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掲載日:2020年3月31日
Q 西山淳次 議員(公明)
地球温暖化対策の新しい国際ルール、パリ協定が今年からスタートしました。パリ協定は、地球温暖化防止のため二酸化炭素CO2などの温室効果ガス排出を減らすことと、対策の実施を全ての国に義務付けた国際的な取決めであります。世界の平均気温の上昇を大量のCO2排出が始まった18世紀の産業革命期から比べて2度未満に抑えること、できれば1.5度未満に抑えることを目標に掲げ、そのために21世紀後半のできるだけ早期に、温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを決めました。
しかし、その前途は容易ではありません。国連の報告書は「温暖化が現在のペースで進むと、早ければ2030年に世界の平均気温は目標の1.5度の上昇を突破するおそれがあり、有効な手を打たなければ、2100年頃には4度近く気温が上昇する」と警告しています。そして、この温暖化は「熱波や洪水などの異常気象をはじめ農作物への影響、生物多様性の損失、食料生産の危機など、人類生存の根底を揺るがすような広範囲かつ甚大な影響を及ぼす」と予想しております。
国連のグテーレス事務総長が「地球温暖化は私たちの時代を決定づける問題」と述べているように、地球温暖化は私たちの世代のみならず次世代への脅威であり、人類の命運を握る根本課題であると有識者は訴えております。であるならば、パリ協定のメッセージは私たち一人一人が受け止め、自ら行動に移していかなくてはならないと考えますが、いかがでしょうか。
ひるがえって、温暖化防止に対する本県の取組であります。
埼玉県は、全国的にも東京都と本県しか実施していない排出量取引制度を行うなど、温暖化防止対策に地道に努力してきました。その結果、2020年に2005年比で温室効果ガスを21%削減するという現行計画の目標を達成できそうだと伺っています。その御努力に敬意を表します。
そして、今正に次の温暖化防止に関する計画が新年度から施行される段階を迎えています。新計画の目標は、2030年度に埼玉県における温室効果ガス排出量を2013年度比で26%削減するとされました。
そこで、質問いたします。
私は、地球温暖化防止という人類的な課題の重要性に鑑みたとき、CO2削減の目標については、知事の決断で飛躍していただきたいと思っております。どういう飛躍か、是非とも「本県は2050年に実質的にCO2排出ゼロを目指す」と宣言していただきたいのであります。そして、その達成を目指し、県民の先頭に立ち、あらゆる英知と政策的資源を投入していただきたい。
既に15の都府県を含む69の自治体が、2050年のCO2排出実質ゼロを表明しております。これは政治決断の問題です。知事の御所見を伺います。
A 大野元裕 知事
本県は災害の少ない安全な県と言われておりましたが、昨年10月の令和元年東日本台風で大きな被害が県内で発生したことは、記憶に新しいところであります。
地球温暖化は、昨今の巨大台風の襲来などの異常気象の原因と言われており、私も地球温暖化の進行については強い危機感を持っております。
県では、温暖化防止は喫緊に取り組まなければならない課題と捉えており、これまでも産業・業務部門において、議員お話しの排出量取引制度を導入するなど、温室効果ガスの削減に積極的に取り組んでまいりました。
こうした中、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「パリ協定」が今年から実施段階に移るなど、大きな節目を迎えます。
本県でも、今年度中に策定予定の新たな地球温暖化対策実行計画では、2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比で26%削減するという具体的な目標を掲げています。
さらに、本県の目指すべき将来像を「脱炭素化が進み、気候変動に適応した持続可能な埼玉」として、脱炭素社会の実現を目指すこととしており、この実現時期を2050年以降のできるだけ早期としております。
私は、「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現を目指していますが、将来世代にとっても気候変動はその実現を脅かす重大な問題です。
県が率先して行動し、県民や事業者の皆様、国や市町村など、地域総ぐるみで英知を結集し、2050年に二酸化炭素排出実質ゼロとなるよう、具体的な道筋を検討してまいります。
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