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掲載日:2024年10月22日

令和3年9月定例会 意見書・決議

意見書・・・次の13件です。

決議・・・・次の3件です。

 重度心身障害者に対する公費負担医療制度の創設を求める意見書

全ての人が障害の有無によって分け隔てられることなく、誰もが相互に人格と個性を尊重し合い、地域で支え合いながら共に暮らす社会を実現するためには、障害者の経済的な基盤の確立が不可欠である。
重度心身障害者に対する医療費助成制度は、障害により医療機関にかかる機会の多い重度心身障害者や、その家族の経済的負担を軽減するための制度である。
当該制度は地方単独事業であるため、各都道府県で受給対象者、助成対象範囲、助成方法などが異なっているが、自治体の財政力等
により、そのサービス水準に格差が生じるのは望ましくなく、国が全国一律に実施すべきである。
よって、国においては、地方単独事業として全都道府県で実施されている重度心身障害者に対する医療費助成について、国として身体・知的・精神障害者を対象とする統一した公費負担医療制度を創設することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長 
参議院議長
内閣総理大臣         様
財務大臣
厚生労働大臣

 新型コロナウイルスワクチン接種に関し国による責任を持った対応等を求める意見書

新型コロナウイルス感染症のワクチン接種は、国が感染抑止の切り札と位置付けており、本年10月上旬には、全国民の6割が2回の接種を完了した。特に高齢者のワクチン接種は進んでおり、9割近くが2回の接種を完了している。
ワクチン接種は、その期待と役割が非常に大きいことから、希望する全ての国民に対し、可及的速やかに2回目までの接種を完了させていく必要がある。
また、国は、ワクチンの2回接種を完了した人を対象にした通算3回目となる追加接種、いわゆる「ブースター接種」の実施について「必要がある」と判断するとともに、異なる種類のワクチンを接種する「交互接種」などについて、検討している。
本年8月中旬に、本県が、県内の若年層(18歳~39歳)を対象として実施した新型コロナウイルスワクチン接種に関する意識調査の結果によれば、接種に前向きな若年層は70.3%であり、残り3割が接種に後ろ向きであった。接種に後ろ向きの理由としては、「ワクチンの副反応が心配」が65.4%、「ワクチンの効果に疑問がある」が36.7%などとなっており、科学的で正しい情報を国民に向けて確実に伝わるよう発信していくことが喫緊の課題である。
さらに、国は、接種業務に従事する医療職の確保策の一つとして、医療職が接種業務に従事したことによる給与収入は、被扶養者の収入確認の際の年間収入には算定しないこととし、仮に130万円を超えることとなっても、扶養認定を取り消さないことなどとした。一方で、直接ワクチン接種業務に従事しない看護師等の有資格者及び受付事務などに従事する医療事務職に対しては、特例措置の対象外としたため、業務内容による格差が生じている。
併せて、新型コロナウイルス感染症の治療薬における国の認可手続の遅れも懸念されている。
よって、国においては、国民に対するワクチン接種の着実な推進等を図るため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 ワクチン接種後に死亡や後遺障害が発生した場合、ワクチンとの因果関係の証明は第一義的に国が行い、国が全ての補償を行うこと。
2 接種に伴う副反応に対して国が責任を持って適切に医療上の措置が行える体制を整備するとともに、ワクチンの感染予防効果や変異株に対する効果、副反応に関する情報等、科学的で正しい情報を国民に向けて積極的に発信すること。
3 若年層の円滑な接種に向けた体制づくりなど、地域の実情に応じた対応ができるよう特段の配慮を図ること。
4 「ブースター接種」や「交互接種」などについて必要なワクチンを確実に確保するとともに自治体の予算や人員体制への影響も十分に考慮の上、科学的知見に基づき国としての方針を可及的速やかに示すほか、具体的なスケジュールを含めた接種の進め方や、優先順位等の考え方など、接種事務を担う市区町村の今後の接種計画の策定に資するよう、中長期的な接種のあり方について早期に提示すること。
5 直接ワクチン接種業務に従事しない看護師などの有資格者及び受付事務などに従事する医療事務職等に対しては、ワクチン接種業務に従事する医療職と同様に被扶養者の収入確認に係る特例措置の対象とするとともに、当該措置について健康保険組合等保険者への周知の徹底を図ること。
6 今回のパンデミックのような緊急時に、一定の安全性や有効性を確認することで承認前からワクチンや治療薬の販売を許可する「緊急使用許可(EUA)」という制度等が諸外国で実施されており、同様の制度を我が国でも導入できるよう法改正を行うこと。
7 ブレークスルー感染の実態を把握し、地方自治体や国民に対し、科学的で正しい情報を広く周知すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣              様
厚生労働大臣
内閣官房長官
新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣
ワクチン接種推進担当大臣

 沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないこと等を求める意見書

先の戦争における沖縄戦では一般住民を巻き込んだ悲惨な地上戦が行われ、多くの尊い命が失われた。糸満市摩文仁の平和祈念公園内にある「平和の礎」には、国籍、軍人、民間人の区別なく、本県出身者も含め沖縄戦などで亡くなられた24万1,632名の氏名が刻銘されている。
本県は、昭和41年11月に、平和祈念公園内に本県出身で沖縄をはじめ南方諸地域で戦没された方々の慰霊をするために「埼玉の塔」を建立して、戦没者の霊を弔ってきた。
糸満市摩文仁を中心に広がる沖縄本島南部地域では、沖縄戦で亡くなった兵士や沖縄県民の遺骨が今なお残されており、戦後76年が経過した現在でも戦没者の遺骨収集が行われている。先の戦争で犠牲になった人々の遺骨が入った土砂を埋立てに使用することは人道上許されるものではない。
よって、国においては、戦没者の遺骨収集を着実に推進するため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 沖縄戦の戦没者の遺骨等が混入した土砂を埋立てに使用しないこと。
2 戦没者の遺骨収集の推進に関する法律により、国が主体となって戦没者の遺骨収集を実施すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣        様
厚生労働大臣
国土交通大臣
沖縄及び北方対策担当大臣

 消費者を不利な決定に誘導する「ダークパターン」と呼ばれる仕組みを規制する法の整備を求める意見書

令和3年度版の消費者白書によれば、令和2年に、全国の消費生活センター等に寄せられたインターネット通販に関する相談件数は、約28万件となり、前年より27%増加した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、新しい生活様式が提言され、外出を自粛して通販を利用する人が増えているとみられている。こうした中、インターネット通販において、消費者のぜい弱性につけ込む形での被害が増加している。
インターネット通販のサイト上で、契約に向けて焦らせるために、購入期限までの残り時間をカウントダウン表示すること、また、「定期購入」や「メルマガ購読」などが当初から選択されていることなど、消費者が取引を行うタイミングで混乱して一時的にぜい弱な判断状態となり、結果として自由意思による選択が阻害される通称「ダークパターン」と言われているものに対して世界的に問題提起がされている。
国は、この「ダークパターン」やデジタル時代の消費者のぜい弱性などに関して、本年2月よりOECDに拠出したファンドにより国際的な調査を開始し、その状況を関係各国で共有するとともに、調査結果については、今後、国内の法令にも必要に応じて反映させていくこととしている。
新しい生活様式の定着が進む中で、消費者が正しい判断のもと取引できるようにするためには、消費者のぜい弱性をつく悪質な仕組みに対する規制の導入が急務となっている。 
よって、国においては、消費者を不利な決定に誘導する「ダークパターン」のような仕組みを規制する法の整備を速やかに実施するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣         様
総務大臣
消費者及び食品安全担当大臣

 女子差別撤廃条約選択議定書の批准及び国内法の整備を求める意見書

昭和54年、国連は、男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として、女子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念とする女子差別撤廃条約を採択し、我が国は、昭和60年にこの条約を批准した。本年2月現在、189か国が批准している。
さらに平成11年、条約の実効性を強化し女子が抱える問題を解決するために、個人通報制度等を認めた「女子差別撤廃条約選択議定書」が国連総会で採択され、平成12年12月に発効している。本年2月現在、条約批准189か国中114か国が選択議定書を批准しているが、我が国はいまだこれを批准していない。
選択議定書の個人通報制度とは、条約で保障された人権を侵害された被害者が、国内の救済手続を尽くした後、条約に基づき設置された委員会に通報を行うことができ、当該委員会がこれを審査して通知するという制度である。当該委員会が通報者の人権侵害を認める通知を出したとしても、この通知は当該批准国に対し法的な拘束力を持つものではないが、条約の実施の効果的な担保を図る上で、大切な制度であると考えられる。
このような選択議定書を批准することにより、批准国は国際的な人権基準に基づき女子の人権侵害の救済と人権の保障をより強化できる。
しかし、我が国は男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数2021」が156か国中120位と先進国の中で最低レベルであり、女子に対する差別を撤廃し、男女平等社会を実現するための更なる施策の実施が不可欠となっている。
国は、第5次男女共同参画基本計画において「女子差別撤廃条約の選択議定書については、諸課題の整理を含め、早期締結について真剣な検討を進める」としており、具体的な取組が急務となっている。
よって、国においては、男女共同参画社会の実現に向けた取組を推進するため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 女子差別撤廃条約選択議定書を早期に批准すること。
2 上記選択議定書に関連する国内法を早急に整備すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣         様
外務大臣
男女共同参画担当大臣
女性活躍担当大臣

 ケアラー支援の法制化等を求める意見書

家族の介護や看護に追われ、心身の健康や学業、仕事、ひいては人生全般にわたって深刻な影響が出ているケアラーに対応するため、本県では、令和2年3月に全国初となる埼玉県ケアラー支援条例を制定した。
この条例は、「家族なら介護をするのは当たり前」という考えを転換し、ケアラーの存在を社会的に認知し、必要な支援を行うことで、ケアラーが孤立せず、健康で文化的な生活を営むことができる社会を実現することを目的としている。
具体的には、話を聴くことでケアが健康や社会生活に及ぼす影響を評価し、適切なケアの量と種類を考えてケアラーに対する個別支援計画を立て、必要な支援をすることである。
本県に続くように北海道栗山町をはじめとする複数の自治体で条例が制定されるなど、全国的にケアラー支援の気運が高まっているが、ケアラーの抱える問題は全国共通であり、地方自治体任せにせず、支援に関して基本的な事項を定めた法制化が不可欠である。
このような中、国では本年3月に「ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム」を立ち上げて検討し報告書をまとめ、さらに、経済財政運営の指針「骨太の方針」にもヤングケアラーの支援が盛り込まれた。
しかしながら、家族の中にヤングケアラーを含め複数のケアラーがいる場合もあり、ケアラー全員に対して支援が必要になる場合も多い。
よって、国においては、ヤングケアラーだけでなく、全てのケアラーが健康で文化的な生活を営むことができる社会を実現するため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 多様なケアラーを社会的に認知し、支援していくため、ケアラー支援に係る総合的な計画を策定するとともに、ケアラー支援基本法(仮称)の早期制定を図ること。
2 介護保険法や障害者総合支援法など、ケアラーの存在が想定される既存の法律について、ケアラー支援の視点を取り入れた見直しを検討すること。
3 ケアラーを支援する施策を実施する地方自治体に対する財政的支援を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣           様
文部科学大臣
厚生労働大臣
共生社会担当大臣

 太陽光パネルの丘陵地への立地規制等に係る法整備等を求める意見書

本年4月に開催された気候サミットにおいて、我が国は、温室効果ガスの更なる削減を目指すことを宣言した。
地球温暖化は、既に臨界点に達しており、世界中で異常気象が勃発し、災害を引き起こしていることは周知の事実であり、我々はこれを止めるべく、最大限の対策を講じなければならない。
従来の化石燃料に代わる非化石燃料として、太陽光、風力、水力、地熱等の再生可能エネルギーが挙げられるが、中でも太陽光発電はコスト面等から民間事業者が参入しやすく、住宅の屋根、空き地、丘陵地等に太陽光パネルを設置する事例が数多く見られる。
しかし、太陽光パネルが丘陵地等の斜面に設置された場合、豪雨や地震等で崩落し、設置の際の盛土と共に、凶器と化した太陽光パネルが、住宅や公共施設などを襲うことは想像に難くない。
現在、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(以下「FIT法」という。)及び政省令において、太陽光パネル設置後の保守点検について規定されているが、現実には、丘陵地等の斜面に設置された太陽光パネルの崩落が起きている。我が国では、災害が発生する度に、これまで多くの人命が失われてきた。国は、防災・減災の観点から、更なる国土強靱化に取り組むべきであり、決して災害の火種を増やしてはならない。
国が策定した「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」(本年4月改定)には、事業者が適切な事業を実施するために必要な措置として、「土地及び周辺環境の調査・土地の選定に当たっては、土砂災害の防止、土砂流出の防止、水害の防止、水資源の保護、植生の保護、希少野生動植物の個体及び生息・生育環境の保全、周辺の景観との調和などに配慮する」旨の規定がある。
また、地方自治体によっては、太陽光パネル施設の規制を定める条例を制定する動きもあるが、国による統一的な基準による立地規制が不可欠である。
よって、国においては、発電事業者による適切な事業実施の確保等を図るため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 「事業計画策定ガイドライン」を遵守しない「再生可能エネルギー発電事業計画」を国に提出した事業者に対しては、FIT法に基づく事業認定を行わないこと。
2 丘陵地等の斜面などの土砂災害防止法に基づく土砂災害特別警戒区域及び土砂災害警戒区域として指定されている地域においては、今後、太陽光パネルの設置を原則禁止とすること。
3 設置済太陽光パネルについて、「崩落防止」のために定期的な保守点検を行う仕組みを作ること。
4 発電期間終了後の太陽光パネルについて、環境に配慮したリサイクルシステムを構築すること。
5 自然災害等により、太陽光パネル施設が崩落し、被害が発生した際には、設置事業者又は事業主が、原状回復に努めるとともに被害に対する補償を行う仕組みを作ること。
6 上記2から5までに事業者が従わない場合には、法的罰則規定を設けること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣         様
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣

 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律の改正を求める意見書

昭和49年に本県上福岡市(現ふじみ野市)在住の渡辺秀子さんの長女である高敬美さん(当時6歳)と長男である高剛さん(当時3歳)が北朝鮮工作員によって拉致される事件が発生した。
しかし、拉致されたこの姉弟が、当時の国籍法の規定により日本国籍を有していなかったことから、日本国民として、内閣総理大臣が認定した拉致被害者には含まれなかった。今なお警察庁における「北朝鮮による拉致容疑事案」とされており、国民の認知度も高まっていない状況である。
国は、本事件に関し、平成19年4月に、北朝鮮に対し「我が国からの拉致は、重大な主権侵害であり、厳重に抗議する。また、原状回復として被害者を我が国に戻すことを求めるとともに、本件に関する真相究明を求める。」旨申し入れたが、解決に至っていない。
また、「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律(以下「拉致被害者支援法」という。)」においては、主に「日本国民」の拉致を施策の対象としていること等から、この姉弟の安否などに関し、国民に対して広く情報を求めることや拉致の実態解明が進んでいない。
よって、国においては、拉致被害者支援法の適用対象に関し、「日本国民」から「日本国民とその家族」へと拡大する法改正を速やかに行うよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣         様
外務大臣
内閣官房長官
拉致問題担当大臣

 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた飲食店などと取引を行う食材卸事業者に対する支援を求める意見書

本年初頭から、本県においては緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が長期に渡り発出され続けており、飲食店に対する休業要請や営業時間短縮要請に伴い、飲食店などと取引を行う食材卸事業者の売上が激減している。
例えば、本県所在の食品等を主とする地方卸売市場においても、事業継続を断念せざるを得ない事業者が出始めており、当該市場内の事業者に対する経営状況調査の結果によれば、多くの事業者の売上が激減し、経営が非常に厳しいという状況に陥っている。
しかしながら、国による支援制度である事業者への月次支援金、一時支援金、持続化給付金の給付条件は「月間売上が2019年又は2020年の同月比50%以上の減少」などとなっており、これは、ほとんどの事業者が給付申請を行うことができない水準であると言わざるを得ない。
都道府県は、国の交付金を活用し、休業要請や営業時間短縮要請に応じた飲食店に対する協力金を支給しているが、飲食店などと取引を行う食材卸事業者等への支援策は、月次支援金や持続化給付金などに限定されている。
よって、国においては、長引くコロナ禍により非常に厳しい経営状況に陥っている飲食店などと取引を行う食材卸事業者に対する支援を図るため、当該事業者を対象として、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 国の一時支援金や月次支援金における給付条件に関して、「売上が2019年又は2020年の同月比50%以上の減少」から「同20%以上の減少」に緩和するとともに、給付金額を増額すること。
2 持続化給付金を再給付するとともに、給付条件に関して、「売上が前年同月比50%以上の減少」から「同20%以上の減少」に緩和すること。
3 月次支援金、一時支援金、持続化給付金の給付金額に関して、売上規模に応じたものとすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣         様
財務大臣
経済産業大臣
新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣

 米価下落対策を求める意見書

近年、食生活の多様化や少子高齢化を背景に米の消費が長期的に減少する中、昨年来のコロナ禍による外食需要とインバウンド需要の激減などにより、主食用米の販売不振に拍車がかかっている。
国の統計によれば、本年8月末時点における民間の米の在庫は全国で118万トンに上っており、昨年同時期より17万トン増加し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の令和元年と比較すると39万トンの増加となっている。
こうした在庫状況を背景に、JAが農家に示す米の買取価格、いわゆる概算金が、8月末にはコシヒカリ一等で8,300円と昨年の12,200円から32%下落し、本県農家に衝撃を与えた。
このまま米の在庫が積みあがることにより、米価の下落が続けば、小規模農家だけでなく、地域の担い手として農地の集約を積極的に推進している大規模経営の農家の経営に与える影響は非常に大きい。
また、国が推奨する収入保険の加入状況は、本年8月末現在で、全国平均で16.5%と低水準であり、セーフティーネットも十分とは言えない。
コロナ禍による未曽有の危機下にあって、米農家、地域経済、主食用米の安定供給を守るために、今こそ、より一層の米価下落対策の取組が求められている。
よって、国においては、我が国の食を支える米農家を救うため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 コロナ禍による需要減少に伴う過剰な民間在庫を削減し、米価の回復につながる対策を講じること。
2 米価の下落により売上が減少した米農家に対して、コロナ禍における他業種の経営支援策と同様の支援策を実施すること。
3 収入保険については、本年度においても、令和2年度の取扱いと同様に「新型コロナウイルス特例」を継続し、下落した米価による収入額を次年度以降の基準額にしないこと。
4 水田活用の直接支払交付金をはじめとした作付転換を実現するための予算を継続的かつ十分に確保すること。
5 JA所有のカントリーエレベーターを活用し、業務用米、米粉用米、飼料用米等の保管・流通を促進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣         様
財務大臣
農林水産大臣

 盛土による土砂災害の防止に関する法整備を求める意見書

本年7月、静岡県熱海市で発生した大規模土石流では、多数の方が犠牲となるなど甚大な被害となった。土石流発生の要因については、起点部分の違法な盛土が被害拡大につながったとの指摘があり、再発防止のため、徹底した原因究明と対策を講じることが求められている。
この災害を契機に、国と地方公共団体が連携して、盛土について土地利用規制等に係る法令を踏まえ総点検を実施した結果、本県においては土砂崩落の恐れのある対象箇所は461箇所と判明した。
国は、平成11年6月に広島県を中心に発生した土砂災害を契機に、「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」を制定した。その後、地方自治体においても土砂災害特別警戒区域及び土砂災害警戒区域を指定するなど、その危険性の周知に取り組んだ。
本県においては平成15年に「埼玉県土砂の排出、たい積等の規制に関する条例」を施行し、無秩序な土砂の堆積の防止に取り組んできており、市町村でも個別の条例を施行して対応しているところが多数ある。
しかし、既存の枠組みの中で危険な土砂堆積を防止することは、地方自治体による規制のみでは限界があることから、国のイニシアチブが強く求められるところである。さらに、今後、気候変動に伴う想定を超えた豪雨による土砂崩落の発生にも備える必要がある。
よって、国においては、不適切な盛土による土砂災害から国民の生命や財産を守るため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 盛土に関する全国統一の安全基準を設けること。
2 廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する廃棄物に該当しない建設残土に対しても、法制化による全国統一の基準・規制を早急に設けること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣         様
国土交通大臣
環境大臣

 犯罪被害者等のための特別休暇制度の義務化等を求める意見書

平成16年に犯罪被害者等基本法が成立し、我が国は、犯罪被害者とその家族(以下「犯罪被害者等」という。)の権利利益の保護が図られる社会の実現に向け取り組んでいるが、犯罪被害者等への支援には今もなお多くの課題がある。
東京・池袋の乗用車暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さんは、本年2月に、所属する「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」と共に、犯罪被害者等が「特別休暇」を取得できるよう企業に義務付けるよう国に求める要望書を提出した。また、松永さんは「心と体の回復や捜査機関への協力、裁判と向き合う時間をいただきたい。」旨述べている。
犯罪被害者等は、犯罪による直接的な被害を受けるだけでなく、事件にあったことによる「精神的ショックや身体の不調」、失職や医療費負担などによる「経済的困窮」、捜査や裁判への対応等における「精神的・時間的負担」、うわさ話や報道による「精神的被害」といった「二次的被害」にさらされる。
中でも、治療のための通院、葬儀、役所での手続、裁判への出廷、精神的なダメージなどにより仕事に出勤できなくなることがあり、また、心身の不調による仕事の能率の低下や対人関係の支障などもありえることから、犯罪被害者等は仕事を続けたくても辞めざるを得ない状況に置かれることも少なくなく、「経済的困窮」に追い込まれることがある。
これを防止して、犯罪被害者等が仕事を続けられるようにするために、被害回復のための特別休暇制度の導入が強く求められている。
しかし、国が本年3月に公表した「令和2年度『仕事と生活の調和』の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査報告書」によると、調査に回答した企業2,397社のうち、事件・事故に遭った本人や家族が心身の被害を回復させるために一定期間、仕事を休むことができる「犯罪被害者等の被害回復のための休暇制度」を「導入済み」の企業は50社(2.1%)にとどまり、さらに、「制度を知らない」企業は2,112社(88.1%)に上った。当該特別休暇制度の周知不足や同制度導入時における従業員の少ない企業での代替人材確保の難しさといった課題があるとみられる。
よって、国においては、犯罪被害者等が一日も早く被害から回復し、社会の中で再び平穏な生活を営むことができるようにするため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 犯罪被害者等の被害回復のための特別休暇制度を企業等に義務付けるよう法制度を整備すること。
2 上記制度を導入するに当たり、小規模企業における代替人材確保のための支援策を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣          様
法務大臣
厚生労働大臣

 出産育児一時金の増額を求める意見書

我が国における出産費用については、国の集計によると、令和元年度は正常分娩の場合の全国平均は約46万円で、室料差額等を含む費用の全国平均は約52万4,000円となっている。出産にかかる費用は年々増加しており、費用が高い都市部では現在の42万円の出産育児一時金の支給額では賄えない状況になっている。平均額が約62万円と最も高い東京都では、現状、出産する人が差額の約20万円を持ち出している計算となる。
国は、平成21年10月から出産育児一時金を原則42万円に増額し、平成23年度には恒久化した。次いで、平成27年度には一時金に含まれる産科医療補償制度掛金分3万円を1.6万円に引下げ、本人の受取額39万円を40.4万円に引き上げた。さらに、令和4年1月以降の分娩から産科医療補償制度掛金を1.2万円に引下げ、本人の受取額を4,000円増やすとともに、医療機関から費用の詳しいデータを収集し実態を把握したうえで増額に向けて検討することとしている。
一方、令和2年の出生数は84万835人で、前年に比べ2万4,404人減少し調査開始以来最少となった。少子化克服に向け、安心して子供を産み育てられる環境を整えるためには、子供の成長に応じたきめ細かな支援を重ねていくことが重要であり、出産育児一時金はその大事な一手である。
少子化対策は、我が国の重要課題の一つであり、子育てのスタート期に当たる出産時の経済的な支援策を強化することは不可欠である。
よって、国においては、現在の出産に要する経済的負担に見合う額に出産育児一時金を速やかに引き上げることを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年10月14日

埼玉県議会議長 木下 高志 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣         様
厚生労働大臣
少子化対策担当大臣

 北朝鮮による弾道ミサイル等の発射に断固抗議し、制裁措置の厳格な履行等を求める決議

北朝鮮は、国際社会の度重なる警告にもかかわらず、弾道ミサイル等の発射を繰り返しており、北朝鮮メディアが9月11、12日に新型長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと発表し、さらに、同月15日には我が国の排他的経済水域内に落下する短距離弾道ミサイル2発を発射した。
度重なる弾道ミサイル等の発射は、我が国の平和と安全を脅かすばかりでなく、国際連合安全保障理事会決議等に明白に違反するものであり、国際社会の一致した平和的解決への強い意志を踏みにじるこの暴挙を断じて容認することはできない。
北朝鮮は、「核戦争抑止力をさらに強化し、最強の軍事力を育てる。」と公言しており、本年3月に続く累次の弾道ミサイル発射は、核兵器開発と一体のものである。こうした軍事対応の強化は、朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和構築に逆行するものである。
そこで、本県議会は、繰り返される北朝鮮の重大な挑戦に断固として抗議するとともに、最も強い言葉で非難する。北朝鮮は、日本を含む東アジアと世界の平和と安全への脅威となる核開発と関連活動を中止し、放棄すべきである。そのために国際社会は北朝鮮に対し、結束して強く働きかけるべきである。
また、国は、米国をはじめとする関係国と緊密に協力し、国際連合安全保障理事会決議に基づく制裁措置を完全に履行するとともに、我が国独自の制裁措置をより一層強化し、北朝鮮に対し、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けた、具体的行動を強く促すよう求める。
以上、決議する。

令和3年9月24日

埼玉県議会

 重度心身障害者医療費助成制度における支給対象者の拡大を求める決議

全ての人が障害の有無によって分け隔てられることなく、誰もが相互に人格と個性を尊重し合い、地域で支え合いながら共に暮らす社会を実現するためには、障害者の経済的な基盤の確立が不可欠である。
重度心身障害者に対する医療費助成制度は、障害により医療機関にかかる機会の多い重度心身障害者や、その家族の経済的負担を軽減するための制度である。しかし、当該制度は地方単独事業であるため、各都道府県で受給対象者、助成対象範囲、助成方法などが異なっている。
本県の重度心身障害者医療費助成制度は、精神障害者に関しては、その対象を精神障害者保健福祉手帳1級所持者に限定しているが、同手帳2級所持者の多くが、継続して就労を続けることができず、安定した収入を得ることが難しい状況に陥っている。
現在、助成対象を同手帳2級までとする都道府県は8県となっているが、その中には、対象を通院費に限定するなどの部分的導入を行っている例もある。本県においても、そのような事例を参考に、同手帳2級所持者にまで対象を拡大し、医療費の自己負担が大きい障害者を支援する必要がある。
よって、本県議会は、精神障害者の経済的基盤確立の促進を図るため、県において下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 重度心身障害者医療費の対象に精神障害者保健福祉手帳2級所持者を加えることについて、令和4年度に実施される後期高齢者医療の制度改正等による事業費への影響や同手帳2級所持者数の推移などをよく検証し、部分的な導入も含め、対象の拡大について検討を行うこと。
2 上記1の検討に当たっては、実施主体である市町村の意見をよく聴くこと。
以上、決議する。

令和3年10月14日

埼玉県議会 

 中華人民共和国山西省における洪水災害に関する見舞い決議

本年10月に発生した豪雨により、中華人民共和国山西省において大規模な洪水災害が発生した。
この災害により176万名以上が被災し、約2万戸以上の住居が破壊され、住民12万名が緊急避難をするなど、深刻な被害が本県の友好省である山西省の広範囲に及んでいる。
15名とも聞き及んでいる尊い命が失われていることは、誠に憂慮に堪えない。
よって、本県議会は、被災された方々に対し、心からお見舞い申し上げるとともに、被災者の一刻も早い救済と被災地の早期復旧及び生活再建を願うものである。
以上、決議する。

令和3年10月14日

埼玉県議会 

 

  • 注意:議員の氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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