均衡ある発展に寄与しております。このような状況の中、埼玉県では平成30年3月に都市計画の基本方針であるまちづくり埼玉プランを改定し、また、区域区分見直しに関する考え方及び技術基準である市街化区域と市街化調整区域との区域区分に関する見直し要領を令和3年1月に定め、現下の社会情勢や経済情勢に合わせて柔軟な対応が求められております。
この区域区分に関する見直し要領では、まず、市街化区域への編入の考え方として、新市街地の場合については住居系であれば地域全体の利便の向上に寄与すると認められる場合、工業系であればインターチェンジや幹線道路周辺において田園環境と調和した産業基盤づくりや既存産業団地を拡張する場合、商業系については市街化区域に隣接し市町村の振興に資する都市計画事業として行う市街地開発事業とされております。また、既に市街地を形成している区域の場合については、市街化の状況、都市基盤の整備状況、地域の状況や意向を踏まえ、必要と認められる場合において市街化区域に編入するとされております。
更につけ加えれば、令和3年1月に策定された埼玉県の都市計画区域の整備・開発及び保全の方針に関する見直し要領において、土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針にある市街化調整区域等のその他の土地利用について、市街化調整区域内における都市的土地利用については区域区分制度や地区計画制度の活用を基本とし、農林漁業との健全な調和を図った上で、可能な限り都市的土地利用を検討する地区を位置付けるとされております。
このように人口減少や超高齢化社会の到来を踏まえたコンパクトシティというまちづくりの原則はありながらも、この2つの見直し要領において地域の状況によっては市街化調整区域について柔軟な見直しによる活用が求められていると考えられます。
埼玉県では、令和4年3月に埼玉の持続的成長を支える産業基盤づくり取組方針を策定し、未来を見据えた産業基盤の創出を目指すとしております。今まで県の企業局により整備された圏央道周辺の産業団地は6団地、144.6ヘクタールで、6000人程度の雇用が見込まれており、当方針では今後も埼玉版スーパー・シティプロジェクトの一環として産業基盤づくりを周辺と一体のまちづくりに発展させるとしております。
現在、私の地元蓮田市でも、高虫西部地区の産業団地整備に向けて都市計画の手続が行われているところです。それにより生み出された雇用者の住まいの受皿の確保が喫緊の課題と考えます。
そこで伺います。住居系の市街化区域を拡大して産業団地整備に伴い創出される雇用者の居住の場を確保できないか。また、市街化調整区域における柔軟な開発許可制度の運用により定住を促進できないか。都市整備部長の所見を伺います。

A 山科昭宏 都市整備部長

まず、「住居系の市街化区域を拡大して産業団地整備に伴う新たな雇用者の居住の場を確保できないか」についてでございます。
議員お話しのとおり、産業団地が整備されると新たな雇用が生まれ、従業員やその家族の住まいの確保が必要となる場合がございます。
御質問の、住居系の市街化区域の拡大につきましては、国の指針では、将来人口の見通しを最も重要な算定根拠として、市街化区域の規模を検討するよう定められております。
増加する人口が既存の市街化区域で収容しきれない場合に、農業振興との調和を図りつつ、その規模を限度として市街化区域の拡大が可能となります。
しかし、本県の将来人口は、県南部においては当面、増加が見込まれるものの、それ以外の地域では減少する見通しとなっております。
人口が減少する地域では、空き家・空き地の大量発生による居住環境の悪化、都市の低密度化による行政サービスやインフラの維持管理の非効率化といった懸念がございます。
こうした都市課題に対応するため、コンパクトなまちづくりを推進することが重要でございます。
このため、人口減少が見込まれる地域における産業団地の整備における新たな雇用者の居住の場は、原則として既存の市街化区域内へ誘導していくことが必要であると考えております。
次に、「市街化調整区域における柔軟な開発許可制度の運用により定住促進できないか」についてでございます。
市街化調整区域における住居系の開発につきましては、集落を形成する地域において、県又は市町が条例で区域や目的、建築物の用途を指定して、その範囲内で開発を許可する手法がございます。
この手法の活用によって、地域によっては開発が進み、人口の流入や定住促進といった効果も見られております。
一方、道路や排水施設といったインフラが十分でない地域や、災害リスクの高い地域をもつ市町では、指定区域の縮小が行われております。
県では、こうした開発許可制度について、まちづくりの主体である市町村への事務移譲を進めており、現在、多くの市町村が自ら政策的に運用できることとなっております。
県といたしましては、地域の課題解決に取り組む市町村が、より効果的に制度を運用できるよう、広域的な視点から支援をしてまいります。

再Q 森伊久磨 議員(自民)

地元蓮田市内で進められている産業基盤整備では、新たな多くの雇用が期待されるところです。先ほどの都市整備部長の答弁において、人口減少が予想される地域では住居系の市街化区域の拡大は難しいということは理解をしました。そうなると、新たな居住の場の受皿として期待されるのは市街化調整区域の活用となります。
答弁では現在、市街化調整区域における開発許可制度は権限移譲が進み、多くの市町村が政策的に運用できると。さらに、広域的な運用を支援するものという回答を頂きました。住居系の開発となると、都市計画法第34条第11号の規定に基づく区域指定が想定されるところですが、市町村によっては制度の運用に不慣れであったり、温度差もあるようでございます。
そこで伺います。県では、市町村による制度の活用について支援を行っていただけるという御答弁でございましたが、具体的にどのような支援を行っていただけるのか、都市整備部長に再質問をさせていただきます。

再A 山科昭宏 都市整備部長

住居系の市街化調整区域における開発許可制度を活用する市町村をどのように支援していくのかとの質問と理解しました。住居系の市街化調整区域における開発許可制度である都市計画法第34条第11号の区域を指定する場合、国の指針では、スプロールが生じないよう道路などの公共施設の状況を勘案して適切に指定することが望ましいとされております。
このため県が区域指定の権限を有する町においては、道路や排水施設の基準、田園環境との調和、市街化区域からの距離、既存の公共公益施設の活用などの考え方について県条例や方針で定め、運用を図っております。
県といたしましては、市町が政策的に区域指定を検討する際には、県条例などを踏まえた技術的な助言を行ってまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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