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掲載日:2020年3月31日

令和2年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(須賀敬史議員)

外国人との共生のために

Q   須賀敬史  議員(自民

近年、我が国を訪れる外国人は増加の一途をたどっています。平成30年12月、新たな在留資格の創設を盛り込んだ改正入国管理法が成立し、翌年4月の施行により、今後5年間で最大34万5,000人の新たな外国人材の受入れが始まりました。
本県の在留外国人は、平成27年末には約14万人でしたが、平成30年末には約18万人となり、3年間で約1.3倍となりました。言語・宗教・習慣など異なる社会的背景を有する外国人が、日本社会に円滑に溶け込む上で特に重要とされるのが、日本語教育です。共通の言語は、相互理解を深める最良のツールであり、外国人の日本語能力が向上すれば、地域社会との円滑なコミュニケーションが図られるだけでなく、日本の文化や習慣に関する知識など社会から得られる情報量が増加し、地域社会との融和も図れます。また、就労に必要とされる知識や技能も身に付けやすくなります。
在留外国人の増加に伴い、外国籍の子供が増加しています。国際人権規約等によって、普通教育を受けさせる義務の課されていない外国籍の子供であっても、就学機会の確保に努めることが求められています。これらの子供たちにしっかりとした日本語教育と、それに併せて日本の文化や道徳教育を行うことにより、今後ますます少子高齢化が進む中で、日本人住民とともに地域社会を支える存在になり得ると考えます。
地域問題に目を向けると、トラブルの一つとして、ごみの問題が挙げられます。ルールを理解せずにごみを出すことで、地域住民とのあつれきが生じているケースはよく耳にします。ありふれた問題ですが、一番根深い問題です。
そこで、例えば日本語と併せてごみ出しのルールも子供たちに教え、子供たちを通して家庭にルールを浸透させていくという方法もあります。これは一例ですが、こういった家庭の中から地道な啓発活動を行うことも重要なのではないでしょうか。小中学校での日本語教育に日常生活の題材を取り入れるなどの工夫により、日本での生活や道徳を併せて学ばせることが大切であると考えますが、教育長の御所見をお伺いします。
また、外国人が経営する店舗で就労している外国人は、住民登録されていないケースがあるということを耳にします。不当な労働環境で働かされ、医療機関では保険証の使い回しも行われているとも聞きます。まずは、市町村が在留外国人をきちんと把握することが必要で、県はそれを支援すべきです。全ての在留外国人に住民登録を行わせることで健全に働くことができ、きちんと納税させ、福祉を受けさせることが重要です。
本県の在留外国人、すなわち外国籍の県民が日本の文化・道徳を理解し、地域社会を構成する一員としてその能力を発揮し、社会を支えていく存在となるためには、外国人に対して住民登録など日本の制度をしっかりと教えることが必要であると考えますが、県民生活部長の御所見をお伺いします。

A   小松弥生   教育長

議員御指摘のとおり、外国の子供たちに日本語の指導を行う際に、日本での生活ルールや道徳的な内容を扱うことは、日本語の能力向上に加え、将来、地域社会を支える人材の育成にもつながると考えております。
また、そうした授業の内容を子供が保護者に伝えることで、日本の生活や、道徳に対する保護者の理解を深める機会にもなると考えております。
現在、一部の学校では、日本語の指導において、学校生活を行う上で大切な、時間を守って行動するなどのきまりを題材とした指導を行っております。
また、道徳についても、県が中国語やスペイン語など4カ国語に翻訳した教材「家庭用彩の国の道徳」を活用し、日本語と母国語を比較しながら学ばせている学校もございます。
例えば、「わたしのお父さん」という話には、消防団の一員として活動する父親の姿が描かれており、進んで公共のために働く態度を養うことにも資すると考えております。
加えて、国際交流員等が学校を訪問した際に、海外では馴染みのない、宿泊を伴う行事や、小学校の集団登下校について、外国人児童生徒の保護者から相談を受けて、アドバイスを行っております。
今後、これまでの取組に加え、子供たちの日常生活や、道徳と結び付けて行われる日本語指導の優良事例を広く周知するなど、指導の充実に努めてまいります。

A   小島康雄   県民生活部長

外国人に対して日本の制度をしっかり教えることが必要ではないかについて、お答えを申し上げます。
議員御指摘のとおり、県内に居住する外国人が地域社会を支える存在となるためには、日本の文化や制度を理解していただくことが重要と考えております。
県では外国人の方々が日本の文化や制度、地域のルールを理解できるよう、市町村と連携して多言語による情報提供などに取り組んでおります。
例えば、日本で暮らす上で必要な在留管理制度や医療、防災などに関する情報を「外国人の生活ガイド」としてまとめ、八つの言語で情報提供しております。
また、外国人からの生活相談などに多言語で対応している県内の市町村は、14市町でございます。
県では、「外国人総合相談センター埼玉」を設置し、外国人からの生活相談や出入国管理などの専門相談に11の言語で対応するとともに、市町村からの依頼による通訳も実施しております。
また、県内約140のボランティア団体などではおよそ200カ所の日本語教室を運営しており、日本語の学習支援だけでなく、身近な生活相談や料理教室などの交流イベントを実施しております。
こうした日本語教室の多様な活動は、教室に参加する外国人が日本の文化や道徳を学ぶ良い機会になるとともに、外国人と日本人との相互理解が深まる効果も期待できます。
そこで、県では令和2年度から日本語教室の人材の育成や日本語学習教材の作成など、新たな支援を開始することを考えております。
県といたしましては、今後とも市町村やボランティア団体、地域住民と連携しながら、外国人が地域社会の一員としてその能力を発揮し、誰もが暮らしやすい多文化共生社会の実現に取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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